画像は優勝旗を返還する広陵の只石貫太主将
第106回全国高校野球選手権広島大会の開会式と1回戦1試合が7月6日、広島市南区のマツダスタジアムであった。誕生から100周年を迎える甲子園を目指す90校86チームが県内8球場で熱戦を繰り広げる。昨年4年ぶりに選手全員による入場行進が行われ、今回も全選手が堂々の入場行進をした。3年女子が一緒に行進したチームも複数あった。
この日は甚大な被害をもたらした西日本豪雨災害から6年目に当たり、黙とうが捧げられた。続いて昨夏の優勝校、広陵の只石貫太主将から優勝旗が返還され、修道高の中垣咲哉主将が選手宣誓した。
甲子園球場が完成した1924年(大正13年)の記念すべき初代王者は広島商だった。野球王国広島のはじまり…1983年、広島商3年の夏に甲子園の土を踏み、広島商のほか大竹、高陽東の野球部監督を歴任した県高野連の織田裕之会長はあいさつの中で次のように述べた。
選手のみなさん君たちの夏がいよいよ始まります。
今大会は93加盟校中90校86チームの参加であります。よって85試合が組まれております。その1試合1試合が唯一無ニの試合であります。
時代の流れとともに、球場、野球の道具、試合の方法等さまざまなことが変化していく中で、決して変わらないものがります。それは、これまで高校球児として数えきれないほどの、数多くの先輩方がみなさんと同じような夢を思い描いて、がむしゃらにひたすらに白球を追い、ひたすらに1球に思いを込めて高校野球に打ち込んできたことです。
ルールブック1・00、1・05の中には試合の目的として、各チームは相手チームよりも多くの得点を記録して勝つことを目的とする、と記してあります。
試合においてはお互いが勝利を目指して、ゲームセットまで正々堂々、全力を尽くしてください。勝利したチームはさらに高みを目指し、敗退したチームは今までの過程の中での学びが自分の成長になることを確信し、両者ともがお互いが野球を愛する良き仲間として長くつきあいができることを祈念します。
そして、みなさんに3つの言葉を贈ります。一つ目は感謝、二つ目は一球入魂、三つめは全力疾走…感謝、一球入魂、全力疾走。以上3つの言葉を胸に、ファイトある試合を期待します。
……
開会式直後の開幕試合では賀茂と福山工が対戦、延長十回、賀茂がサヨナラ勝ちした。
福山工 100 000 101 0 ・3
賀 茂 210 000 000 1x ・4
マツダスタジアムのほか、大会で使用される球場は前年より1カ所増えて6カ所。
・ぶんちゃんしまなみ球場
・やまみ三原市民球場
・鶴岡一人記念球場
・エブリイ福山市民球場
・バルコムBMWベースボールスタジアム
・電光石火きんさいスタジアム三次
・東広島アクアスタジアム
今大会も春の県大会8強がシードされ、優勝候補筆頭で甲子園でも頂点を目指すという広陵は注目の海田とともに第1シード。第2シードは崇徳と春の中国地区大会初Vの尾道。第3シードは総合技術、山陽、国際学院、そして広島商や広陵と肩を並べる広島野球の原点、国泰寺。
決勝戦は7月27日の予定で、雨天順延などがなければ5年ぶりにマツダスタジアムで開催される。その他、試合方法は次の通り。
・コールドは五回以降10点差、七回以降7点差以上(準決勝まで)
・延長十回以降はタイブレーク制(無死一、二塁の継続打順。延長十三回以降はタイブレーク採用
・天候などで試合が途中打ち切りになれば行われた回数に関係なく翌日以降に勝敗を決するまで継続試合
・照明施設があればナイトゲームを行うことがある
・日程変更があれば球場変更もありえる
・ひとりの投手の球数は一週間500球以内
ひろスポ!広島スポ―ツ100年取材班&田辺一球)