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2024年07月10日
編集部

最初からムリと分かっていてもプレーボールのマツダスタジアムで53球を投げた九里の心中を思いやる

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マツダスタジアム 三宅
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画像は降雨ノーゲームとなりスタンドのファンにあいさつする新井監督、コーチ陣と選手たち

 

7月10日  降雨ノーゲーム(マツダスタジアム)
巨人 010
広島 001

広島通算77試合38勝35敗4分け(首位巨人に1差、3位DeNAに0・5差の4位後退)
18時開始・18時58分から30分間中断の末ノーゲーム
相手先発 井上
広島本塁打 -
巨人本塁打 -
広島登録抹消 △シャイナー▼島内▼中村健

広島スタメン
一番センター秋山
二番ライト野間
三番レフト上本
四番サード小園
五番キャッチャー石原
六番セカンド菊池
七番ショート矢野
八番ファーストシャイナー
九番ピッチャー九里

 

最初から試合が成立する可能性は20パーセントぐらいだったか。カープ球団は複数の気象予報会社と高額契約している、という。Yah00!天気の雨雲レーダーの動きでも午後6時のプレーボール時には日本海から島根県に移動してくる大雨を降らせる雨雲が1時間以内には広島市内周辺に到達することが見てとれた。降水確率も70%だったものが夕方前には80%になり、予報では「前線や湿った空気の影響で、中国地方は夕方から雷雨や大雨の恐れも…」と外出を控えるよう促していた。

 

それでも雨が落ちる中、試合が始まりスタンドは雨具で赤く染まった。前夜、5連勝で単独首位の座を奪い返した巨人の先発はローテ入りを目指す井上。どんな状況だろうが必死に投げるのは当然で、しかし力が入り過ぎたのかやたら投球がワンバウンドしていた。

 

九里の方はどうだっただろうか?幾度となく雨が降ろうがヤリが降ろうがプレー続行という場面は経験してきた。だが、さすがにこの日は頭の片隅で「ムリでしょ!こんなの…」と思ってしまってはいなかったか。二回、大城、岸田の五番、六番に連続二塁打されて先制点を許した。三回には先頭の一番丸を2球で打ち取ると、続く吉川への初球は92キロのカーブだった。普通ならそんな球は投げない。二回の打席でも4球目をハーフスイングして、とっととベンチに戻った。ガッツ溢れる打撃がウリだから、これもあり得ない。

 

その裏、秋山、野間の連打からの上本の犠飛で追いついた。前回登板で8回無失点と好投した井上に対して、カープ打線は組みやすしではありませんよ、というイメージを刷り込むことはできた。

 

そして午後6時58分には雨脚が強まりゲーム中断となった。四回、2球だけ投げてベンチに下がった九里の思いを代弁するなら”ムダな53球でまた調整して次回か…”だろう。

 

唐突に中村健との入れ替えで出場登録され「八番ファースト」という外国人砲にはありえない打順で戦列に復帰したシャイナーは打つ方では1打席、井上の球を5球見たのみ。しかもワンバン、ファウル、ワンバン、ワンバン、カーブを打って三邪飛だった。

 

開幕戦と2戦目に出ただけで右手中指を剥離骨折すること自体が情けない。何より二軍で上向く兆しを見せていないのに、上で打てるだろうか?誰がシャイナーをプッシュしている?とても新井監督の考えとは思えない。

 

ハナから試合再開は無理だと関係者は理解しているから、両軍ベンチには早めに必要事項が伝えられ、30分キッカリの待ち時間のあとノーゲームが宣告された。

 

雨は午後8時を回ると県内各地でますます強くなり、気象台からは日付が変わった11日午前0時42分に大雨警報(土砂災害)が広島市安佐南区、安佐北区、呉市、江田島市、府中町、熊野町に出された。だがそれだげではない。福山市内などの備後地方や県北部でも正に土砂降りになった。

 

新井監督やコーチ陣は現有戦力を最大限に使いこなしながら、優勝、日本一を目指している。それを結果的には球団側が邪魔していることになる。

 

昨季は5月にG7広島サミットがあり、極めて変則的な日程消化を強いられた。その余波が7月15日から8月10日までの、20試合連続屋外球場ゲーム…。体力を消耗しきったチームはあろうことか広島にとって特別な日、8月6日から1分けを挟み6連敗となった。

 

巨人とは2連戦であすは試合なし。そして週末からはヤクルトを迎えての3連戦。金曜日はナイトゲームだが土日の開始時間は午後2時と1時半。天候がどうか?はこの際置いといて、年々酷暑が厳しくなっている現状を考えればこの球団のやり口はあり得ないものだ。選手の体調管理とファンの健康・生命の確保について、認識不足も甚だしい。

 

仮にチームがこのまま失速するようなことがあれば、真っ先にその責任を取るべきは松田元オーナー自身。試合開催の有無も試合開始時間決定もすべて球団トップの判断で行っているのだから…

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