トップ画像は試合後、健闘を称え合う北川弘(左)と朝山正悟
B1第20節GAME1(2月6日)
広島ドラゴンフライズ77-86 島根スサノオマジック
1Q:16―23
2Q:13―23
3Q:14―19
4Q:34―21
会場:エフピコアリーナふくやま
観衆:732人
【スターター】
広島:ジャマリ・トレイラー、朝山正悟、アイザイア・マーフィー、古野拓巳、グレゴリー・エチェニケ
島根:北川弘、リード・トラビス、杉浦佑成、白濱僚祐、デモン・ブルックス
【主なスタッツ】
広島ドラゴンフライズ
◆得点
朝山正悟 26点
グレゴリー・エチェニケ 18点
岡本飛竜 11点
佐土原遼 10点
◆リバウンド
グレゴリー・エチェニケ 4リバウンド
岡本飛竜 3リバウンド
谷口大智 3リバウンド
◆アシスト
岡本飛竜 8アシスト
朝山正悟 3アシスト
古野拓巳 3アシスト
◆出場タイム
トーマス・ケネディ16:38
朝山正悟32:21
岡本飛竜20:46
アイザイア・マーフィー20:46
グレゴリー・エチェニケ27:53
田中成也10:32
荒尾岳12:07
古野拓巳19:14
佐土原遼16:21
谷口大智 26:24
島根スサノオマジック
◆得点
デモン・ブルックス 27点
北川弘 14点
リード・トラビス 11点
◆リバウンド
リード・トラビス 10リバウンド
デモン・ブルックス 10リバウンド
ウィリアムス 二カ 7リバウンド
◆アシスト
北川弘 9アシスト
ぺリン・ビュフォード 4アシスト
デモン・ブルックス 4アシスト
広島、島根の両ブースターと両チーム、関係者が特別な気概を持って臨んだはずの一戦は、数字の上では島根スサノオマジックの優勢勝ち。しかし、ゲーム展開上は広島ドラゴンフライズの完敗だった。
それは当然、かもしれない。
B1初参戦の広島ドラゴンフライズに対して島根スサノオマジックは遥かに経験を積んでいる。そしてこの日の勝利で島根スサノオマジックは12勝21敗となった。
過去、2度のB1シーズンでの勝敗は、あのプレーオフの死闘で広島ドラゴンフライズを振り切り”初参戦”した2017-18シーズンが11勝49敗で18チーム中最下位。
2度目のB1挑戦となった昨季、2019-2020シーズンが11勝30敗で西地区最下位。
今回,やっとクラブとして11勝の壁をぶち壊した。
「外国籍選手に頼らず日本人選手で打開していこう」という「日本人改革」(島根・河合竜児ヘッドコーチ代行)の号令の下で、チーム力の強化を急ぐ。その成果が前節、川崎ブレイブサンダースとのGAME2、第4クォーター残り4秒からの粘り勝ちの内容にも見て取れる。そうした積み重ねを「自信」に変え、その勢いで中国山地を越え山陽側に乗り込んできた。
そしてそのチームの目指すべき「セイムページ」、そのページのめくり手が広島ドラゴンフライズ育ちのポイントガード、北川弘…。
第1クォーター、TIP OFF直後からのそのパス回し、そのリズム、その流れで、瞬く間に島根スサノオマジックに9点が入った。しかも最後は北川弘のスリーポイント。
たまらず広島ドラゴンフライズ、タイムアウト。しかし、この時点で流れが中国山地の向こう側へと行ってしまった。それは、もう間違いない。
それでも第1クォーター15点ビハインドとなって、初めて広島ドラゴンフライズの得点を決めたのが朝山正悟なら、その後も獅子奮迅の活躍で、24点を追いかける第4クォーターに7点差まで詰め寄るシュートをねじ込んだのも朝山正悟だった。
朝山正悟は残り2分43秒でもスリーポイントを決めて実に26得点。アリーナに詰めかけたファンは少なめだったがNHKの中継が広島・島根両県でオンエアされており、その姿に惹きつけられた視聴者は多いだろう。
試合後、朝山正悟の言動に引っ張られるように個人スタッツを伸ばした岡本飛竜は「(谷口)大智 さん、(荒尾)岳さん、佐土原とプレータイムが増えた選手がハッスルしてる、試合に出た選手がしっかりやればいい結果に繋がると思う」と話した。
第4クォーター、チームで奪った得点は34。そのうち8点を稼いだ佐土原遼は「前半の点差が後半に響いた。でも、最後まで諦めるなと朝山さんに言われたことで、ああいう得点になったと思います」と振り返った。
もちろん佐土原遼は朝山正悟が北川弘らと、かつて命がけでB1を目指して戦っていたことは詳しくは知らないだろう。
佐土原遼(奥)と岡本飛竜がチームに活力を与えた
そのふたりがB1の舞台で対峙した時、どんなことが起こるか。それがこの日、はっきりした。
朝山正悟は出場タイム32分21秒で18本ものシュートを打った。成功率61・1パーセント。
北川弘は31分35秒で14得点、成功率はやはり62・5パーセントと拮抗した。
転ぶ北川弘、アイザイア・マーフィーとのバトル
古野拓巳(右)と北川弘のマッチアップ
司令塔、北川弘の動き
ただ、北川弘は「日本人改革」を前面に押し出すような展開を様々なパターンから繰り出して、それが結果的には会心の9アシストに繋がり、デモン・ブルックスの24得点にも繋がった。前半だけで15得点…
北川弘自身は試合後、お決まりの”古巣対決”に関する質問には「60試合のうちのひとつ」と答え24点リードの第4クォーターについて「20点のリードを持っていたのに前節の川崎戦とまた同じようなシチュエーションになった、僕の責任」と反省の弁を口にした。
そのあたりのことは河合竜児ヘッドコーチ代行も織り込み済みで、第4クォーター、残り7分27秒、14点リードでタイムアウト。このあと北川弘をコートに送り、引き離しにかかろうとした。
だが逆に朝山正悟、岡本飛竜、グレゴリー・エチェニケ、佐土原遼、谷口大智 の5人でそこから猛反撃に転じることはできた。
この流れを広島ドラゴンフライズがGAME2にどう繋げていくか?
コートをあとにする川北弘は笑顔でスタンドに手を振ったが、2日続けて古巣凱旋で花を持たせる訳には…いかないだろう。
スタンドに手を振る北川弘
広島ドラゴンフライズ・堀田剛司ヘッドコーチ
今日の試合の入りが本当に悪く、そこが敗因だったと思う。守備も今やろうとしていることが遂行されない状況が沢山あった。攻撃でも上手くいかず、島根には走られ、速い攻撃を展開されてしまった。後半では(得点が)島根に勝ってはいるが、守備に変化をつけ、プレッシャーの強度も上げないと今日のような試合になってしまう。明日は40分間守備で止めて、攻撃で自分たちの武器を起点として戦いたい。切り替えて明日に臨みたい。
広島ドラゴンフライズ・岡本飛竜
試合の入りのところで相手を勢いに乗らせてしまった。その点差が響いたかなと思う。自分たちは外国籍選手を一人欠く中でも、守備から追い上げようとはしたが、今一つ足りなかったという感じだった。
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