広島商一挙６点！鋭い振りで強打・東洋大姫路のお株を奪い2回戦突破！目指すは94年ぶりのセンバツV

2025年03月24日: 編集部

画像は広島商・荒谷忠勝監督

第97回選抜高校野球大会第７日

２回戦、第３試合１回戦、広島商６－２東洋大姫路（兵庫）

広　島　商　０６０　０００　０００・６
東洋大姫路　０００　００１　１００・２

広島商が今大会優勝候補の東洋大姫路を押し切り、2002年大会以来23年ぶりのベスト８に進んだ。

最大の勝因はもちろん選手たちの活躍にあるが、それをお膳立てしたのは荒谷忠勝監督だろう。

120有余年の野球部の歴史を背負い、甲子園の舞台に立つ。それがそういうことか、を熟知した指揮官は初戦で送り出した大宗和響－片岡亮祐に替えて徳永啓人－柳井晶翔のバッテリーに２回戦を託した。

今大会でトップレベルの打力を誇る相手は一番から五番と八、九番に左打者が並ぶ。下位からだと７人続けて左打者…

徳永啓人は初回、その立ち上がりで二番打者に変化球をぶつけたものの11球でアウト３つを奪うと、二回も二死から一、二塁とされても九番をフルカウントからの真っすぐで見逃し三振に仕留めた。ここで失点していたならこの試合どうなっていたか…

二回の広島商の攻撃にも、選手として、指導者として長らく広商野球とともに歩んできた指揮官の思いが凝縮されていた。

中前打の四番・名越貴徳を置いて柳井晶翔がすかさず送りバント。六番・藤田涼平がサード強襲安打で続き、続く田部壱瑳のバットも快音を発してサードのエラーを誘発した。一死満塁…

打席には八番・徳永啓人。上から叩いた打球はライト前に転がってまず１点。２年生の中本拓志の低く伸びる打球もショートのグラブを弾いて追加点。一番に還って西村銀士の打球もまた低いライナーで右中間を破り満塁の走者を一掃した。さらに二番・小田健登の二ゴロでダメ押しの6点目を加えた。

１回戦では145キロを超える真っすぐを軸に好投した東洋大姫路先発の木下鷹大だったが、あれよあれよの連続失点となり立ち直るきっかけを掴み損ねた。

その後は加点できなかった広島商打線だが、柳井晶翔が三回と七回に送りバントを決めるなどセンバツに向けて準備してきたことを選手たちは次々とこなしていった。初出場した昨秋の明治神宮大会では決勝まで進み、３－４のスコアで横浜の壁に跳ね返された。そこで日本一になるために必要なことがより明確になり、ひと冬越えたことでパワーも確実性も増した。

１回戦では横浜清陵の先発、右サイドスローの小原悠人に対して初回、先頭の西村銀士が中前打したあと、バント２つで一死二、三塁として相手のミスから先制、さらにスクイズで２点目を奪った。

バントを確実に一発で決めて攻撃のテンポを速めることによって相手バッテリーにプレッシャーをかける、走者を置けば決して打ち上げることなく低く強い打球でも相手守備陣の焦りを呼び込む…もちろん守りのミスは徹底的になくすように集中する…（１回戦ノーエラー、この日は１失策）

それが広商野球…

徳永啓人は130キロ台の真っすぐとスライダー、カーブのコンビネーションで７回126球を投げ２失点で”左打線封じ”の大役を果たしてみせた。二人目の２年生左腕・片岡虎士も90キロ台のカーブを使い強力打線を手玉に取った。

結果、エース大宗和響を温存したまま準々決勝へ…

広島商の校門には10枚のプレートが埋められた「優勝記念」石碑がある。春夏７度の甲子園優勝と国体V２、合計９度のあとの10枚目は荒谷忠勝の在学時も含めて長らく空白になっている。

91年ぶりの春の頂点を目指した2022年のセンバツ出場時には新型コロナの影響で2回戦辞退というアクシデントに見舞われた。

その２回戦を突破して、２チーム分の思いが凝縮される広商ナイン、目指すは94年ぶりの春の王者…（ひろスポ！広島スポーツ100年取材班&田辺一球）

広島商31年ぶり優勝、粘る米子松蔭はバッテリースイッチで対抗～第143回秋季中国地区高校野球大会決勝 | 【ひろスポ！】広島スポーツニュースメディア
（2024年11月４日掲載）

シェアしてお友達にもこのニュースを教えよう！

ひろスポ！の情報を逃さずチェック！: ※SSL暗号化通信で登録します。
※メルマガはいつでも解除出来ます。