小園海斗、マツダスタジアムデビューで併殺完成、2万人超えのスタンド喝采、その凄さの秘密は…

画像はマツダスタジアムのショートの当たりに入念にトンボをかける小園

スーパールーキー、小園海斗が堂々のマツダスタジアムデビューを果たした。

”いつものように”五回の守備からセカンドの曽根とともに途中出場。2万2572人と公式発表のあったスタンドのファンの視線がショートのポジションに集まった。

巨人の五回の攻撃は、これまた注目の丸が見逃し三振の間に吉川尚が二盗に成功。次打者・坂本勇は初球打ち。これがショートに飛んだが小園はグラウンダーを無難にさばいて見せた。

続く六回の小園の守り。この回からマウンドに上がった岡田は制球が定まらず投球にテンポなし…。守る方としては一番、嫌なパターン…で１点を失いなお一死満塁で左打席には大城。打球はショートへ。小園から曽根に渡って併殺完成！スタンドから大きな拍手が起こったのは言うまでもない。

普通に守って、普通に併殺完成。それだけの話ではあるが、この普通が難しい。それが高卒18歳ルーキーならなおさらだ。緒方監督とは親子ほど歳が開き、菊池涼、田中らでも１０歳以上離れている。

それでも２月のキャンプイン以降、名だたる球界のＯＢたちや関係者がその存在を「ずっと前からこのチームにいるよう…」と評してきたように初々しさはあってもバタバタ感やひ弱さ、といった類のものとは無縁のよう。

打っても、難しい球をバットコントロールでヒットにしたり、目の覚めるような一発を放ったり、この日のように足で内野安打を稼いだりといろいろな引き出しを有している。

この引き出しが少ないがために、新人は苦労の連続…はよくある話。では小園の引き出しはどれほどあるのか？大阪・庫県という野球王国で揉まれ、甲子園や世界大会の舞台で多くのことを経験してきたことを、実に巧みにプロの世界でも生かしているように見える。

２月１日、宮崎・日南の天福球場で広島の主力選手キャンプイン。最初に外野に全選手が集合した時、小園海斗は確かに新人っぽい表情だった。見聞きするもの全てが初めて。当然だ。

しかし２日目、内野ノックを受ける姿はすでに新人離れ。ほどなく打撃の方でも卓越したミート力を披露し、練習メニューが実戦形式になってもそのパフォーマンスは高いレベルを維持し続けた。

最初だけで途中で故障、真っ直ぐは打ってたけど変化球はＮＧ、守備に課題あり、直すとことがいっぱい…

これもまたよく聞く話だが、小園の場合はそのあたりの課題もいとも簡単に!?クリアしてきた。

だいたい広島には菊池涼、田中の鉄壁の二遊間が存在する。上本、曽根、庄司ら二遊間のバックアップ要員もいる。一軍枠を考えれば小園の割って入るスキなどない…はずがその隙間を実力でこじ開けそうな勢いだ。

加えてすでにメジャー挑戦を表明した菊池涼や、今後FA移籍の可能性がある田中のことを考えれば準備だけはどんどん進めておかなければいけない。そんなタイミングで飛び込んできたダイヤモインドの原石は赤いモノで磨けば磨くほど輝きを増しそうな勢いがある。

沖縄・宜野湾のＤｅＮＡ戦では山崎から対外試合初安打をマーク。長崎の西武戦では左対左の武隈から弾丸ライナーの一発をライトスタンドに叩き込んだ。

日数を重ねるごとにへばるのではなく凄みを増す。そして打つたびそのコメントからは”洞察力”の鋭さが滲み出る。

その場でどう行動することが一番、自分に適しているか？洞察して早期に順応し、首脳陣が期待することを普通にやってまた次のステップに進む。しかも故障に強い身体を持ち、初めてのプロの、しかも広島のキャンプ生活を終えても身体のキレが悪くならない。

年上の周りとの協調性にも優れ、常に「感謝」の２文字も口にする。

２月１１日、広島が初めての紅白戦を行った時、紅組の二遊間は菊池・小園だった。

この時点で、首脳陣は小園の無限の可能性に懸ける、という大きな希望を抱いていたことになる。開幕までにあと何度、周囲を驚かせてくれるのか、「感謝」の思いを胸にマツダスタジアム公式戦のグラウンドに立つ日は…

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