広島県廿日市市にある広島の大野練習場で昨年、一軍出場ゼロに終わった栗原が本格的に始動した。
およそ40分間、じっくりとゴロ捕球を続け汗をかいたあと、およそ60スイングのティー打撃。
「痛みはない、何とかオープン戦では全開と行きたい…」昨年11月14日の右肘手術以来、一番熱の入ったバットスイングとなった。
その風貌からかつて「コング」の愛称でも親しまれた栗原は、前回広島時代の2005年にホームラン王になりチームメートから「キング」と呼ばれた新井と二人で「キング・コング」の異名!?をとっていた。
新井が四番で栗原がその前後を打った。
迎えた2007年シーズン、栗原が初の全144試合出場を果たすとそのオフ、新井がFA移籍。新井の抜けた四番の穴を埋めたのもまた栗原だった。
その新井が8年ぶりにチームに戻ってくる。過去のいきさつからある意味、最も刺激を受けたのが栗原、ということになる。
栗原のスイングは右手で押し込むからこそ打球が伸びる。右肘に痛みがあっては本来のバット軌道が期待できない。 新井が阪神に在籍していた2008年と2012年に二度、右肘の手術に踏み切った栗原は”3度目の正直”とばかりに今回、ギリギリのタイミングでメスを入れ勝負をかける道を選択した。
栗原は昨年オフの契約更改交渉で60パーセントダウンの3360万円(金額は推定、以下同)を受け入れた。2011年のオフには1億6000万円を勝ち取っていたからたった3年の間に1億3000万円近く目減りしたことになる。
一方の「キング」新井も2012年オフには2億5000万円でサインしたが昨年のUターン移籍の際に提示された年俸は2000万円だった。
今や他球団の偵察部隊の目にも「キングコング」の姿などほとんど見えていないはずだ。だが、怪獣映画に”逆襲”はつきもの…。
前日の1月5日には新井が広島市内で自主トレを公開、続いてこの日は栗原…。
今シーズン、開幕からほどなくして「キングコングの逆襲」の見出しがスポーツ紙一面を飾るようなことになれば、「マエケンと黒田のエース共演」に負けない話題となることは間違いないのだが…。