画像は海田高校の選手たち、5月11日にぶんちゃんしまなみ球場であった春の県大会準優勝時に撮影
第106回全国高校野球選手権記念広島大会第4日(7月12日)
2回戦10試合があった。シード校4校が初戦に臨み、尾道、海田、国泰寺は3回戦に駒を進めた。山陽は尾道商に惜敗した。
注目の右腕エース、神辺旭の富原朔(とみはら・さく)が広島工を7安打1点に抑えて完投した。
<ぶんちゃんしまなみ球場>
尾道8-0呉三津田(七回コールド)
神辺旭6-1広島工
春の中国大会を制し、第2シードでの夏を迎えた尾道(第1シードは広陵・海田、第2シードは尾道・崇徳、第3シードは国泰寺、山陽・国際学院・総合技術)は中盤以降に8点を奪ってコールド発進した。
……
神辺旭は春夏通算10度の甲子園出場を誇る(ついでに加えるなら広島・新井貴浩監督やヤクルト・高津臣吾監督の母校)広島工をねじ伏せたかっこう。
先発した富原朔(3年)は身長173センチ体重67キロで最高球速は149キロを誇り、前評判通りのピッチングを披露した。9回117球シングルのみの7安打完投…
富原朔は高校1年生の秋から本格的に投げ始め、この夏までにプロ野球スカウト注目の存在になった。だが同校を率いて6年目の高橋良輔監督の下、体幹を鍛え投球メカニズムを研究して球速140キロを超えるような力量を身に着けた投手は複数いる。もちろん球速だけでは投手は長いイニングを投げることはできないが、酷暑の中での分業制によるメリットは大。近年、備後勢の活躍が目覚ましい広島大会にあって、公立校が注目されるのはプラス要素だろう。
<鶴岡一人記念球場>
西条農4-2賀茂
海田12-2庄原格致(五回コールド)
開会式直後のマツダスタジアムで延長10回サヨナラ勝ちを収めた賀茂は西条農10安打に対して9安打を放ったが最後まで試合の主導権を握ることができなかった。
……
春の県大会準優勝の海田は初のシード権を獲得して初戦に臨んだ。打線は序盤から中軸で得点を重ねた。投げては1番をつけた松本遼太(3年)を温存して、1年生の澤秀太が経験も積むため先発して4回3安打2失点。
<バルコムBMW野球場>
尾道商4-3山陽
国泰寺6-3三次
バルコムBMW野球場と同じ西区観音地区にある山陽は部員が100人を超え、スタンドの大応援にも押されて初回に先制点。一死二塁から三番・梅本勝眞(2年)が中前適時打。続く四番・田村琉成(3年)も右中間に適時打した。
2対1、1点リードで迎えた八回、山陽のマウンドには二番手でこの回が2インニング目となった富永京介(2年)。スクイズで同点にされると、そのあと自らのバックホームが逸れて勝ち越された。
その裏、山陽は一死満塁として、ここで14番をつけた主将の宗正康稀(3年)が代打で起用されると二ゴロが併殺崩れとなって試合は再び降り出しに…
そして九回、山陽は三人目の梅本優輝(2年)を投入、先制点を叩き出し、スタメンマスクをかぶり続ける梅本勝眞との双子バッテリーで流れを引き寄せようとしたが、一死三塁からスクイズを決められて涙の初戦敗退となった。
逆に山陽の9安打の半分以下の5安打で接戦をモノにした尾道商は計16人が出場。総合力の勝利、となった。
……
国泰寺-三次も好ゲームになった。国泰寺は8安打で3投手をつなぎ、三次は9安打で5投手をつないだ。国泰寺先発の藤尾壱大(3年)は7回6安打1失点。そのあとレフトに回った藤尾壱大は1点ビハインドの七回、同点に追いつきなおもチャンスの場面で勝ち越し二塁打を放った。
今年は甲子園球場100周年、そして夏の全国大会第1回大会(大正4年・1915年開催の全国高校選手権大会の前身、全国中等学校優勝大会)に広島代表として出場したのが国泰寺の前身、広島中…国泰寺の創部は1889年で、広島商の1899年、広陵の1911年より古い…
<電光石火きんさいスタジアム三次>
庄原実業9-5宮島工(延長10回タイブレーク)
油木4-3広島中等教育
3対3同点で延長タイブレークに入った庄原実業はイッキの6得点で主導権を握りその裏の反撃を2点で止めた。
……
油木は9安打で四番キャッチャーで主将の徳田英明(3年)が5打数2安打2打点、広島中等教育は7安打で四番キャッチャー中山福太郎(2年)が4打数2安打3打点、だった。
<エブリイ福山市民球場>
誠之館2-1吉田
福山7-1呉高専(七回コールド)
誠之館は1番をつけた高松航汰(3年)が八回二死まで無安打ピッチングで120球を投げ九回途中から坂田朋樹(3年)につないだ。吉田のエース船岡稜(3年)は8回115球4安打完投。
吉田は九回、二死満塁で1点差に詰め寄ったが及ばなかった。
……
迫田守昭監督の下でチーム力底上げを瑠づける福山は、一番を打つ中村隼人(3年)の4盗塁など計7つの盗塁を絡めて7安打で7点と効率良く攻めた。