ベンチで戦況を見守る石井琢朗打撃コーチ(右端)、その左に高信二ヘッドコーチ、その左が緒方孝市監督
25年ぶりのリーグ優勝が目前に迫るプロ野球・広島東洋カープ。12球団で最も優勝から遠ざかっていた球団は大変貌をとげた。昨シーズン・三振数リーグ最多の“貧打線”は、リーグトップの“最強打線”に。勝利試合の半分以上は、劇的な逆転勝ち。快進撃のカギは、資金力に限りのある中で、長年大事に守り続け、ようやく開花した「育成力」。日本中が注目する広島カープの歴史的な快挙。知られざる証言ともに、その舞台裏に迫る。
以上は、NHKのクローズアップ現代+、9月8日オンエア分、番組内容紹介をそのままNHK番組ホームページから引用させてもらったものだ。
NHKのクローズアップ現代+
www.nhk.or.jp/gendai/articles/3859/index.html?1473254909
様々な問題が生じたことでも知られるこの番組。「+」(プラス)を加えただけで前番組からそのまま”続投指令”、というのもどうかと思うが、この際そんな話は置いといて、「カープ25年ぶりのリーグ優勝」が決まる可能性の高かったこの夜に、この内容をぶつけてきたNHKの”眼力”には「あっぱれ!」と言うしかない。
NHKでは8月29日、「プロフェッショナル 仕事の流儀」でサンフレッチェ広島・森保一監督にスポットを当てたばかり。その内容もかなりの独自性を持った視点からのものであり、森保監督の人となりをうまくあぶり出していた。また地方クラブの一監督にスポットが当たったことで、サッカーにあまり詳しくない全国の視聴者にも森保監督の名は知られるようになったことだろう。
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今回のクローズアップ現代+では「神ってる!カープ快進撃の軌跡」を打撃面と投手面、さらにはマツダスタジアムでの応援効果、という主に3つの側面から辿っていた。
打撃面では昨年オフ、守備・走塁コーチから打撃コーチになった石井琢朗コーチの練習スタイルや考え方を「クローズアップ」。いかにバットをしぶとく、どんなコース、球種の球にもコンタクトさせていくか、テーマをその1点に絞ってのチームとしての取り組みが紹介された。
ちなみに昨季と今季の主力野手の試合数(打席数を考えれば誤差あり)と三振数は以下のとおり。
昨季 今季
田中 141試合105三振 130試合108三振
菊池 143試合92三振 128試合93三振
丸 143試合143三振 130試合95三振
新井 125試合73三振 120試合92三振
ゆえに、番組内容を補足するなら、一番から四番にかけてだけを見た場合(新井の四番は限定的で一番から三番は固定)丸以外の選手は逆に三振の数自体は増えている。
しかし肝心の場面ではみんな三振しない。この番組開始の約30分前にゲームセットとなったマツダスタジアムでの広島対中日戦でも二回、広島打線は打者10人を送り込みイッキに5点を奪ったが、三振したのは自身の通算100号本塁打にあと1本として力みまくるエルドレッドだけ。特に新井は低目のボール球に食らいつくようにして左前適時打を放っていた。
番組では石井打撃コーチの掲げる方針に沿った打撃スタイルの手本として広島復帰を機会に「打点にだけこだわる」ようになった新井の考え方も「クローズアップ」した。
投手力に関しては新井と双璧をなす黒田博樹の存在をピックアップ。その投球スタイルとメンタル面を「クローズアップ」して投手陣「内角攻め」に関する共通認識などが今のチーム防御率セ・リーグナンバーワンの数字に繋がっている、と紹介した。
昨季の広島は1点を奪うのに汲々として、先発陣の頭の中には2点取られたら苦しい、3点取られた終わり…という大きな重圧がかかっていた。そして昨季の最終戦となった中日戦では「勝てばクライマックスシリーズ出場決定」という中、新井のヒット1本に封じられ”エース前田健太”を立てながら敗れる、という結末を迎えた。
同じマツダスタジアムで同じ中日を相手にして、今夜はまったく違った野球をできるようになった。これは「神ってる」のはなくてもう正真正銘の実力、と言える。
補足しておくなら、その下地となるものはすでに開幕時に出来上がっていた。
昨季は3・4月のチーム総得点が96で総失点が67、今季のそれは155と111。石井コーチらの思惑どおり、まったく違った”鉾”を持つようになったチームはその攻撃の手を緩めないことにより、同時に“縦”の強化も図ることができるようになった。
ひろスポ!には”映像部門”はないが、もし特番を組むとするならやはり今回のクローズアップ現代+の構成と似たものになるだろう。
仮にもうすこし尺(番組の時間)に余裕があるなら、緒方監督がその就任時に一番印象に残った監督として名を挙げた三村敏之監督の時代に登場した”名参謀”、畝龍実投手コーチと二軍を任されている佐々岡真司投手コーチ、水本勝己二軍監督も「クローズアップ」することになるはすだ。
ところで「神ってる」の言葉は緒方監督によるものだが、そのおかげ!?でNHKだけでなく、週刊ダイヤモンドやAERAでもカープと広島の特集が組まれている。
週刊ダイヤモンド
diamond.jp/articles/-/100951
AERA
publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=18372
当然ながらNHK広島放送局でも特別編成が続く。
9月9日(金)午後7時30分からは、生放送特別番組「広島カープ最高潮」をオンエア。その他、強力ラインナップが用意されている。
NHK広島放送局
www.nhk.or.jp/hiroshima/
リーグ優勝は9月9日以降に持ち越され、地元胴上げは持ち越しとなったがクライマックスシリーズ、日本シリーズとステージが上がっていけばますます「神ってる」赤い風景と地方都市・広島が「クローズアップ」されることになる。
ひろスポ!では全国のカープ人気にあやかり「カープ記念日」を制定することを考えておいる。無論、関係各所には…、まったく打診していない。
応援する人々や選手、関係者それぞれがそれぞれの胸にそっと仕舞っておくことで、カープ人気はさらに普遍的なものとなっていくだろう。
この赤が、いいねと君が言ったから、きょうが二人のカーフ記念日…
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