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2023年12月24日
編集部

限りなく透明に近いドジャーブルー、大谷翔平、そして山本由伸…黒田博樹も投げたカリフォルニア物語の新たな幕開け

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大谷翔平
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    飛翔会

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    ダグ

  • レッドヘルメット

画像はクリスマスイヴのコンビニに並ぶ大谷翔平関連本の数々…

 

大谷翔平選手が12月15日(日本時間、以下同)、カリフォルニアの青い空の下でドジャース入団会見を行いました。

 

 

22日にはポスティングシステムを使いオリックス・バファローズから米大リーグ移籍を目指していた山本由伸投手のドジャース入りが報じられました。

 

 

街にクリスマスのイルミネーションが輝くこの時期、いつも新たなドラマの幕が上がります。

 

 

今から9年前の広島の街へのクリスマスプレゼントは、「ミスター完投」とも呼ばれていた剛腕、黒田博樹さん(現広島東洋カープ球団アドバイザー)の“再登板”でした。

 

 

ひろスポ!ではクリスマス特別企画として、コイの街のダイアリー|田辺一球|note で連載中の「限りなく透明に近いドジャーブルー」を一挙連載します。

 

 

カープダイアリー第8463話「限りなく透明に近いドジャーブルー、その風がマツダスタジアムに吹く日、大谷翔平青空の下で入団会見」(2023年12月15日)

カリフォルニアの空と、青いネクタイのスーツ姿。そのあと新品のユニホームに袖を通し、LAの帽子をかぶると、限りなく透明に近いドジャーブルーが誕生した。

そう、どこまでも純粋にベースボールと向き合っていく。ノートに日々の目標や反省を綴る野球小僧だった大谷翔平は、とうとう物語の最終章の舞台にに立った。

Until the last day of my playing career, I want to continue to strive forward not only for the Dodgers but for the baseball world.

6日前の早朝(日本時間)に、自身のSNSでそう記した。選手として最後まで、何があってもここでやり切るのだ、と…

恩師の栗山英樹さんは奇しくもこの日、岩手県花巻市の花巻東高にいた。大谷翔平の後輩たち、集まった町の人たちに向けて講演したあとカメラの前でこう話した。

「まさか、この花巻で見るとは思わなかったので、過去いろんな経緯の中で…うん、とてもちょっと感じるものがあったんですけど、良かったなぁっていう…。まあ、いろんな中でほんとに、ああやってすごく嬉しそうにしゃべってますけど、大きな壁をたくさん乗り越えて、元気でああいう会見をしてくれているっていうのは(何度も頷きながら)すごく嬉しかったです」

一瞬、涙をこらえる元指揮官。

その優しくも厳しい眼差しが「リアル二刀流」Two-Way-Playerを育んだ。

この日の講演でも生徒たちは「逆算」の大切さを伝えようとした。WBC決勝で併殺打のあと世界一へのラストシーンがマイク・トラウトvs大谷翔平となった時点で、栗山英樹さんはその「最高のエンディング」を直観したという。そう、すべて「逆算」。「マンガの世界」を「現実」に替えたのも「逆算」…

この特別な物語の始まりと終わりを、ロサンゼルス・ドジャース関係者も早くから予想しており、大谷翔平のアマチュア時代、日本ハム時代、そしてメジャーリーガーになってからも、ずっと近い距離でマークし続けてきた。

WBCの舞台での傑出した対応力、勝負に対する強靭な意思。公式戦での常にひたむきなプレー。グラウンドでの立ち振る舞い。投手かスラッガーか?どちらかひとつでも十分なのに、それがTwo-Way。

17、8歳の逸材はすでに29歳になっていた。10年越しのラブコール。ドジャースタジアムのセンター後方にある広場で続く入団会見。壇上に集まった関係者のひとり、アンドリー・フリューマン編成部長もまた、やはり栗山英樹さんと同じ目を持っていた。

「彼は世界中の子どもたちに影響を与えてくれるでしょう。そして私たちは日本の野球ファンもドジャーブルーに変えていきたいと思っているのです」

特別な力。それこそが限りなく透明に近いドジャーブルー…

栗山英樹さんは、テレビカメラの前で現実的な話もした。

「ここからが本当のスタートなんで、ここまできたら自分の本当に好きな野球ができるはずんだんでね、自分の思ったとおり、周りに関係なくチームが勝つために本当の意味で集中して野球ができると思うんで、それがどういう姿なのかほんとに楽しみにしています」

「きょうも言ってましたけど、基本的には開幕に間に合うようにいくわけで、どちらかというと、ひとつのことをやる時っていうのは、逆にふたつが本質なのでめちゃくちゃそこに集中するかというと、逆に彼にとっては難しさも存在すると僕は思ってるんで、そういったものもすべて超えてね、なんかそういう理由もいろいろ超えちゃうぐらいの、活躍して欲しいなって個人的には思っています」

大谷翔平のこの日発した様々なメッセージは、今回の7億ドル移籍の関係者はもちろん、ロサンゼルス・エンゼルス時代の仲間たちとそのファンにも、日本ハム時代の仲間たちとそのファンにも、日米の多くの人たちと野球を愛する世界中の地域に届けられた。

その影響力の発信元は唯一無二であり、ただひとり。そのエネルギーの源は今も昔も変わらない。

だた「野球が好きでうまくなりたい」それだけ…

きっと多くのメジャーリーガーの心にもその思いは届いたに違いない。おそらくこれからもメジャーリーグ自体が様々な変容を遂げるだろう。

日本国内への影響も計り知れない。サッカー、バスケ、ダンス、バドミントン、テニス…高校スポーツの多様化により劣勢に転じて久しい野球人口の現象に歯止めがかかることが期待される。

プロならなおさらでこの日、マツダスタジアムであった契約更改後の会見でカープ大トリを務めた森下暢仁はこう切り出した。

「大谷選手より多くいただきました!1016億円です!」

ジョークはさておき、来季5年目の推定年俸は2000万円アップの1億3000万円。そして国内二刀流の先頭を行く右腕にも、きっとメジャー挑戦の夢はあるはずだ。その姿もまた、限りなく透明に近い赤…

栗山英樹さんは、花巻東の生徒たちに「一番伝えたかったことは?」と振られて「できないという言葉は、頭の中からなくしてください、という話をしました」と答えた。その思考回路の必要性は森下暢仁らプロ野球選手にも共通のものだ。

カープナインにとっては総監督のような立場にある黒田博樹球団アドバイザーにも、ドジャーブルーの血は流れている。

ロサンゼルス・ドジャースでの4年間で41勝。その剛腕に敬意を表するドジャース球団が、リアル二刀流の原点、マツダスタジアムで公式戦を行う日は来るのだろうか…

 

カープダイアリー第8464話「限りなく透明に近いドジャーブルー、大谷翔平が60発を超える日」(2023年12月16日)

映画「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」

WBC侍ジャパン密着のこの作品は、6月2日から期間限定で全国公開され、88万人を動員する「異例のヒット」(同)となったという。「シナリオのないドラマ」(テレビ朝日)にふさわしい、栗山英樹監督と大谷翔平とダルビッシュ有と熱き戦士たちの物語。

この日、午後8時からテレビ朝日系列で同作品がオンエアされた。高視聴率を叩き出すのは間違いなさそうだ。

番組の後半では栗山英樹さんと、WBC決勝戦解説のため現地を訪れていた古田敦也さん、松坂大輔さんによるスタジオトークが展開された。

その締めは、2024年、25年シーズンの、ドジャース大谷翔平の投打の成績をそれぞれに挙げてもらうというものだった。

そこで栗山英樹さんが掲げた打の数字は、来季が74本塁打で2年後は89本塁打だった。

さすがに引き気味?のふたりを前に、栗山英樹さんは「僕は解説者じゃないから…」と切り返してその場の空気を和ませた。さすが、だ。

もちろん、これらの数字には意味がある。

2001年にバリー・ボンズ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)がマークした73本塁打がメジャー記録。89は2006年の第1回大会で王貞治監督がつけた番号で、栗山英樹さんも引き継いだ。

薬物の使用やバットへの細工など、メジャーのホームラン量産には闇の部分がついて回る。そういう中にあって、限りなく透明に近い、ピュアな大谷翔平がどれだけこれらの数字に近づくことができるのか?

今季放った44発はア・リーグ最多となり、アジア人初のホームラン王が誕生した。前例には捉われない。それが栗山&大谷の流儀。この先、何が起こっても不思議ではない。

なお60発以上は過去9度、記録されており、その大半は2000年前後。最も古いのは1927年のベーブ・ルース(ニューヨーク・ヤンキース)で60本。

マーク・マグワイヤ(セントルイス・カージナルス)が2度、サミー・ソーサ(シカゴ・カブス)が3度、記録している。

そんな中にあって2022年に62本をかっ飛ばしたアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)の存在が、大谷翔平の60発越えを暗示する!?

ドジャースに在籍した日本人選手は過去9人。最も成功したのはパイオニアとして広く知られている野茂英雄さんで1995年から98年と2002年から04年の計7シーズンで191試合に投げて81勝66敗、防御率3・74。1217回1/3で1200奪三振のトルネード旋風が日本人メジャーリーガーの道を開いた。

カープからは、ポスティングシステムを使って海を渡った前田健太の存在もクローズアップされている。2016年から19年の4シーズンで137試合47勝35敗6セーブ、防御率3・87。メジャー初登板で初勝利+初本塁打!二刀流デビューは鮮烈だった。

その前田健太に数々の助言を与えたのが現在、カープ球団アドバイザーを務める黒田博樹さんだった。再びカープのユニホームに袖を通したのが2015年。前年、11勝9敗だったマエケンは元メジャーリーガーの教えに耳を傾けながら15勝8敗で2度目の最多勝タイトルを獲得して、長年抱いていた夢を現実に変えたのである。

 

 

カープダイアリー第8465話「限りなく透明に近いドジャーブルー、7000万人が見つめるユニコーンの訴求力」(2023年12月17日)

JR広島駅から徒歩5分圏内の広島テレビ社屋1、2階と隣接の広場「エキキターレ」で「CARPFEST.2023」が開催された。

同局が広島市中区中町からこの地に移ってきたのが2018年9月。コンベンション・イベント開催機能を有する新社屋が一番賑わうのがこのカープイベントだ。

「現役選手のグッズ展示やマツダスタジアムグルメが楽しめる」と同時にステージでは選手が入れ代わり立ち代わり1時間のトークショーを行う。

その顔ぶれも栗林・島内のコンビを皮切りに、堂林&田中広輔、小園&矢野、野間&上本と豪華。

もちろん同局では生番組「やっぱりワシらは赤が好き」をオンエア。午前10時25分からの1時間番組の中でトークショーの模様や会場に展示されている選手アイテム、エキキターレで参加できるイベントやグルメ情報などを紹介した。

番組内ではカープに関する50問に広島テレビアプリで回答できる「キングオブカープ決定戦」も行われた。

広島テレビHPによれば、主催は広島テレビ、特別協賛は広島東洋カープ、協力はエキキターレ協議会となっている。

これだけのカープ関連の大規模イベントは、中国新聞も含めて地元マスメディアの追随を許さない。カープ球団の経営陣には松田元代表取締役、松田一宏代表取締役の下に鈴木清明球団本部長ら12人の取締役が名を連ねている。その中のひとりが広島テレビ野球解説でお馴染みの山本浩二さん。

カープ球団と広島テレビの関係は特別なものであり、ゆえに2022年3月にマツダスタジアムで開催され大きな話題を呼んだ「レジェンドゲーム」も広島テレビ×中国新聞による“変則開催”となった。ふつうなら中国放送の出番だが、そうはならないのである。

この日のイベント共催にはカープ球団と深い繋がりを持つアンフォニ広島や創建ホームほか多くの地元企業が名を連ねていた。

テレビ・ラジオ離れが進む中にあって、地方局は「放送外収入」をどうやって増やしていくか、に腐心している。

山口市に本社があるテレビ山口(tys)では冬のボーナスをなど巡って経営側との交渉が決裂した組合側が12月15日から31年ぶりとなるストライキに入った。2日間に渡り夕方の放送を一部休止、取材などの業務も管理職や外部のスタッフが行った。放送局は外部の人材の力なしには成り立たない構造になっている。社員より遥かに低い賃金体系でオンアエに追われる外部スタッフもまた大変な目に遭っている。

同局では12月5日、過去に放送した特集ニュースの原稿で九州朝日放送(KBC)のニュースからの盗用があったことを発表した。経営側も働く側もどっちもどっち…

山口県の場合は県民の気持ちが九州に向きがち、という特殊な事情もある。民放局はよけいに厳しい。買い物もレジャーも福岡で…となれば地元ローカル情報は二の次となる。記者まで福岡を向いていたのだからシャレにならない。

今回のテレビ山口の惨憺たる状況、広島の民放4局も他人事ではないはずだ。

どれだけの人に見て、聞いて、読んでこらえるか?

SNS全盛の時代、「価値」は従来の視聴率に加えてフォロワーの多さやアクセス数の多さで決するようになった。

…で、大谷翔平である。

12月14日のドジャース入団会見(日本時間15日午前8時過ぎ)では、7000万人が視聴したとMLBネットワークが伝えている。メジャーリーグの今季を大熱戦で締め括ったワールドシリーズ、テキサス・レンジャーズvsアリゾナ・Dバックスの合計5試合のそれは4550万人で、たったひとりでその数字を上回ったことになる。

日本国内でも、誰もがその会見の模様を見届けたはずであり、全て合わせると億単位だろう。

ネット上では、さりげなく覗く腕時計にも話題が集中した。

「SHO-TIME 挑戦の時間を楽しめ」とリアル二刀流をスポンサードするSEIKOでは「祝MVP大谷翔平選手 おめでとうキャンペーン!」を12月1日から展開していた。そこにドジャース移籍の超ビッグニュース…

盆と正月とクリスマスが一緒にやってきたようなもので、いったい大谷モデルはいくつ売れるのか…

ロサンゼルスと言えばハリウッドやディズニーランド・パーク、ユニバーサル・スタジオ・パークなど映画(今風に言えば有料動画)に関連する観光施設が目白押し。名作「ブレードランナー」ほか、多数の映画が撮影された「聖地」がダウンタウンに点在する。

1982年配給の「ブレードランナー」は2019年11月のロサンゼルスを舞台に展開される。作品のカギを握るのは「ユニコーン」…

今回、ドジャースタジアムもまた信じられないようなストーリーを演じる唯一無二の役者を10年契約で確保した。人々は、その存在を「ユニコーン」と呼んでいる。

ロサンゼルスの地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」では、会見のあった翌日の紙面で「ユニコーン発見」の大見出しを取った。同じく「デイリー・ブリーズ」は「7億ドルのスマイル公開」だった。

日米双方の観る側、そして演じる側にとって「リアル二刀流への挑戦~マンガの世界を現実に~」の物語はハリウッド映画そのもの、だ。

監督はもちろん栗山英樹さん。WBC決勝編のファイナルカットで大谷翔平vsマイク・トラウトのエンディングを演出した、その手腕にはリドリー・スコット監督も脱帽⁉だろう。

地元紙に発見された青いユニコーンは足が早く、その角はどんなものでも突き通す。目の前に立ち塞がるいかなる障壁もクリアする。

唯一の弱点はピュアな女性の存在…そういえば「リアル二刀流への挑戦」には数多くの脇役?女性は出てくるが、助演女優はまだ現れていない…

(つづく)

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