画像はヤクルト高津監督が高校時代まで過ごした比治山界隈の風景、画像中央奥側の比治山はマツダスタジアムから見える(2021年11月12日撮影)
クライマックッスシリーズ、ファイナルステージが11月12日、セ・パとも揃って決着を見た。そして“広島ファン”にとっては注目すべき日本シリーズ対決になった。
高津…vs水本&梵…だ。
マツダスタジアムからほど近い“比治山のある段原地区”で高校時代までを過ごしたヤクルト・高津監督。プロ野球ではヤクルトを皮切りに様々な球団を渡り歩いたがカープには縁がなかった。
だが最下位に終わった昨年もリーグ優勝した今年も、レギュラーシーズン最終戦の神宮球場でカープファンに向け気持ちのこもったメッセージを発している。高津監督は“広島人”の代表、としても日本一に挑むことになる。
一方、対戦相手となるオリックスはこの日、ベンチワークでもロッテをかく乱し続けた。
1点を追う六回、一死一塁で打席には二番・宗。送りバントのサインが出てもおかしくないシチュエーションでいきなり初球打ち。結果は逆転2ランだった。
八回に1点勝ち越され2対3の九回は先頭のT-岡田が追い込まれながら右手1本で右前に落として代走山足。次打者の安達は普通に構えてから初球バントしてファウル、2球目はそのまま打って左前打で一、二塁にした。
この時、中嶋監督はまったくベンチで動きを見せなかった。風岡三塁コーチに向けて“見せびらかす”ように派手にブロックサインを出すイニングもあったのに、この時は不動。ロッテベンチは完全に虚を突かれた。
ネキストには頓宮が入りバットをブンブン振っていたが、無死一、二塁で打席には八回の守備から出場の小田がそのまま入った。
ロッテ・井口監督はいきなり窮地に追い込まれ、もしかしてもう送りバント、と決めつけてはいなかったか?
バントシフトのロッテ、この回からマウンドに上がった益田はもういっぱい、いっぱい…
そして今度は早々とバントの構えを見せつけた小田がその初球でバスター。強くコンパクトに叩いた打球は一塁線を抜け、もう脱力気味のライト・岡のグラブも抜けて行った。
中嶋監督は究極の場面がたて続けにやってくるクライマックッスシリーズでは、どうやって作戦を考えているのか?たまに水本ヘッドと言葉を交わす場面もあるが…
広島時代に三村敏之監督にブルペン捕手からブルペンコーチ補佐に登用された水本ヘッドは広島の二軍監督まで上り詰め、2020年シーズンを最後に2年間の現役生活も含めると31年在籍した広島を、退任会見を開くこともなくあとにした。指導者としてのそのスタンスには2009年11月、病のため急逝した三村氏の教えが染み込んでいる。
そして、やはり選手会長も務めながら会見なしで広島をあとにした梵氏とともに新たな活躍の場をオリックスに見出した。それからジャスト1年。黒子に徹するふたりには、オリックス快進撃により高い評価が集まっている。
カープ魂、広島魂激突の日本シリーズ…。12月、広島の行きつけの焼肉屋さんでコロナ対策を万全にして、小規模祝勝会を開くのは高津監督かそれとも梵打撃コーチらか…(広島スポーツ100年取材班)
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