画像は7月12日午後3時過ぎ、開門時のマツダスタジアム、コンコースには誰もいられないほどの猛烈な雨…
7月12日 〇6-2 中日 マツダスタジアム
通算28勝42敗10分け
DeNAと入れ替わりで5位浮上、3位ヤクルトまで11差、首位阪神まで15・5差
18時開始・3時間23分、12,144人
相手先発 大野雄●4回6安打4失点
本塁打 -
一番センター野間
二番レフト長野
三番ショート小園
四番ライト鈴木誠
五番キャッチャー坂倉
六番サード林
七番ファースト松山
八番セカンド菊池涼
九番ピッチャー大瀬良〇(11試合3勝3敗)7回113球7安打2失点
コルニエル
栗林
大瀬良、大野雄のエース対決も初回に大瀬良が1失点、その裏、大野雄は4失点。
大瀬良は四回に2点目を失い、大野雄は五回の打席で代打を送られた。大野雄は最短タイのKOとなった。
予想外の展開はこの日の気候と関係がありそうだ。
広島市内は広島市内昼過ぎから猛烈な雨と雷に襲われた。マツダスタジアムでもすぐ近くに雷が落ちたような轟音が何度も響いた。
朝から日本海側を中心に記録的な大雨となった。広島県のすぐ北に位置する島根県雲南市では大雨警戒レベルの最も高いレベル5の「緊急安全確保」が出された。鳥取県でも境港市で1時間に80・5mmの猛烈な雨が降り、観測史上1位を記録した。NHK昼ニュースはL字画で「広島大雨情報」を流し続けた。
防災無線でも昼過ぎには「広島市大雨警報」「自主的避難を」のアナウンスが聞こえてきた。
前の日夕方、神宮球場で雹混じりの雷雨に遭遇したばかりの広島ナインにとってはある意味、衝撃的な状況になった。
日本海側に雨を降らせた雨雲は、そのまま南東に移動。一度、晴れ間も見えたが午後3時前には再び市街地に猛烈な雨を降らせた。
中日ナインがバスでマツダスタジアムに到着する頃はちょうど雨のピークと重なった。当然、グラウンドは使えない。広島が練習したあと中日も隣接する屋内練習場で調整。しかし湿度の高い環境で、とても満足のいく準備を両先発ができたとは思えない。
広島県内に大きな被害をもたらした8日の豪雨では交通機関もストップした。そのため入場者数は1万1452人。この日も1万2144人に止まった。
6月25~27日の中日戦(金・土・日)は1万5911人、1万5878人、1万6231人だった。
大雨の影響で観戦を諦めたファンが多数出ている。
試合後、お立ち台にはふたりのキャプテン、大瀬良と鈴木誠が上がった。
3カ月以上勝ちがついていなかった大瀬良のことを気遣って初回に満塁の走者一掃の二塁打を放った鈴木誠はお立ち台でこう言った。
「なかなか大地さんに勝ちがつかなくて、僕もそういう試合で打ててなかったんで、どんどん大地さんがガリガリになってしまったんで、きょうは打てて少しはガリガリが収まってくれたらいいなと思います」
「ぼくたちはしっかり戦ってみなさんを喜ばせるようなプレーをするだけなんでがんばっていきたいと思います。あとは大地さんが骨にならないようにしっかり打ちたいと思います」
冗談めいて受け取ったファンもいるだろが、実際、大瀬良は心身ともに厳しい状況に置かれ続けてきた。
右ふくらはぎの肉離れから復帰したのは5月18日。足を痛めたから当然、下半身の強化は十分にできていない。そこからクラスター騒動を挟み6月は5試合に投げ、7月は1試合。この間の7試合で負けが3つ増え、何よりチームが勝ったのは一度だけだった。キャプテンの重責ものしかかり、ファンの間からもその「激やせ」ぶりを心配する声が上がっていた。
お立ち台の大瀬良のラスコメは「オリンピック期間中にいっぱい食べて体を大きくして後半戦しっかり働けるようにがんばりたいと思います」だった。
ふたりのキャプテンの活躍によって、中日の柳に同点打されるなどして一塁ベンチに「気合いを入れろ!」のファンの怒声が響いた6月25日から続いていた最下位を広島は脱出した。(ひろスポ!・田辺一球)