アンジュヴィオレ広島の、なでしこリーグ1部昇格をかけた大事なシーズンが始まる。なでしこ2部で昨季は10チーム中5位。今季はその反省と課題を踏まえて、その頂点を目指す。
3月27日の開幕戦はホームゲーム。広島市安佐南区の広島広域公園第一球技場にASハリマアルビオンを迎えて午後2時キックオフ。
2016プレナスなでしこリーグ2部大会概要
大会期間:3月26・27日~10月16日
大会概要:2回戦総当り(全18節)
2部10チーム
・ちふれASエルフェン埼玉
※ASエルフェン埼玉よりチーム名称変更
・スフィーダ世田谷FC
・日体大 FIELDS 横浜
・ニッパツ横浜FCシーガルズ
※横浜FCシーガルズよりチーム名称変更
・ノジマステラ神奈川相模原
・セレッソ大阪堺レディース
・ASハリマアルビオン
・FC吉備国際大学Charme
・アンジュヴィオレ広島
・愛媛FCレディース
2016なでしこリーグ1部・2部入替戦大会概要
大会期日:11月12・13日、11月19・20日
大会概要:1部の10位チームと2部の1位チームは自動入れ替え、1部の9位チーム と2部2位のチームはホーム&アウェイ方式による入替戦を実施、勝者が1部へ昇格または残留する。
アンジュヴィオレ広島が1部に昇格するためには10月半ばまで続く長丁場の18戦をコンディションを極力維持しながら戦うことが不可欠となる。1部昇格へは2位以内が絶対条件。
そのため、アンジュヴィオレ広島ではシーズン中もオフと同様に、毎週1回、広島市東区曙町にある飛翔会グループのケアウイング曙でトレーニング、コンディショニングを続けることになっている。
シーズン開幕を控えてアンジュヴィオレ広島では「サッカーフィールドテスト」と「ムーブメント評価」を2日間に分けて行った。
屋外で行う「サッカーフィールドテスト」は以下の5種目を測定した。
・10メートルごと40メートルまでのタイムを計る10M&40Mスプリント
・両足踏み切り垂直跳びの各種ジャンプ
・10M×5、シャトルラン
・両足踏み切りから片足ジャンプで5度前に飛ぶ、バウンディング
・シグナル音に合わせて、20メートルの往復走を繰り返すYo-Yoテスト。持久力測定のテストで、連続で走り続けるテストのみでなく1往復ごとに休息を設けることにより競技に近い持久力を測定できる。繰り返していくうちに、シグナル音の間隔が短くなっていき、音に遅れることなくゴールできた回数で評価する。
サッカーフィールドテスト評価表、選手ごとに昨年と今年の数値を比較できる。また、なでしこ平均値との比較もできる
ケアウイング曙トレーニングセンターでフィジカルコーチを担当している高橋大輔さんは、今季のアンジュヴィオレ広島の選手たちのフィジカル面について次のように評価している。
アンジュヴィオレ広島を担当する高橋さん、右は武田裕季主将
「アンジュヴィオレ広島を担当させていただき3年目になりますが、着実に力をつけ持久力は、なでしこ1部の選手に負けていません。自信を持っていいと思います。とはいえ相手が格上だと、ゲーム開始早々から振られてしまって早くバテてしまうこともあるでしょう。相手に自由にさせないでいかに戦えるか、またいいアップをしていい入りができる、ということが非常に大事になってきます」
戦術面を支えるスタミナ、走力面では十分に1部を目指すだけの地力は備わりつつある。と同時にリーグ戦ではケガや故障は避けられない。その可能性を少しでも低く抑えるためには2つ目の「ムーブメント評価」が大事になってくる。
「ムーブメント評価」は「サッカーフィールドテスト」のような激しい動きは伴わない。逆にその場で測定できる項目ばかりなので屋内で実施される。今回もケアウイング曙トレーニングセンターで行われた。
「ムーブメント評価」7項目
・デープ スクワット
上半身が床に対して垂直か、膝の位置と足の位置の関係はどうかなどをチェック
・ハードルステップ
股関節、膝、足首、脊柱の動きや位置をチェック
・インライン ランジ
バランス、背中にあるバーと頭、胸椎、仙骨のコンタクト、上半身のブレなどを見る
・ショルダー モビリティ(両手を上の画像のように、バーなしの状態で背中に回して拳がどれぐらい近づくかを測定する)
・アクティブ ストレイト レイズ
踵と膝と大腿骨の位置などをチェック
・トランス スタビリテ プッシュアップ
床につく両手の位置を変えて、腕立てができるかどうかチェック
・ローテーショナル スタビリティ
背中を床と平行に保てるかなどをチェック
ムーブメント評価シートに自分のデータを書き込む
これらの「ムーブメント評価」によってからだの機能性、クセなど個人的な特徴が明らかになる。自分のからだの特性、クセを知ることはケガの予防や個別のトレーニング方法の確立に繋がる。
高橋さんは言う。
「シーズン中はスケジュール的にも大変ですが、これらのデータをもとに、ここで週1回トレーニングしてもらいます。なでしこ2部トップに行けるだけの力を養いながら、同時になでしこ1部に昇格してもすぐに降格…とならないようなフィジカルを養えるエクササイズを入れていきます。ここに来てもらうからには結果を出していかないといけません」
なでしこリーグ2部開幕5日前にケアウイング曙トレーニングセンターで行われた「ムーブメント評価」では、測定が終了したグループを集めては高橋さんはこう告げた。
「毎回、いいアップを行い、いい状態で試合に入ってください。1部は見えています。常に1部での戦いを頭に置いてピッチに立ってください」
測定後に話をする高橋さん
アンジュヴィオレ広島トレーニング風景
この状態で両足ジャンプ、武田裕季選手
ダンベルを挙げる赤嶺美月選手
4キロのメディシンボールを扱う葛馬史奈選手
新加入、身長174センチの中島麻里選手もメディシンボールで
DFラインを固める齊藤仁美選手
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ケアウイング曙
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株式会社 ケアウイング
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