トップ画像はぶつかり稽古を見ているようなシーン…グレゴリー・エチェニケ(右)がゴール下に入ろうとするが、Bリーグ最重量級のジョシュア・スミスは動かない…
広島ドラゴンフライズは1月2日、福山市のエフピコアリーナふくやまで富山グラウジーズとのGAME2に臨み、74-91のスコアで完敗を喫した。第1クォーターを0-2でスタートしてから、一度も勝ち越す時間がないまま40分間が過ぎた。
カイル・ミリングヘッドコーチは敗因のひとつに「ガス欠」を挙げた。年越しを挟んだ過密日程で選手のエナジーダウン…
この1敗は非常に痛い。
元日のGAME1では84-79のスコアで勝っていただけに痛い。
プレーオフ出場争いをしている身からすれば、富山に連勝できなかったことが痛い。
富山とはまたすぐ、月末29日、30日にアウェイで対戦するから、相手に苦手意識を植えつけることができなかったのが痛い。
連勝が3でストップしたのも痛い。
「満員御礼」の福山市のブースターと”連勝の喜び”をシェアできなかったのも痛い。
広島はこれで16勝10敗、勝率・615、富山は9勝17敗、勝率・316。
B1第15節GAME2
広島ドラゴンフライズ 74–90 富山グラウジーズ
1Q:19-22
2Q:20-26
3Q:20-20
4Q:15-22
<スターター>
広島:寺嶋良、辻直人、アイザイア・マーフィー、グレゴリー・エチェニケ、ニック・メイヨ
富山:ブライス・ジョンソン、水戸健史、宇都直輝、晴山ケビン、ジョシュア・スミス
【主なスタッツ】
◎広島ドラゴンフライズ
◆得点
チャールズ・ジャクソン 19得点
辻直人 17得点
寺嶋良 16得点
◆リバウンド
チャールズ・ジャクソン 8リバウンド
ニック・メイヨ 7リバウンド
アイザイア・マーフィー 4リバウンド
◆アシスト
寺嶋良 5アシスト
青木保憲 3アシスト
辻直人 2アシスト
ニック・メイヨ 2アシスト
富山グラウジーズ
◆得点
ブライス・ジョンソン 21得点
宇都直輝 21得点
ドワイト・ラモス 15得点
◆リバウンド
ブライス・ジョンソン 9リバウンド
ジョシュア・スミス 9リバウンド
小野龍猛 3リバウンド
飴谷由毅 3リバウンド
ジュリアン・マブンガ 3リバウンド
晴山ケビン 3リバウンド
◆アシスト
宇都直輝 7アシスト
ジュリアン・マブンガ 6アシスト
ブライス・ジョンソン 3アシスト
ジョシュア・スミス 3アシスト
どうして広島ドラゴンフライズは富山グラウジーズ相手に40分間、ビハインドのままだったのか?
第1クォーター、残り6:24で6-6にしたあとはとうとう一度も同点にできなかった。第1クォーター残り1:22で9-20と差が開き、19-22で第2クォーターへ。
第2クォーター、残り2:52で広島はタイムアウト、32-41、9点のビハインド。このあとどれだけ詰めるか、が注目されたが、けっきょく39-48で前半を終えた。
第3クォーターは最大14点差をつけられ、59-78で第4クォーターに勝負をかけたが終わってみれば91失点とディフェンスが乱れての17点差負けとなった。
第1クォーター、グレゴリー・エチェニケを除く先発4人でスリーポイントシュートを7本打って、入ったのはニック・メイヨの1本だけだった。
40分を通じてのスリーポイント成功率も20パ―セント(20の4)でGAME1の42・1パ―セント(19の8)から半減した。
試合後、富山の浜口炎ヘッドコーチは「ディフェンスを我慢しながらチームでしっかりできた。広島さん得意のスリーポイントはきのう40パーセント、きょうは20パーセント、調子悪くて落としたのもあるでしょうが、そこに焦点を絞っていた…」と切り出した。
さらに2019—20シーズン、京都ハンナリーズ指揮官として寺嶋良共に過ごした時の思いと今を重ねて「良は今シーズン非情に成長したと感じています。今回は彼のために特別なことはしなかったんですけど…もう少しプレッシャーをかけないといけない」と次回対戦での”良潰し”を匂わせた。
敗れたカイル・ミリングヘッドコーチは「全体的にタフゲーム(しんどい内容)」だったと切り出し「ガスタンクが空っぽになった」という表現を使い「メーンのプレーヤーが思うように得点できなかった」と総括した。
辻直人が17点、寺嶋良が16点と奮闘したが、グレゴリー・エチェニケは出場タイム12:34でシュートわずか1本ノーゴール。ニック・メイヨも10点止まり。チャールズ・ジャクソン19点も”空砲”に終わった。
GAME1で勝ちはしたものの、こういう結果になる可能性はかなりあったと言っていい。カイル・ミリングヘッドコーチも「スミスがあんな形でフラッシュ(素早くインサイドで動く)してきたら止められない、マブンガもハンドリングが巧いし…」と敵のキーマンを持ち上げた。
ひろスポ!でもそのあたりのことはGAME1の記事でスポットを当てている。
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2022年も好スタートで福山ドラゴンフライズ…だっ!?元日マンオブザマッチの寺嶋良「優勝できるようにがんばりたいと思います! | 【ひろスポ!】広島スポーツニュースメディア (hirospo.com)
(2022年1月1日掲載)
ゲーム前、ジュリアン・マブンガと話をするカイル・ミリングヘッドコーチ
GAME1でマンオブザマッチの寺嶋良はフリースローなどで16点を稼いだがスリーポイントは2の0に終わった…
さらに、わざわざ正月早々!?富山から大勢のブースターが福山まで足を伸ばしていた点も見逃せない。
富山市を本拠地とするグラウジーズは2005年創設で、bjリーグでの10シーズンで経験を重ね、B1で揉まれ続けている。その歴史の分だけ、ブースターの力も大きいだろう。
ところで、今回のエフピコアリーナふくやまでの2連戦では「くじ付き選手書初めポスター」が人気を集めていた。初日と二日目で別バージョンが用意される念の入れようだった。もちろん外国籍選手もアイザイア・マーフィーもトーマス・ケネディも毛筆を操った。
「一撃必殺」(船生誠也)、「不撓不屈」(柳川幹也)、「Play Together Win Together!! 」(チャールズ・ジョンソン)など、どれも素晴らしいが、やはり朝山正悟”先生”の作品はひと味もふた味も違った。
「凡事徹底」
そう、その気持ちが細部まで行きわたっていたとするならばGAME2はどんな展開になっていただろうか…
朝山”先生”の作品
試合後の辻直人
(今日のプレーを振り返ってを聞かれ)昨日はファウルトラブルにはなったが、序盤からディフェンスの対策がうまくいった。今日はその対策が通じなくてファウルを取られたりとなかなか自分たちのペースにならなかった。重たい、出だしから難しい試合になった。
試合後のチャールズ・ジャクソン
(今日の試合を振り返って聞かれ)ハードにプレーできていなかった。先制パンチを与えることができず、逆にやられてしまった。立て直すことが難しく、相手のやりたいようにやられてしまった。自分たちのバスケットボールをやれば勝てると思う。