「なぜ、旧広島市民球場跡地にスタジアムをというサンフレッチェ広島に反対するのか?」と声を荒げる基町地区連合自治会の中村和正副会長に対して広島市文化スポーツ部の杉山部長が行った説明は目がテンになるような内容だった…(トップ画像は中村会長)
もうすぐ広島のサッカースタジアム問題がメディアによって報じられる。
広島市松井市長、湯崎知事、広島商工会議所の深山会頭の3者が、無理やりサンフレッチェ広島の久保允誉会長に頼み込んで”ねじ込んだ”、「第3の候補地」(この言葉の意味からして、そもそもおかしいのだが…)通称「中央公園案」に関して、広島市・県の予算で行われた「調査」の中間報告がなされるからだ。
なぜ、何を調査したのか?
「聞いてない」「全面的に反対」と声を上げる中央公園近隣の基町地区住民から出された質問状にある「建設費の問題」「交通問題」「騒音問題」などに回答するための調査が進められた。その中で建設費概算が出てくれば、当然スタジアムの概要も見えてくる。
勝手に想像するに、その「調査」に沿って描かれたスタジアムは「広島の顔」「広島の誇り」「広島っ子の財産」とするには、あまりにも”粗悪”なものになりそうだ。
すでにひろスポ!では、国家戦略としての、「中心市街地の活性化やスポーツを核とした街づくりを担う”スマートベニュー”」、作れば赤字の旧型日本スタジアムの逆を行く、新たな利益を生む新産業マチナカスタジアムについて紹介した。
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当然ながら広島では、もめにもめた挙句、マチナカに作るのだから赤字垂れ流しの「旧型」ではない「スマートベニュー」(スマートフォンのように?多機能で新たな価値を次々に生み出す交流の場、とでも言おうか…)が広島の都心をさらに価値の高い、魅力的な空間にするはずだ。
ところが3者側作業担当者の、その中でも今や完全に全権を握った感のある広島市文化スポーツ部の杉山部長の話を聞いていると、その頭に描かれているのはまさに「旧型」であり「スマート」さのカケラも感じられない。
以下、「スタジアム建設予定地化全面反対」を唱える基町地区住民側と2度目の会合に臨んだ杉山部長がその場で語った、中央公園に展開するスタジアムの概要についての説明をそのまま掲載する。
1月24日に開催された基町地区住民と、広島市、広島県、広島商工会議所 の担当者ら10人との話合いの中で、広島市スポーツ文化部杉山部長が述べた内容
中村会長のご意見(なぜ、旧広島市民球場跡地にスタジアムを造らないのか?サンフレッチェ広島が寄付まですると言っているのに、高さ制限は関係ない、おりづるタワーはどうなる?クラブハウスやサブグラウンドなどは難しいけどそれでも話し合っていけば…という”ご意見”)の中に、当然、中央公園は広いのでスタジアムができて、クラブハウスのようなものもできて、広場がなくなるというご不満、御不安、懸念をお持ちだと思うんですけど、我々が現時点で申し上げるとサブグラウンドとか、クラブハウスを作る考えは今のところありません。
というのは旧広島市民球場跡地の時も広島みなと公園の時も、そういう検討はしておりませんので、検討するとすれば同じレベルで検討する必要があると思います。
広島みなと公園で考えていたのはスタジアム単体だけです。だから中央公園で検討するのもスタジアム単体だけしか思っていません。
そういう意味では中央公園全体で8ヘクタールあるんですけど、球場(スタジアムのこと)の面積は3ヘクタールぐらいなんです。ですから、8ヘクタールのうち3ヘクタール程度は使うことになると思いますけど、残りの5ヘクタール、多少通路とか取りますのでどれぐらい残るかこれから検討しますが、いずれにしても半分程度は必ず残ると思います。
今の広場の話だったり、これまでみなさんや広島市民の方々も使えるスペースは必ず残るようになる、ただどれぐらい残るかはこれから検討させていただいて、ということになろうかと思います。
広島新サッカースタジアム取材班