カープダイアリー第8588話「リクエスト3連発、押し出し、併殺崩れ、ダブルスチール、７投手で全員野球」（2024年4月17日）

画像は試合開始前の広島ベンチの表情

ひろスポ！では田辺一球｜noteの記事を紹介している。

今回はコチラ。

カープダイアリー第8588話「リクエスト3連発、押し出し、併殺崩れ、ダブルスチール、７投手で全員野球」（2024年4月17日）

マウンドには2戦2勝のアドゥワ。DeNAとの戦いは坂倉の肩で幕を開けた。初回、二死一塁で打席には牧。２ボールから走ってきた関根を刺してまず先手を防いだ。

開幕第3戦でアドゥワをリードした坂倉は、しかしアドゥワの前回登板は甲子園のベンチで見た。曾澤は大瀬良と森下の時にもスタメンマスクをかぶる。アドゥワの日は競争の境界線になる。

だが二回、打ち直しの牧に1号ソロを許してしまう。スライダーをうまく前で捌かれた。

その裏、新井監督がリクエスト3連発で追撃しかけた。

先頭は野間が今季初めて三番に入ったため五番に“異動”した小園。全力疾走しての遊ゴロはファースト佐野がジャンプ捕球しており、ビデオ検証の結果セーフになった。

続く坂倉の打席で２ボールから小園スタート。二塁タッチアウトもリクエスト、今度は判定が覆らなかった。

坂倉は四球出塁。

打席には７番田村俊介。7球目で空振り三振。スタートした坂倉はここも盗塁失敗。しかし坂倉がアピールしてリクエスト。二塁送球が高く、ショート石上は相当高くジャンプした中でタッチを試みていた。ビデオ検証の結果ノータッチでセーフ。二死二塁まできて矢野が左飛に倒れた。

だが、こうした戦術はこの日、再登録されたDeNA先発の濱口には無言のプレッシャーを与え続けた。前回登板のあとすぐ降格となり、やっと今季2度目の先発マウンドで初回にヒット２本、二回にショートエラーと四球で走者を出し、おそらく気持ちの面でもぜんぜん乗れていなかったはず…

三回のアドゥワがその濵口に左前打されたあと3者連即三振で切り抜けたのとは対照的な流れがその裏生まれた。

一死から秋山が中前打。菊池がフルカウントからの8球目で四球を選び、野間はストレートの四球。四番堂林はボールになる低目のチェンジアップを空振り三振したが、小園はフルカウントから同じ球にバットを体全体で止めることができた。濵口の一番の生命線がポキリと折れた瞬間だった。同点押し出し。

心も折れた感のある濵口は脆かった。四回、先頭田村俊介が詰まりながらもライト前に落とすと、矢野とアドゥワの代打二俣の送りバントをともに独り相撲でオールセーフにしてまた満塁となったのである。

DeNA内野陣も、リードする山本も何もできないまま見てるだけ。グラウンドは独特の空気に包まれたまま、秋山空振り三振のあと菊池の遊ゴロが併殺崩れとなって勝ち越し点が入った。

極めつけは追加点の入り方。二死一、三塁から野間への3球目で菊池がディレードスチールして送球の間に矢野がホームにヘッドスライディングした。ショートバウンドした投球をミットに収めた山本は反射的にベースカバーの石上に投げたように見えた。

山本は一番近くで左腕が発する独特の負のオーラを感じていたはずで、浮足立つバッテリーを見越しての新井×藤井の見事なベンチワークだった。

五回からのカープはブルペンデー。塹江、益田、矢崎、島内、中崎、栗林も投げた。五回に会心の2点二塁打を放った坂倉はリードの方でも役割をまっとうしてスコアボードにゼロを並べていった。

その結果、ヒットの数では8本、13本と劣勢なのにスコアは５対１快勝となった。DeNAは４連敗。お立ち台には2年ぶりに勝ちがついた塹江と益田が上がった。

キャンプの早い時期から「ゴリエさん」を推していた新井監督にとっても、いろいろと評価できる試合になったのではないか？「全員野球でがんばっていきたいと思います」と変わらぬ意気込みで会見を締めくくり、週末からの巨人戦に気持ちを切り替えた。

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