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2017年04月07日
編集部

ポスト黒田候補のひとり、広島のドラフト1位右腕、加藤拓也(慶大)が沢村賞左腕ジョンソンに代わってプロ初先発へ

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加藤拓也
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ブルペンで調整する広島ドラフト1位の加藤拓也、左奥は畝投手コーチ(トップ画像説明)

 

広島のドラフト1位右腕、加藤拓也(慶大)が4月7日、開幕第7戦目(ヤクルト戦)でプロ初登板初先発する。

入団当初から「ポスト黒田」のひとりとして期待されていた加藤だったが、「高低に大きく外れる球をなくす課題」(畝龍実投手コーチ)を指摘され、開幕二軍スタートとなった。

広島の開幕ローテーションには、2年連続開幕投手の沢村賞左腕クリス・ジョンソン、プロ2年目の岡田明丈、九里亜蓮、昨季の最多勝右腕・野村祐輔、ドラフト3位左腕の床田寛樹、大瀬良大地という6投手が当てられた。

加藤と開幕ローテを争ったともにプロ4年目の九里(6回1失点)と大瀬良(6回無失点)は結果を残し、本来なら加藤の初登板はさらに遅れるはずだたった。しかしジョンソンが咽頭炎を発症して登録を抹消されたため、このタイミングでマツダスタジアムのマウンドに上がることが決まった。

メジャーリーグ投手の投げ方も研究して独自に行き付いたという個性的な投球フォーム。「背の高い人と同じようなトレーニングをしても勝てない。だから筋肉を大きくしたり、体の力をつけたり、違うベクトルで勝負している」とその狙いを明快に話す。

慶應高校から慶応大学へは、一芸に秀でた人材がジャンルを問わずに競い合う特別枠で進学した。9科目総合評価が38以上でなければ受け付けてもらえない。7科目で4をとったとしてもさらに2科目で5が必要になる。学ぶことを厭わない。二軍寮に青色申告の本を持ち込んだのは有名な話だ。

見た目はマッチョで中身はインテリ。好きな言葉は「偶然は、準備をしていない人を助けない」。これはフランスの細菌学者、パスツールの言葉だという。

2月20日のマツダスタジアム、オリックス戦では、5回4安打2失点ながら102球を要し「課題」を与えられた。あれから3週間弱でどれだけの「準備」をすることができたのか?果たして「パスツール効果」はあるだろうか?

※パスツール効果と加藤のピッチング

パスツールによって発見された「効果」のこと。嫌気条件(有機物を酸化するのに必要な酸素がない条件下、例えば無呼吸で行う100メートルダッシュ)では細胞は「解糖」によって糖を乳酸やアルコールに変え、その過程でエネルギーを獲得するが、好気条件下(有機物を酸化するのに必要な酸素が十分にある条件下、フルマラソンなど)では体内の糖はTCA回路という仕組みによって完全に酸化される。完全酸化により得られるエネルギー、すなわちアデノシン三リン酸(ATP)は「解糖」の場合よりはるかに大きいので、好気条件下では嫌気条件下より少量の糖消費ですむという「効果」。

これを強引に加藤拓也のピッチングにあてはめる?なら、しっかり呼吸しながらリラックスして、無駄球を少なくし、より「効果」的に武器である真っ直ぐを使う、ということになる?

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