画像は日南キャンプでファンにサインする石原貴規選手
11月4日(月・祝)から宮崎県日南市で始まった広島東洋カープの秋季キャンプは9日、第2クール初日を迎えた。朝から雨模様だったが、午後からは曇り空になった。
この日は今キャンプで初めての土曜日。ところがメーン施設の天福球場とその周辺にかつてのような賑わいはなかった。あす日曜日も状況はいっしょだろう。
球場そばのテントで公式グッズなどを販売している担当者の話では「土曜ともなると大忙しだったリーグ3連覇の頃に比べれば雲泥の差、暇です…」なのだという。
お客んさんのいないグッズテント…
しかも「どの選手の商品が特によく売れる、ということもないし、新井監督が一番人気ですかねえ?」という状況。要するにグッズをたくさん買って、身に着けてまでこの選手を応援しよう!という“活気”が完全に過去のモノとなってしまった。
話を聞いたのは午後2時ごろで、球場とその周辺には平日よりは多いのファンの姿があったが、グッズ売り場には閑古鳥が鳴いていた。
「カープ女子」が<ユーキャン新語・流行語大賞>トップ10に選ばれたのが2014年12月1日。そういえば「カープ女子」なる呼び名がメディアからほぼ消えて、もうかなり経つ。
「カープ女子」人気をさらに加速させたのが、「新井・黒田」同時復帰。そのオフ、球団側が旧広島市民球場時代から必死に売り捌いてきた年間指定席、2015年分が完売となった。そして「カープ3連覇」の2016、17、18年は、12球団4位の動員力をキープした。
そのあと「コロナ禍」という特殊な状況を挟み、マツダスタジアムの動員力が頭打ちになった。迎えた2024年シーズンは9月の大失速によってDeNAに3位の座を献上した。結果、本来なら広島がやるべきだった「下剋上」をDeNAにやられてしまっただけでなく、入場者数でもDeNAに水を開けられた。12球団で見ればDeNAは阪神、巨人、ソフトバンクの3強と中日に続く5位、広島は7位まで後退した。
新井貴浩監督、黒田博樹球団アドバイザーが、来季こそ日本一を…と日南のグラウンドやブルペンに立つ日が続いている。ほかにこのチームを長期的に受け持つ人材は見当たらない。ただ、それとは”別次元”で、今のカープにはファンの力という追い風を必要としているのではないだろうか?(ひろスポ!広島スポーツ100年取材班&田辺一球)