画像は阪神とのCSファイナルステージ、キーマンのひとり大道
クライマックス・シリーズ、ファイナルステージ。
新井監督とカープ家族の戦いがいよいよ始まる。舞台は「高校球児のように」戦う、と指揮官が宣言した甲子園球場だ。
様々なメディアが「予想」記事を書いている。「決戦へ隙なし」「バモス!」などと報じられている岡田阪神に対して「挑戦者」の分が悪いのは確かだ。
対戦成績は阪神の15勝9敗1分け、甲子園球場では2勝9敗1分けとさらに勝率は落ちる。
広島の今季のチーム打率は・241、チーム防御率は3・49。それが敵地ではそれぞれ・208、4・01と悪くなる。
岡田監督はレギュラーシーズン終盤、「新井さん」かく乱のために様々な手を打ってきた。
リーグ優勝翌日、9月15日のマツダスタジアムでは及川を先発させ、そのあとは門別、濱地、加治屋とつないだ。16日にはタイトルのかかる大竹を先発させた。結果は5回無失点で勝ち投手。逆に森下は五回途中、ノイジーの3ランなどで計7失点KOされた。
広島は142、143試合目の本拠地ラストも阪神戦だった。
9月30日のマツダスタジアムでは、CSでは恐らく投げない門別が先発してきた。そのあとの継投は石井、島本、加治屋だった。阪神のスタメンは島田・中野・小野寺・大山・佐藤輝・ミエセス・小幡・長坂。先発した九里は7回3安打1失点と好投した。きょうのファイナル第1戦も胸を張ってマウンドに上がれるのではないか?
10月1日の最終戦で岡田監督は通常のオーダーに戻した。先発した大瀬良は2回0/3、61球であっさり降板(失点1)となった。
この日、岡田監督はCSを想定した継投を行った。先発は馬場で3回まで。五回に佐藤輝の3ランでリードすると岡留、及川、ブルワー、島本、桐敷、岩崎とつないだ。
今季の対戦でカープファンが最も期待して見守ったのは9月8日からの甲子園球場3連戦だった。首位まで8ゲーム差。3連勝あるのみ。しかし床田-村上、森下-大竹、九里-伊藤将で1-4、1-5、1-5というスコアに終わった。
この時、広島打線は島本、岩崎、石井、桐敷、岩貞のブルペン陣から1点も奪えなかった。
一方、広島の救援陣の方の失点も大道が大山に適時打された1点だけだった。
大道は先のファーストステージ、DeNA戦で1、2戦とも強烈なインパクトを残すピッチングを演じた。第1戦では六回、宮崎に2ランを打たれさらにはソトにも中前打された床田のあとを受け無失点に抑えた。
第2戦ではやはり六回、一死三塁とされた森下に代って、真っすぐだけで大田と牧をフライアウトにした。
広島首脳陣は開幕を二軍で迎えた大道を5月に一軍に呼ぶと、経験を積ませながらやがて相手打線のクリーンアップにその剛腕をぶつける策を重ねてきた。
DeNAとの短期決戦ではその経験が見事に生きた。
大道の阪神戦防御率0・82(10試合)はセ5球団の中では一番だ。対戦別では大山とは7打数で適時打された1本のみ、佐藤輝とは6の1。
多くのメディアが僅少差ゲームを予想している。新井監督が岡田監督の懐に飛び込み、アウェイでアドバンテージ(1勝)のある相手から日本シリーズ挑戦権をもぎ取るためには、ディフェンスを固めてカウンター攻撃、を地道に続けることになるだろう。(ひろスポ!取材班&田辺一球)