田中成也選手と談笑する森田憲吾メディカルトレーナー(トップ画像説明)
B.LEAGUE B1昇格への挑戦権を手にするのは、広島ドラゴンフライズか、熊本ヴォルターズか…
B.LEAGUE B2西地区の2位確保、イコール昇格プレーオフへのワイルドカードを巡る広島ドラゴンフライズと 熊本ヴォルターズの直接対決2連戦。その第1戦は4月29日、熊本県立総合体育館で午後5時TIP OFF。
28日、熊本に移動した広島ドラゴンフライズは現地で最終調整を終えた。
3年前のちょうど今ごろ、北川弘、田中成也、坂田央、岡崎修司ら新人選手が初めて広島に集まりチーム結成となった広島ドラゴンフライズ。その時からずっと選手のコンディショにングを担当してきた森田憲吾さん(飛翔会グループメディカルレーナー)は言う。
「ここまで選手がケガや故障で離脱することなく来れたことが何よりです。選手ひとりひとりが、ゲームで最高のパフォーマンスを発揮するためにはどうあるべきか、そのいいチョイスをしてきた、その繰り返しです。自分たちで必要なタイミングに必要なことをやる。それが大事なんです。ひとりひとりの責任感。若手も含めてみんなの意識が高いですね。僕は最後まで選手を信じて、ここから特別なことをやるわけでもないのでこれまでどおり、やってきたことを継続するだけです」
森田さんは広島市出身。広島基町高校卒業後、広島医療保健専門学校で学び、理学療法士の資格を取得した。飛翔会グループのメディカルトレーナーとして活躍中で、硬式野球の三菱重工広島や女子ホッケーのコカ・コーラウエストレッドスパークスを担当した経験もある。試合や練習の無い日でも、ケアウイング曙(広島市東区曙5丁目3-31)で選手のケアを行っており、広島ドラゴンフライズに最も近い存在のひとり、ということになる。
練習中、選手の動きを見守る森田メディカルトレーナー
広島ドラゴンフライズは昨年9月24日の開幕戦を迎えるに当たり、3度の合宿で本番に備えた。最終合宿は9月10日から14日まで、広島県江田島市能美町の江田島市スポーツセンターで行われた。今はチームに欠かせぬ戦力となっているダニエル・ディロンが合流したのもこの時だ。
新生、B.LEAGUE B2のレギュラーシーズンは60試合。すでに前節までにB2は56試合を消化した。昨年11月、ゲームの中でキャメロン・リドリーが左アキレス腱断裂のケガをする大きなアクシデントはあったが、それ以外には目立ったケガもなくみんなでここまで乗り切ってきた。
「60試合の長丁場です。接触プレーなど防ぐことのできないアクシデントもあるし、何が起こるか分かりません。そんな中では特にコンディショニングには配慮して、事前に防ぐことのできる故障などはしっかり防止していかなければいけません。鵤選手はそうですね…、3キロは落として非常にキレのある動きができていますし、坂田央選手もシーズン、シーズンオフを通じてハードに動いたせいもあり強い体ができてきました」
江田島合宿の時に森田メディカルトレーナーはそう話していた。鵤誠司、坂田央の両選手には当然、熊本ヴォルターズとの”決戦”でも活躍が期待される。
昨年7月に左足第5中足骨を骨折して当初は調整が遅れていた田中成也もシーズンを通して活躍し、得意の3Pシュートに激戦に次ぐ激戦の中で磨きをかけてきた。そしていよいよ熊本ヴォルターズとの大一番…
熊本ヴォルターズ戦に向け調整を終えた鵤誠司選手
鵤誠司選手の話
オフェンスが最近、うちはちょっとうまくいってないんですけど、ディフェンスが大事になってくると思うし、みんなで意思疎通をしっかりやっていきたい。今回、やってきたプレーが成功すれば(熊本戦で)得点が取れると思います。みんなを信頼してやっていきたいです。僕自身、今シーズンここまでやってきて、うまくなれたのか、そうでないのかはわかりません。でも、大きな試合を勝っていくことでつかめるものがあるかもしれません。
田中成也選手の話
(明大卒業後)広島に来て、みんなとこうして一緒にやってきて、内容を考えれば長いのかなとも思うけど、あっと言う間に3年が経ちました。1年1年、成長できるように、求められるものも毎年変わり、厳しくなりますから。自分の仕事はシュートを打つこと。例え入らなくても、今は自分の仕事として割り切れるようになりました。勝ち負けにとらわれると感情が入り、感情的になるといいプレーはできなくなる。だから次も、やってきたことを、たんたんと出していきたいと思います。