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2023年08月16日
編集部

(加筆済)広陵vs慶応はこれぞ高校野球の醍醐味…というハイクオリティな2時間58分に…第105回全国高校野球選手権記念大会第10日

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高尾
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画像は広陵のエース高尾響

 

第105回全国高校野球選手権記念大会第10日(8月16日)3回戦

慶 応(神奈川)201 000 000 3・6
広 陵(広 島)001 001 100 0・3
(延長10回タイブレーク)

 

広陵スタメン(学年と投打)
センター田上夏衣(3年)右左
サード谷本颯太(3年)右左
ファースト真鍋慧(3年)右左
ショート小林隼翔(3年)右右
キャッチャー只石貫太(2年)右右
レフト高橋陽大(3年)右左
ライト濱本遥大(2年)右右
ピッチャー高尾響(2年)右右
セカンド松下水音(3年)右左

 

 

春夏連続出場校同士の対戦は極めてハイレベルで、これぞ高校野球の醍醐味…という2時間58分になった。死力を尽くした両チーム、両校スタンド、関係者のみなさんには心から敬意を表したい。

 

勝てば6年ぶりのベスト8だった広陵は、エース高尾響が152球をひとりで投げ切り、打線も相手の8安打を大きく上回る13安打を放ちながら、しかし慶応のよくデザインされた試合運びの前に及ばなかった。

 

タイブレークの延長十回が始まるまで、中盤以降は明らかに広陵が押していた。だが、慶応の積極策が潮目を変えた。一番・丸太湊斗(3年)に「打て」のサインで初球ファウルのあとの2球目で右前打。満塁となって一死から三番・渡辺千之亮のゴロをセカンド松下水音が焦り気味に二塁に投げてこれが均衡を破る悪送球になった。

 

広島大会から甲子園での2回戦、そしてこの日と堅守を続けてきた広陵ディフェンス。大事なところでほつれが生じた。

 

ここで踏み止まりたい高尾響はツーアウト満塁までもっていきながら五番・延末藍太(3年)に144キロの真っ直ぐをライト前に弾き返された。3点差をつけられてはさすがに苦しい。

 

その裏、広陵の攻撃は下位打線から。松下水音が際どい球を見極めながら四球を選んで二死満塁として広陵の顔のひとり、田上夏衣。空振り三振でゲームセット…ただタイブレークはサッカーのPKのようなものだろう。

 

一番から八番までが四番を打てそうな雰囲気を醸し出す慶応打線。筋肉のつき方もひとつひとつのプレーもプロ予備軍のよう。中でもこの日は強さとしなやかさを併せ持つ延末藍太の存在が目を引いた。

 

初回にいきなり先頭の丸太湊斗を歩かせた高尾響は、広島大会、そして2回戦の立正大淞南戦と比べれば遥かにナーバスな立ち上がりになった。

 

二死から四番・加藤右悟(2年)にも四球。けっきょくこの2四球が試合を決めた、という見方もできる。さらに2つの暴投や三盗を許したこともボディブローになったはず。結果、二、三塁から延末藍太に2点タイムリーを許した。アウトハイの真っ直ぐを逆方向へ持って行く見事な一振り…

 

先頭打者に初回7球、二回9球を要した高尾響は2回で球数46。三回にも四球からピンチを招くと、延末藍太に強く引っ張られて、打球がファースト真鍋慧のミットを弾く間に3点目を失った。

 

その裏、広陵は一死から谷本颯太がセンターオーバーの二塁打。真鍋慧は空振り三振に倒れたが小林隼翔主将が右前打して1点を返した。

 

四回まで立て続けに得点得圏に走者を背負った高尾響は五回に入ると下半身をしっかりと使い、真っすぐの球速が4、5キロ上がった。

 

五回16球、六回17球で3人ずつぴしゃり。打線は六回に松下水音がタイムリー。慶応は先発右腕の小宅雅己(2年)から七回には2年生左腕の鈴木佳門にスイッチしたが真鍋慧、小林隼翔の連打で築いた一死二、三塁から只石貫太の内野ゴロの間にとうとう試合を振り出しに戻した。

 

この時、慶応は前進守備を敷いておらずショート八木陽(3年)のサードに送って二塁走者をアウトにしたプレーに対して放送ブースの解説陣も唸っていた。

 

七回を終えて慶応5安打で3点、広陵10安打で3点。

 

同点で迎えた九回のマウンドに上がった高尾響はヒットと送りバントで一死二塁とされたが、八番を打つ大村昊澄主将(3年)を遊ゴロに、182センチ、92キロの右の代打・安達英輝(3年)も中飛に打ち取り9回135球で味方の反撃を待った。

 

その裏、慶応は三番手で右サイドスローの松井喜一(3年)をマウンドに送ってきた。先頭の谷本颯太がフルカウントから右前打。

 

ここで甲子園がどよめいた。真鍋慧はバントの構え。結果はサードフライだった。

 

真鍋慧は打ちたい気持ちが強すぎたようで、広島大会から不振をかこっていた。上体の捻りが大き過ぎて、下半身も使えていないように見えた。だが金属バットで強く叩けばノーアウトでチャンスを広げる可能性も高かったはずだ。申告敬遠を使いながらこのピンチを乗り切った慶応に試合の流れが傾いた。

 

試合後の両監督の話(抜粋)

慶応・森林貴彦監督
甲子園という舞台で広陵高校さんを相手にこういう試合をした選手たちを誇りに思います。

-タイブレーク先攻で打って行った。

一番・丸田でしたので、信頼してるバッターでゴロ打ってゲッツーもないでしょうし、一番から始まるっていうのは打たせるという神様の掲示だと思って打たせるつもりでした。

-打線の対策は?

高尾君は何度見ても好投手。低目のボールになる変化球は振らない、少し浮いてくるカウント球を打てるかどうか?最初の方は良かったんですが中盤からは立ち直られてほんと苦しい展開でした。

-複数点を与えなかった。

うちが目標としていることなので、ビッグイニングを作られると苦しくなるので、最終的に同点にされましたけど同点は想定してたので、予定通りだなと思いながら終盤に臨みました。

 

広陵・中井哲之監督
悔しいです。序盤は相手の大胆な攻撃で点を取られてしまった。高尾は相手の強打のイメージもあったのか、慎重な入り方だった。ただそのあとは立て直して、よく追いついてくれた。延長タイブレーク、相手の攻撃ここも大胆で打ってこられたり走られたりずいぶん研究されていたようです。3年生中心にいい選手たちでした、ここまでがんばってくれて感謝しかありません。

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