画像はエディオンスタジアム広島
日本最大級の会計事務所で、世界4大アカウンティングファームのひとつ、デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、CEO:永田高士 以下、デロイト トーマツ)のスポーツビジネスグループでは9月28日、Jリーグ(J1、J2、J3全クラブ)を対象に、経営の側面から分析した、「Jリーグマネジメントカップ 2020」を発表した。
なお、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社より、前日27日に広島オフィス(広島県広島市中区八丁堀3-33 広島ビジネスタワー 16F)開設の発表があったばかり。東京、名古屋、大阪、福岡に続く5番目のオフィスで、ビジネス・行政・学術・人材など、これまでになかったような連携の輪を支援、地域のビジネスの強化を目指す。
「Jリーグ マネジメントカップ」は2014年より、スポーツビジネスの一層の発展に向け、Jリーグの事業や経営といった観点からの関心と理解を広げることを目的に、毎年、発行されている。今回が6回目。
「Jリーグマネジメントカップ 2020」では、J1…川崎フロンターレ、J2…アルビレックス新潟、J3…FC今治がそれぞれ1位になった。
サンフレッチェ広島の最高位は、FIFAクラブワールドカップ2015で中国スーパーリーグ覇者の広州恒大との3位決定戦を制した「2015」の7位。
コロナ禍の最中にある2021年7月にJリーグから公表された56クラブの2020年の財務情報など公開情報をもとに、ビジネスマネジメントにおいて重要なテーマである「マーケティング」「経営効率」「経営戦略」「財務状況」の4つの視点で計12のKPI(Key Performance Indicators「重要業績評価指標」→組織の目標達成度合いを評価する評価指標)から分析した。
評価項目は以下のとおり。
「マーケティング」…平均入場者数、スタジアム集客率(収容キャパに対する入場者の割合)、新規観戦者割合(2020シーズンは対象外)、客単価
「経営効率」…チーム人件費/勝ち点、入場料収入/勝ち点
「経営戦略」…チーム人件費/売上高、SNSフォロワー数、SNSフォロワー数増減率、グッズ関連利益額
「財務状況」…売上高、売上高成長率、自己資本比率
ランキングはそれぞれのKPIをJ1、J2、J3のディビジョンごとに数値化し集計したもの。
デロイト トーマツでは今回の発表に当たり「Jリーグマネジメントカップ等の活動を通じて、スポンサーシップ(企業がPR活動としてイベントなどの支援、後援をすること)の在り方やスポーツをコンテンツとしたビジネスの展開など、ウィズコロナ、ポストコロナにおけるスポーツビジネスの将来像に貢献していきたいと考えています」とコメントしている。
J1ランキング
1位 川崎フロンターレ
2位 横浜F・マリノス
3位 鹿島アントラーズ
4位 清水エスパルス
5位 浦和レッズ
川崎フロンターレが2年ぶり優勝。「マーケティング」「経営戦略」「財務状況」の3分野でディビジョン1位。2位の横浜F・マリノスは「マーケティング」で川崎フロンターレに水を開けられた。清水エスパルス、浦和レッズは「マーケティング」「財務状況」で鹿島アントラーズを上回る。鹿島アントラーズは「経営効率」で他の4クラブをしのぐ。「2019」1位は浦和レッズだった。
J2ランキング
1位 アルビレックス新潟
2位 ギラヴァンツ北九州
3位 松本山雅FC
4位 京都サンガFC
5位 ジュビロ磐田
アルビレックス新潟は「経営戦略」のみディビジョン首位だが、その数値は頭ひとつ、ふたつ抜けている。新潟県内すべての市町村をホームタウンとしており、広大な県内全域とのつながりをうまく取り込む「戦略」が奏功している。松本山雅FCは「マーケティング」でディビジョントップ。
J3ランキング
1位 FC今治
2位 鹿児島ユナイテッドFC
3位 カターレ富山
4位 FC岐阜
5位 SC相模原
FC今治は参戦初年度で「経営効率」以外の3分野でディビジョン1位となり、2位以下を引き離して優勝!瀬戸内海を挟んで広島県備後地方には福山シティFCなどJリーグ入りを目指す複数のクラブが活動しているが、大いに参考になりそうだ。