画像は2024年ラストマッチに向けて調整するサンフレッチェ広島レジーナ
Jリーグシーズン終了で2024年国内トップカテゴリー最終マッチとなる2024-25 WEリーグクラシエカップの決勝が12月29日、国立競技場で行われる。
サンフレッチェ広島レジーナはこの大会で2連覇を目指す。前回大会(2023年10月14日、国立競技場)では中村伸監督の下、アルビレックス新潟レディース相手に延長でも決着がつかず0-0のまま突入したPK戦(4-2)を制してクラブ創設3年目にして初のタイトルを手にした。
前回大会決勝のアルビレックス新潟レディース戦、先発と交代選手など
先発と交代選手
GK 木稲瑠那
DF 近賀ゆかり→64分 藤生菜摘
DF 左山桃子→91分 呉屋絵理子
DF 市瀬千里
DF 島袋奈美恵
MF 渡邊真衣→85分 立花葉
MF 小川愛
MF 柳瀬楓菜
MF 松本茉奈加→85分 上野真実
MF 中嶋淑乃→119分 吉野真央
FW 髙橋美夕紀
ベンチメンバー
福元美穂、大内梨央
今回の相手は、国内女子リーグトップカテゴリーのWEリーグで三菱重工浦和レッズレディース、日テレ・東京ヴェルディベレーザとともに3強を形勢するINAC神戸レオネッサ。
今季の公式戦での対戦は1分け1敗。2024-25 SOMPO WEリーグ 第1節(9月14日)では1-1で引き分け、皇后杯 JFA 第46回全日本女子サッカー選手権大会 準々決勝(12月22日)では0-1で敗れた。特にエディオンピースウイング広島での2025年1月決勝を目指して戦った2戦目は、サンフレッチェビレッジ第一球技場に集まった地元サポーターの前での痛恨の一敗となった。
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今季、INACとの2試合でレジーナが奪ったのは1点だけ、一方で失点2はいずれもキックオフ早々に奪われた。ジョルディ・フェロン監督2シーズン目に入ったINACのサッカーを端的に表現するなら、組織的に守って逃げ切るスタイル。ゆえに先制されると厳しい。WEリーグ第1節では後半アディショナルタイムに髙橋美夕紀のゴールで何とか引き分けに持ち込んだが、皇后杯準々決勝では後半で5バックにシフトした相手陣内に攻め込みはしたもののゴールはならず…いや、ゴールを割らせないように相手に巧く仕向けられたと言った方がいいかもしれない。
そこから中6日。互いに過密日程や主力選手のコンディション不良に悩まされながら皇后杯準々決勝を戦い、中6日でのリカバリーと調整期間を経て国立のピッチに立つ。
INACはWEリーグでも7勝3分け1敗で2位の好位置につけている(レジーナは6勝2分け3敗で4位)。また、皇后杯を勝ち上がってきた4強にはINACとともに、日テレ・東京ヴェルディベレーザ、三菱重工浦和レッズレディース、アルビレックス新潟レディースが名を連ねている。
「決勝では向こうも故障者が戻ってきてまた違う展開になると思う。今季は(主力メンバーの大幅な入れ替えで)三冠を狙うのことは難しいと思っていたけど、チャンスは残っているのでしっかり狙っていきたい」(皇后杯準々決勝後のジョルディ・フェロン監督)
INACが三冠を狙えるのは、好不調の波が小さい戦いを続けることができているからだ。なでしこジャパンメンバーふたりを最終ラインに配し、加えてレジーナにはいない外国籍選手が中盤と前線で個の力を発揮する。
レジーナとしては、公式戦3試合連続ゴールのあと皇后杯準々決勝では途中出場だった髙橋美夕紀の勝負強さや、12月に入って切れ味鋭い動きを見せる”女王の翼”※の一角、立花葉のサイド攻撃で得点機を作りたい。直近の公式戦2試合を欠場した同じく”女王の翼”中嶋淑乃も全体練習に戻ってきた。
※”女王の翼”はひろスポ!命名、レジーナのサイド攻撃を指す
女王の翼を担う立花葉は最終調整の中でもいい動きを見せた
「INACは個の選手の能力が相当高く、戦術的な戦いもできる」と決勝前オンライン会見でこれまでと同じように相手を警戒した吉田恵監督は「連覇ができるのは我々だけ…」とクラブ初代指揮官の中村伸監督から受けついだバトンでもう一度、一気にゴールテープを切るつもりでいる。
そのためには「(今季のINACとの2試合を踏まえて)ほんとに試合の入りが大事だと思っているのでそこを集中してみんなでやっていきたい」(前回大会に続いての決勝の舞台に上がる左山桃子キャプテン)というキックオフ直後からの時間帯をどう乗り切り、そこから両サイドなどをどう切り崩していくか?
コロナ禍を乗り越えて2021年に誕生したWEリーグは集客数が当初の目標を大きく割り込み、注目度、人気面で多くの課題を抱えている。今回のカップ戦決勝では「Jリーグチケットから発券できる無料招待の席種(バック・ゴール裏エリアの2層、1万人分)が用意された。決勝の模様はBSテレビ東京で生中継され、「テレビ東京スポーツ」YouTubeチェンネルでLIVE配信される。
国内トップカテゴリー2024年ラストマッチ、キックオフは午後1時。
(ひろスポ!広島スポーツ100年取材班&田辺一球)