第98回全国高校野球選手権大会第11日(8月17日)
新庄(広島)は木更津総合(千葉)と対戦。新庄・堀と木更津総合・早川。今大会を代表する左腕同士の投げ合いは予想どおりの投手戦となったが、打力に優る木更津総合に軍配が上がり0対2で敗れた新庄は初のベスト8に手が届かなかった。
新庄の堀は1、2回戦合計21イニングで1失点。木更津総合の早川は初戦で唐津商(佐賀)に二塁を踏ませず2安打完封。
両軍ベンチが「ロースコア勝負」を予想する一戦はしかし意外な幕開けに…。堀の立ち上がりは先頭の小池を3球三振!続く二番の木戸に対してボールカウント1-1。ここで胸の高さに投じたストレートを完璧に振りきられると、打球は弾丸ライナーでライトスタンドへ…。堀まさかの失点…、しかしそのあとすぐに立ち直り二回以降はヒット3本に木更津総合打線を抑え六回まで追加点を許さない。
しかし早川の方は堀以上の投球内容。序盤3回、打者9人はいずれも2球で追い込まれるか、2球目までに打ち取られるという新庄にとっては厳しい内容。それでも四回、先頭の杉村が追い込まれながら内角ストレートをうまく肘を使ってセンター前に弾き返しチーム初ヒット。
ところがここで二番・古川の送りバントが決まる前に杉村のリードが大きくなり過ぎてキャッチャーからの送球でタッチアウト。古川は四球で歩いたが田中政は遊ゴロ併殺打と攻撃がチグハグに…。
迎えた七回、粘り強く投げていた堀がヒットと送りバントで一死二塁のピンチを迎える。続く六番・左打ちの細田は左飛に取りツーアウト。打席には右打者の井上。ネクストは左打者の早川。しかし新庄バッテリーは井上と勝負。その打球がワンバウンドして堀が思い切り伸ばすグラブの上を越えてセンター前へ。大きな2点目は木更津総合の方へ入り、これで新庄の取れる作戦はかなり限定されることに…
その裏、再び杉村が今度はカーブを打って左前打で出塁。古川が送って一死二塁。早川から初めて得点圏に走者を進めたが、このあと田中政は三ゴロ、北谷には遊ゴロ。
2点を追う九回も先頭の堀が三塁内野安打で出たが田中亮は二ゴロ併殺打。最後は、早川からただひとり外野にヒットを打っている杉村が内野フライを上げて万事休す。
終わってみれば3安打完封負けの新庄はゴロアウトが実に13個。「少ない点数でうちの流れかと思っていたが2点目が痛かった。早川投手は素晴らしかった」と新庄・迫田監督。
今季最短1時間23分の試合は、両軍合わせて残塁4という大会最少タイ記録もマーク、さらに今大会では2度目の両軍無失策試合となり両チームの完成度の高さが証明されたかっこうになった。