マツダスタジアムに乗り込んでくる「交流戦王者」を「交流戦最下位」が迎え撃つ、という図式。果たして3連戦の結果はどうなる?
巨人は交流戦明け、ヤクルトと1試合を消化したのみ。一方の広島は横浜でDeNAに2勝1敗と勝ち越していいムードで“首位攻防戦”に臨む。
広島が巨人に首位の座を明け渡したのが交流戦15試合目。6月8日のことだった。
以来、巨人の後塵を拝しているが最大で4になっていたゲーム差は2・5の“射程”に戻った。
今夜は大瀬良対菅野、あすが九里対小山、第3戦が前田健太対今村の予想。
大瀬良はすでに巨人戦2試合に先発して1勝1敗。交流戦直前の東京ドームで8回2失点とその剛腕で重量打線をねじ伏せた。
しかし交流戦初戦のソフトバンク戦で打ち込まれて以降、苦難の連続。交流戦5戦目の日本ハム戦(6月21日、マツダ)で待望の交流戦初勝利をマークしたが、5回4失点で内容は伴っていなかった。
一方の菅野も交流戦は5試合に投げて1勝2敗と苦しんだ。ただしそのうちの4試合は7回以上を投げており、防御率も交流戦前が1・70で現在が1・71。さすがと言うほかない。
第2戦の九里は二軍再調整後の初登板。大瀬良とのルーキー右腕コンビは、先発の台所事情が苦しい広島にとっては巨人追撃への大事な“新鮮力”だ。
巨人の小山、今村は交流戦ではいい仕事をした。
今村は二軍再調整から再昇格した6月9日の日本ハム戦(東京ドーム)で5回3分の1を投げ勝ち投手になったあと中継ぎに回っていた。小山に至っては6月8日の出場選手登録以降、4試合に先発して3勝負けなし、と素晴らしい成績を残しており第3戦は前田健太とがっぷり四つに組む可能性もある。
巨人・原監督はゲーム差よりも貯金の数を気にしているという。当然だろう。リーグ優勝するためにはおのずと最小限度の貯金数が決まってくる。
ちなみに昨年の巨人は最終的には貯金が31もあった。田中がひとりで貯金24を貯めこんだ楽天は貯金23でシーズンを終えた。
広島は交流戦前、巨人に2勝1敗と勝ち越した時点では貯金が12あった。せっかく当面の目標である貯金20に向け好位置につけながら、交流戦中の9連敗で貯金が1まで目減りした。しかし巻き返しのパワーもすさまじくまた貯金7まで押し戻した。
巨人は交流戦で8つ貯金できたため現在は貯金12。要するに交流戦直前の広島の域に達したことになる。
巨人に5年連続で大きく負け越してきた広島だが、今季のここまでの対戦成績は5勝4敗。せっかく勝ち越しに成功しているのだから、広島はこの優位な立場をしばらく守っておいてシーズン終盤でイッキに突き放しにかかりたい。