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2021年08月11日
編集部

広島新庄、春夏連続の甲子園で九回二死まで横浜を追い詰めそしてサヨナラ3ラン浴びる

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宇多村監督
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画像は広島新庄の宇多村聡監督

 

第103回全国高校野球選手県大会第2日、第2試合(8月11日)

 

 

春夏連続出場の広島新庄は、神奈川大会7試合で100安打、94得点の横浜を九回二死まで追い詰めた。

 

 

試合開始からおよそ2時間10分は、勝ちを引き寄せ、そして最後に散った。広島新庄の三番手、秋山恭平がその左腕を振り切って投げ込んだ真っすぐは、次の瞬間、快音とともに舞い上がりサヨナラ3ランとなって無人のレフトスタンドに飛び込んだ。

 

 

だから甲子園は恐ろしい。

 

 

秋山恭平とふたりでセンバツを経験し、この日また甲子園のマウンドで全国の頂点を目指した花田侑樹は敗れた直後、秋山恭平を抱きかかえ、そして試合後のインタビューで言った。

 

 

「野球は最後の最後まで何があるか分からないなっていう、怖いなと…。みんなとずっと目指してきて行きたかった舞台で、すごいやってて楽しいなっていう感じですごい特別な場所でした。投げやすかったです」

 

 

勝った横浜の村田浩明監督は、敗者のようなコメントも残した。

 

 

「好投手ということでなかなか1本が出なくてですね、少し迷いがあった部分がありまして、その中で最後、ストレートをしっかり打てという話をしたところ、まあ緒方がですねそのストレートを逃さずにしっかり打ってくれたことが結果に繋がったと思ってます」

 

 

広島新庄、宇多村聡監督の敗者の弁は「打った緒方選手を褒めるしかありません。花田、西井、秋山、描いた継投で相手の強力打線をよく八回まで抑えてくれた。ふだんから守備中心にやってきたチームです。ピッチャーを中心によく抑えてくれました。九回の攻め、もう1本もう1点が取れていれば…」だった。

 

 

 

序盤3回の判定は、横浜10、広島新庄7、表面上はそれぐらいの劣勢に見えた。

 

 

背番号5をつけた「本来サード」の横浜先発、宮田知弥の前に広島新庄はひとりの走者も出せず。一方、プロ注目の花田侑樹は初回、先頭の1年生ショート、緒方漣に中前打され送りバントでいきなり迎えたピンチに後続を断つと、二回の一死二塁、三回の無死一塁も踏ん張った。緒方漣の送りバント失敗(捕飛)にも助けられた。

 

 

四回、広島新庄は先頭の大可尭明がうまくヘッドを合わせて中前打。しかし後が続かない。その裏、花田侑樹は四番からの攻撃をついに3人で抑え込んだ。左右打者ともにカットボールで攻め、カーブを使い、真っすぐは際どいコースにしか投げない。横浜打線が焦りを感じ始めたのもこのころだろう。

 

 

五回、広島新庄が先制点をもぎ取る。先頭の五番藤川蓮が初球カーブを狙っていたかのように中前打。続く瀬尾秀太の2球目で“奇襲”とも言える二盗を慣行して無死二塁とした。その後、二死となったがただひとりの1年生、八番河野優輝が内角真っすぐに詰まりながらもセンター前に落とした。懐の広い構えから、直前の3球目でファウルになっていた真っすぐを見事、打ち返した。

 

 

六回、ブルペンで秋山恭平の投球練習が始まった。花田侑樹は先頭の二番安達大和に左前打され、続く金井慎之介にも内野安打を許した。一塁走者スタートで二塁カバーに動いたショート瀬尾秀太の逆を突いた打球。流れが横浜に傾きかけた。

 

 

だが四番立花祥希の強烈な打球をセカンド大可尭明がグラブに収め、4・6・3ゲッツー。二死一、三塁からの宮田知弥もカットボールでショートフライ。横浜クリーンアップの必死の反撃を断ち、花田侑樹は6回94球。

 

 

そして七回の花田侑樹。先頭の六番岸本一心に対してこの試合最初の四球を与えた。3度、投球がショートバウンドした。すぐに交代が告げられ花田侑樹はレフトへ。広島大会6試合にすべて登板した西井拓大の出番がやってきた。

 

 

送りバントで一死二塁。八番、九番を抑えた西井拓大は堂々の甲子園デビューだった。

 

 

八回は二死から金井慎之介に中前打され、二盗と四球で二死一、二塁。ここでも宮田知弥を3球追い込み、アウトローへのウイニングショットで見逃し三振に仕留めた。

 

 

横浜村田浩明監督によれば、この見逃し三振で好投を続ける宮田知弥から1年生左腕の杉山遥希へのスイッチを決断したという。

 

 

広島新庄はそこを見逃さなかった。先頭の大可尭明が内野安打で出て、次打者繁光力輝の2球目でまた二盗に成功。左前打で無死一、三塁として三番平田龍輝がしぶとくゴロで右前に弾き返した。

 

 

2対0としてなおも無死一、三塁。このあと花田侑樹は浅い左飛、藤川蓮は三飛、瀬尾秀太は二ゴロ…試合開始からちょうど2時間が経過して、残るは九回裏の守りだけとなった。

 

 

先頭打者ヒットでこの夏、抑え投手としての役どころを任された秋山恭平、満を持しての登場…

 

 

その初球真っすぐは素晴らしく、広島新庄の勝利は揺るがないように見えた。ところが右打席の七番玉城陽希も鋭く振ってくる。5球目の真っすぐ中前打で無死一、三塁。

 

 

そこから空振り三振とセカンドフライでツーアウトになった。真っすぐ勝負だった。

 

 

「九回ツーアウト、ツースリーまで勝負は分からないという話をずっとしてきましたので守備の方でも何とか我慢できたのが少し攻撃に繋がったのではないかな、と思っています」(横浜・村田浩明監督)

 

 

3投手の継投を見事にリードしてきた北田大翔にとっても“あとひとり”。初回、初球真っすぐを打たれた緒方漣との5度目の勝負。第3打席と第4打席は花田侑樹のカットボールと西井拓大のカーブで抑えてきた。

 

 

その初球、変化球が浮いて、2球目。緒方漣は振り遅れまいと早いタイミングで左足を挙げ、長い間を作って待っていた。ベルトよりやや低めへの1球を「しっかり打て」という監督の言葉を心の中で繰り返しながら…

 

 

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