天皇杯3回戦、エディオンスタジアム広島(10月14日)
サンフレッチェ広島が堅い守りのロアッソ熊本(J2)を1-0で退けベスト16に進出した。
ベスト16の組み合わせ抽選会は22日に行われる。
サンフレッチェ広島出場選手
GK 増田
DF 宮原、吉野、佐々木
MF 高橋、丸谷、茶島、山岸、浅野、野津田
FW 皆川
交代選手
廣永、千葉、ビョン・ジュンボン、青山、清水、柴崎、ドウグラス
ロアッソ熊本出場選手
GK シュミット・ダニエル
DF 養父、クオン・ハンジン、園田、黒木
MF 中山、上村、高柳
FW 清武、平繁、齊藤
中山、高柳、平重はサンフレッチェ広島ユース出身
試合は前半開始早々から熊本ペースに。前半10分過ぎからは危ない場面が続いたが宮原、吉野、佐々木のDF陣に加え、中盤の丸谷や高橋、山岸の両サイドがよく動き失点を防いだ。また34分にはあわや失点の場面もあったがオフサイドに救われた。
0-0で前半を折り返し、互いにメンバー交替なしで後半へ。そのわずか1分後、丸谷が送り込んだ前線へのパスがこぼれ球となったところに皆川が泥臭く体を入れ右足でシュート。この一撃が前に出ていた相手GKの頭上を越えそのままゴールへ…。ワンチャンスで貴重な先制点が生まれた。
その後は広島のテンポが速くなり、浅野のドリブル突破や宮原の攻撃参加やロングフィードなど多彩な攻撃を展開。
対する熊本は32分に平繁に代えて、2回戦のガイナーレ鳥取戦で後半43分に決勝ゴールを決めた嶋田を投入。その後、ふたつの交代枠も使い切り攻撃に幅を持たせようとしたが、逆に広島のボール回しが時間の経過とともにスムーズになり、アディショナルタイムには野津田の惜しいシュートがバーの上を通過して1-0のままホイッスルを聞いた。
試合は延長30分PK戦方式。スタンドには「90分でケリをつけようぜ」の横断幕が出ていたがハードなスケジュールを考えればその通りで森保監督の思惑通りの決着となった。
試合後、熊本の小野剛監督は「結果として勝てなかったのは私の責任。でも必ず次に繋がる。勝ったサンフレッチェ広島には天皇杯、リーグ戦で頂点を目指して戦かってもらいたい」とコメント。さらに「若い選手がどんどん育って、これはロアッソの監督としてではなく、昔サンフレッチェに携わった人間として非常に嬉しい」と笑顔も見せた。
勝者となった森保一監督は「1-0という勝利で、チームのコンセプトが相手をゼロに抑えて勝つということなので良かったと思う」と切り出し「ただし攻撃で1-0から2-0、3-0と追加点を取るチャンスはあったので反省し次の課題」とした。
またJ1優勝へのカギを握る川崎フロンターレ戦(エディオンスタジアム広島、午後2時キックオフ)が3日後に控える中での若手中心メンバーの戦いについては「ご褒美で公式戦に出しているつもりはまったくない。全試合、勝ちにいっているし試合前に天皇杯のタイトルを取るためのハードワークしようと伝えた」とその狙いを明かした。
なお両チームのシュート数は前半が広島4、熊本5で後半が広島8、熊本1。小野監督の思惑とは裏腹に後半にギアをシフトアップした広島が一枚上手だった。
観衆は3,179人、気温16・7度、風なし。