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2024年08月12日
編集部

広陵エース高尾響、球数揃えて大詰めで最速146キロ!中井哲之監督に春夏通算40勝目をプレゼント…第106回全国高校野球選手権大会第6日

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画像は広陵の中井哲之監督

 

第106回全国高校野球選手権大会第6日(8月12日)2回戦

広  陵(広島)000 000 200・2
熊本工(熊本)000 010 000・1

 

広陵スタメン(学年と投打)
センター濱本遥大(3年)右右
ライト田村夏芽(3年)右左
サード土居湊大(3年)右左
キャッチャー只石貫太(3年)右右
レフト枡岡憲志(3年)右右
ファースト世古口啓志(2年)左左
ショート酒井綾希人(3年)右右
セカンド曽根丈一郎(1年)右左
ピッチャー高尾響(3年)右右

 

夏の甲子園出場、広陵は25度目、熊本工は23度目でともに県勢最多、2回戦から登場の伝統校同士の一戦は広陵がロースコアゲームを制した。

 

 

勝った広陵の中井哲之監督は史上9人目、歴代7位に並ぶ春夏40勝。勝利監督インタビュー第一声は「ほんとに、広島弁で言うと、ぶち嬉しいですね!」だった。

 

 

先制したのは熊本工。長打と送りバントからの二死三塁で、広陵打線相手にスコアボードにゼロを並べる背番号1の山本凌雅(2年)が自ら中前に適時打を放った。

 

 

広陵は七回、ワンチャンをモノにした。先頭・酒綾希人の二ゴロはわずかにイレギュラーして内野安打に。ここで中井哲之監督はすかさず白髪零士(2年)を代打に起用した。

 

 

白髪零士は3月のセンバツ大会ではスタメン出場しており、バントも巧い。結果は四球で無死一、二塁となり、続く高尾響が初球で送りバントを成功させた。

 

 

スライダーをコーナーに集めて、広陵打線を封じてきた熊本工バッテリーはこの回、わずか9球で窮地に追い込まれた。一死二、三塁、打席には一番・濱本遥大。内角球2球でボールカウント1-1となり、アウトローに投じるはずだったスライダーが高く浮いたところを捉えられた。

 

 

ライトへの勝ち越し2点タイムリ―を放った濱本遥大は、2年春から4季連続の甲子園で持ち味を存分に発揮した。リラックスした構えから山本凌雅のこの日94球目を確実、にコースに逆らわずスムーズに叩いた。

 

 

「上手に、ていねいに、力感なくコントロールよく投げてこられていたんですが、80球ぐらいになって球が暴れるというか高目に浮いてきたので、まだまだチャンスがあるなと考えていました」(中井哲之監督)

 

 

この“勝負”、白髪零士の四球が分水嶺になった。熊本工バッテリーは”投げ急ぎ“になり、自分たちから広陵の間合いの中に入っていった。

 

 

対照的にプロも注目する右腕、高尾響は終始リズムをキープした。3者凡退は三、四回の2イニングだけ。しかし球数で見ると、初回から10・10・13・15・12・11・13・11・15…

 

 

敗れた熊本工の田島圭介監督は試合後「広陵は想像以上のバッテリーだった。1点が遠かった。只石選手の存在でバントもやらせてもらえなかった。脱帽です」とコメントした。犠打5を記録したが、逆転された直後の無死一塁で送ることができなかった。

 

 

4季連続で甲子園の土を踏む中井哲之監督と高尾-只石のバッテリー。1年前の夏は3回戦で、優勝した慶応に延長10回タイブレークの末、3対6で敗れた。152球を投げ、そしてキャッチしたふたりは、そこでいろいろなことを学んだはずだ。

 

 

今春のセンバツ2回戦でも青森山田の前に、延長タイブレークの10回にサヨナラ負けを喫した。七回まで踏ん張っていた高尾響は、八回に2点、九回に3点を失った。

 

 

この日の投球について聞かれた中井哲之監督は「それなりに抑えるという投球術」「力の入れ具合というか、そのへんは非常にうまいものがあります」と答えていた。

 

 

その「力の入れ具合」では全110球のうち、わずかに力任せになった57球目が唯一の失点につながった。一方、九回一死二、三塁のピンチでは力みを排してギアをトップに入れ最速146キロのストレートとスプリットによる連続三振で4季連続の完投勝利をつかんだのである。(ひろスポ!広島スポ―ツ100年取材班&田辺一球)

 

 

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