画像はクリスマスイルミネーションの広島市街地(平和大通り、ひろしまドリミネーション2021)
広島東洋カープの新入団会見が12月10日、広島市中区のホテルであった。ひな壇に並んだルーキーは育成の4人を含む11人。
それぞれ代表者インタビューの中でコメントした。「対戦したい相手は?」などお決まりの質問も出るので、いろいろな選手の名前が出てきた。例えばドラフト1位の黒原拓未(投手・関西学院大)は「阪神タイガースの佐藤輝明選手。大学時代に何度も対戦しましたし、ヤクルトの村上選手も同学年ですごく活躍されているので対戦してみたい」と答えた。
また背番号24に決まったことから「過去に大野さんというすごい選手がつけられていた番号。その名を汚さないように、名に恥じないようにしっかりと頑張りたいと思います」とも話した。
スカウトからも“そういう話”を聞かされたのかもしれないが、今の時代、スマホで欲しい情報は手に入れることができる。加えて自分の思いはSNSや専用アプリで発信できるから話をまとめる力も長けている。
ウン10年前に社会人からプロの世界に飛び込んだ佐々岡監督の頃とは、新入団会見の空気感はまるで違う。ルーキーたちの真ん中で話を聞いていた佐々岡監督も「コメントを聞いて、緊張している中でも、しっかりと発言してくれている選手をすごく頼もしく感じました」と話していた。
11選手の中では、やはり24番をつける黒原拓未が頭ひとつ抜けていた。引き出しが多い。話す内容に隙がない。年明け紙面や特番で大野豊さんとの対談があるだろうから、その内容が今から楽しみだ。
ドラフト3位、ポスト鈴木誠也の一角、中村健人(外野手・トヨタ自動車)のキャラも立っていた。明るさと声質の良さはカープファンの心を即、掴みそう。ルーキーイヤーの今季、一気に“超魔人”と化した栗林良吏の社会人時代の後輩、という流れもいい。
そんな中、やはりポスト鈴木誠也の一角、ドラフト6位の末包昇大(外野手・大阪ガス)は「同じドラフト6位の新井さんのように、カープの顔になれる選手になりたい」と言い切った。広島の空に向かって舞い上がる大飛球…。鈴木誠也のトラウト打法の放物線は完全に規格外となっていたが、その鈴木誠也も「新井さん」から広島の四番を引き継いだ。ならば末包昇大も…
育成3位の中村来生(投手・高岡第一高)は「カープの黒田投手のような、男気溢れるピッチングで勝って、ファンに愛されるピッチャーになりたい」と190センチの上背に相応しいスケールを口にした。
新井貴浩さん、黒田博樹さんなしに”カープ3連覇”はあり得なかった。ルーキーたちはよく分かっている。
11人の最後にマイクを持った育成4位、坂田怜(投手・中部学院大)の「ナックルボールの坂田です。球団とファンのみなさんと一緒にナックルボールの夢をかなえていきたいので応援よろしくお願いします」の言葉にはカープファンみんなが頷いたはず。
会見場となったホテルからは広島の夜景を一望することができる。この日の熱い思いをマツダスタジアムのグラウンドまで持ち込み、初勝利、初ホームラン、となるのはいつの日か…(広島スポーツ100年取材班&田辺一球)