25年ぶりにリーグ優勝した広島東洋カープが広島県内にもたらす経済効果について11月8日、民間の調査機関である中国電力エネルギア総合研究所(本部・東広島市)が会見で発表した。
その試算によると、カープがリーグ優勝して日本シリーズに進出した場合の経済効果を最大で278億円としていた。しかし、マツダスタジアムでのカープ主催ゲームの観客数が予想を上回るペースで増えて、入場料やスタジアムでの飲食費、グッズ購入費、あるいは野球観戦に伴う交通費、宿泊費も増えたこと、さらには優勝セールや41年ぶりの優勝パレード開催に多くの人が訪れたことで、年間では340億円にのぼる、とした。昨年より92億円多い額でマツダスタジアム完成以来で見ても一番多い。
マツダスタジアムで開催されたクライマックスシリーズと日本シリーズは合計で7試合。これだけで21億円と算出された。百貨店などの優勝セールの売り上げは30億円。またカープの成績に応じて金利を上乗せする定期預金が複数の金融機関で取り扱われ、優勝によっておよそ5億円の金利が上乗せされることになり、そのうち3億円が消費などに回ると予想している。
またこうした効果に伴い年間で3250人分の雇用効果もあると分析している。さらに今後、忘年会シーズンも含めての年末商戦に”カープV効果”が波及していけば、今回試算した340億円をも上回る経済効果が期待できる、としている。