広島ベンチ、手前は玉木内野守備。走塁コーチ、奥側左から緒方監督、高ヘッドコーチ、石井打撃コーチ(トップ画像説明)
潜在的な危機が表面化した時にはもう遅い…。
そんな話は世の中にゴロゴロしている。例えば北朝鮮問題。ずっと燻り続けていた”だけ”だったのに、ICBM発射実験の成功で、にわかに慌ただしさを増してきた。
とうとう平和都市広島に隣接する広島県安芸郡の陸上自衛隊海田市駐屯地に、弾道ミサイル迎撃用のPAC3が運び込まれる事態になった(8月12日)。
広島から世界平和を訴える8月6日から数えて一週間も経っていない。異常事態である。
…で話は、プロ野球。
首位を快走中の広島は昨日(8月11日)、巨人に敗れて5月以来の3連敗となった。
でも、2位阪神まで7.5差もある。潜在的な危機など微塵も感じられない。
ところがゲーム差実に13.5と遥か後方にいる4位巨人には、広島にとっての潜在的脅威が確かに存在する。
それは田口、そして菅野…。
広島は前日、2対9で完敗したものの、その巨人との対戦成績は13勝5敗、誰が見ても圧倒している。
ただ、5敗の内容に広島緒方監督も頭を悩ませているに違いない。
今季の対巨人戦5敗の詳細
(日時・場所、両先発、結果)
4月15日・東京ドーム、野村対菅野、●0-1
7月4日・マツダ、野村対田口、●0-3
7月5日・マツダ、岡田対菅野、●0-5
7月27日・京セラ、中村祐対田口、●3-4
8月11・マツダ、福井対田口、●2-9
さらに詳しく見ていくと…
菅野は今季、広島戦3試合で2勝0敗、対戦防御率は2.18、4月の対戦では9回4安打完封勝利。7月は6回3安打自責ゼロ。
田口は昨日(8月11日)、強力広島打線を2点に抑えて完投勝利をマークしたばかり。トータルでは今季、5試合に投げ3勝1敗、対戦防御率2.25。その5試合すべてで6回自責点3以下のクオリティスタートに成功している。
きょう8月12日、マツダスタジアムでの予告先発は広島が薮田、巨人は菅野。
もし広島打線がまた菅野に抑えられるようなことがあれば7月4日、5日の連続完封負けに匹敵する深刻な事態となり、潜在的脅威はさらに増す。
広島の緒方監督もこれまで対策は練ってきた。例えば7月27日の対戦では鈴木誠也、バティスタ、エルドレッドの四、五、六番をぶつけ、大砲3門の効果をチェック。昨夜は故障の癒えた左打ちの松山を五番に持ってきて、田口の低目に集まるボールに対処すべく打線の繋がりを見た。
また、菅野に対しては4月、7月の対戦ともに松山、安部、西川の左打者3人を五、六、七番に入れ、安部がファーストを守る変則オーダーを試している。
8月11日現在、4位巨人と3位DeNAは3ゲーム差。口には出さないだろけども、巨人高橋監督も、菅野も田口も坂本勇も阿部も、下克上からの「日本一」に狙いを定めているのは間違いない。
よって、今夜の「菅野対広島打線」は、プレーオフを想定した緊迫した展開が予想される。7月以降、5戦全勝の菅野を攻略するのは、広島打線と言えども容易ではないだろう。
ひろスポ!カープ取材班