画像は中央公園本川寄りの芝生公園からの景色
2018年6月24日、広島市の杉山スポーツ文化部長が中心となって、基町地区に出向き住民説明会を行った際に配布された資料、スタジアムの位置は東寄り(画像右寄り)の土の部分となっている。
中央公園自由(土の広場)・芝生広場に整備する広島の新サッカースタジアムの建設する位置について、広島市などが当初の案で”はめこんでいた”広場東寄りから広場の中央をまたぎ西寄りに変更されることになった。
中央部分地下には貯水施設がある。また当初予定されていた位置は広島城に近いため遺構が多く存在する可能性もある。市が行った試掘調査結果でははっきりしない部分もある。
1月30日に開催される松井市長、湯崎知事、広島商会議所の池田会頭、サンフレッチェ広島の久保会長による4者会談で承認される方向。
ひろスタ特命取材班では、これまで再三、中央公園東寄りで、しかもスタジアムのレイアウトを南北軸に置く、現状のプランに異議を唱えてきた。片側1車線の道路を挟み、基町保育園、基町小学校、基町高層アパートがある。
基町地区住民は、広島市が示すプランに猛反対。保育園の目の前、しかも日の当たらなくなる南側に、高さ最大45メートル前後の”壁”ができるのと一緒。
一方で住民たちは芝生広場も含めて中央公園全体の静かな環境を第一と主張した。そのため当時の広島市の担当者、スポーツ文化部の杉山部長(広島みなと公園騒動などスタジアム問題の際どい裏舞台を見事に切り抜け現在、安佐南区長)は「芝生広場などスタジアム建設場所以外はいっさい、手を加えません」と説明していた。
それでいくと、スタジアム周辺に何も設置できないことになりそうだが、そのころには複合施設、関連施設の話は二の次。とにかく「寝耳に水」(基町住民)の地元住民に、スタジアム建設を認めてもらうことのみが担当者らのタスクだった。
こうした経緯からもわかるように、現在の中央公園東寄りにレイアウトされた青写真は、将来に渡って利用者に最大限のベネフィットを享受してもらうために作られたものではない。
その後、広島県サッカー協会、県、市、広島商工会議所の実務者レベルで話会う作業部会や、学識経験者らで構成されたサッカースタジアムについて意見を聴く会でも様々な提言がなされてきた。
特にサッカースタジアムについて意見を聴く会では、紙屋町や広島平和公園、広島城、その他の集客施設やJR広島駅、JR新白島駅などとのアクセス、回遊性に関して強い要望が出されていた。
原爆ドームからそのまま本川(旧太田川)沿い河岸を北に移動すれば、外国人観光客や地元の人たちで賑わうマルシェのある風景を楽むことができて、城南通りに阻害されることのない新設のアンダーパス(これを整備するだけで何億円かかることやら…)を通って、そのまま河辺のスタスタジアムゲートへ…
広島県のサッカー関係者の中からは「水運を活用し、原爆ドームはもちろん、宮島やJR広島駅からもアクセスできるようにすることが広島らしさに繋がる」という声も上がっている。
ただ、建てる位置を本川寄りに変更しただけでは、問題は解決しない。
広島市には、学識経験者からの声として、収容能力を「3万ではなく、せめて3万5000にすべき」との要望も届いている。また日本サッカー協会、県サッカー協会は質の高い「日本代表戦」を招致するためには「4万人規模が必要」としている。
2019年11月20日にあった広島市の都市活性化特別委員会やサッカースタジアムについて意見を聴く会では、スタジアムの建設に完成はない、あるいは、余分な投資になってものちのちまで手が加えられるよう、柔軟な形でスタジアム建設を進めるべき、との声が上がっている。
そのためには中央公園の南北いっぱいいっぱいになる、今の南北軸スタジアムはNGだ。
軸は東西に90度変更し、建設する際にも余裕をもたせることが必要。収容能力の変更は簡単にはいきそうもないが、あとあと悔いが残らぬよう、知恵を出し合う必要がありそうだ。
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ひろスタ特命取材班