広島初開催となった国内女子サッカーの頂上決戦、第46回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会・決勝が1月25日、エディオンピースウイング広島で行われた。地元のサンフレッチェ広島レジーナは準々決勝で国内女子3強の一角、INAC神戸レオネッサに敗れ、決勝に進んだのは同じく3強の三菱重工浦和レッズレディースとクラブ初タイトルを目指すアルビレックス新潟レディース。激戦は延長でも決着がつかず、PK戦の末に三菱重工浦和レッズレディースが3大会ぶり2度目の優勝を手にした。
当り前の話だが、そのピッチにサンフレッチェ広島レジーナの選手たちの姿はなかった。だが、試合後の両チーム監督会見には何度も「広島さん」が登場した。また決勝を観戦した日本サッカー協会の宮本恒靖会長も「レジーナ」の名を口にした。長らく国内女子サッカー界を牽引してきた日テレ・東京ヴェルディベレーザも加えた国内女子3強を追撃する広島と新潟の女子力が今まさに追い風に乗ろうとしている。
アルビレックス新潟レディース 橋川和晃監督の話(抜粋)
最高のゲームして、相手も最高のチームで最後、結果だけ…PKで取れなかったんですけど…ほんと選手たちが100パーセント、120パーセントファイトして、サポーターのみなさん、メディアのみなさん、いろんな支える方がいて最高のゲームだったということです。
選手たちの表情見ていて、やっぱり悔しい部分とちょっと充実感もあるかな、というのが見て取れました。勝つためには挑み続けるしかないよ、と…女子サッカーって浦和、ベレーザ、INAC、広島さんがその壁を破ってタイトル2つ取ってますけど、その壁に挑むしかない。
三菱重工浦和レッズレディース 楠瀬直木監督の話(抜粋)
サポーターの方、両チームたくさん来て3000人…それが5000人、1万人…となれるように盛り上げていきたなと思います。きょうは両チームとも、いいところを出し合っていいゲームだったと思います。
やはり、もっと(集客を)増やして興行を成功させていなかないと盛り上がらないので…やはりお客さんがこんなに多いとね、遠方から来てくれてますし、そういう底上げを、今まで3強と言われてましたけど、これで広島さん、新潟さん、まだ次に続くチームいると思いますので、そこをもっと盛り上げていきたい。
ただ、そこはきょうは決勝戦で、準決、決勝はもちろんお客さんは来ると思うけど、そこに来れないようなチームも、というところで…それとちょっと海外流出が多いなと思って、そこもいい、悪いはあるんですけども、やはりもっともっと今みんなでやっているWEリーグを魅力あるリーグにしていかにといけないのかな、と思います。
(浦和らしさ、という面で)やはり下部組織から(選手を)供給して、自給自足のクラブを作っていかないといけない。そこはブレないでやっていきたい。このチームを常勝軍団にしたい。2位ではいけない。それを体現させてあげないといけない。勝てる可能性を引っ張り込む人間性、勝てるチームは勝てますから。
日本サッカー協会 宮本恒靖会長の話
去年、このエディオンピースウイング広島ができてA代表の試合もやらせてもらいましたし、集まったお客さんが喜んでいる姿とかを見て、やはり東京以外でやる普及の観点からしてもその意味はすごく感じました。3万人近く入るというキャパシティの面から見ても、かなり大きなポテンシャルがあるんじゃないかと思ってます。
女子サッカーに関してはWEリーグが4年目を迎えてもっと良くしていくために、JリーグとJFAが一緒になって日本のサッカーを盛り立てようという空気が作られつつありますし、なでしこも、また代表のアンダーカテゴリーに関しても若くて才能のある選手が揃ってきているので、新しいニールセン監督の下で、なでしこも新たなフェーズに入っていくんじゃないかという印象です。
レジーナも、今回は決勝に来れませんでしたがいつも上位にいますし、個々にも面白い選手が多いなと思いなら見ています。ここ(エディオンピースウイング広島)でたくさんの人に見てもらえているという事実もあります。ぜひ、日本の女子サッカーを盛り上げる意味でもレジーナにも頑張ってもらいたいと思います。