サンフレッチェ広島躍進のキーマン、城福門下生の稲垣(中央)と柏
明治安田生命J1リーグ第24節(8月25日、ヤンマースタジアム長居)
我々の今年の目標を考えたら、絶対に連敗をするチームになってはいけないということ。もう一つは同じチームに2回も負けてはいけないということ。
アウェーでのセレッソ大阪戦に1-0で勝利した城福浩監督は試合後の会見でそう言った。
前半19分、ハーフウェーライン付近から、水本・青山・柴崎・和田と繋いでまた柴崎。右サイドからパトリックと渡に放り込んだクロスは相手の壁に跳ね返されたが、そこに詰めた稲垣の、低く抑えた25メートルシュートは見事、相手ゴールネットに突き刺さった。
W杯開催のための中断期間を迎える前のラストゲーム、第15節のセレッソ大阪戦にホームで0-2負けを喫した際、指揮官は「すべてネガティブに考える必要はない」「まだ15節を終えた段階で順位を意識する必要はない」「下を向く必要はない」と”3ない主義”を唱えた。
それから3カ月以上が経過してチームは依然、首位をキープ。ただ、2位の川崎フロンターレもこの日勝って、5戦負けなし。その勝ち点差は6のままだから、「連敗をするチームになってはいけない」「同じチームに2回も負けてはいけない」の思いはチーム全体の、そしてアウェーのスタンドを紫に染めたサポーターの心の叫びだったということなのだろう。
22日の天皇杯3回戦、名古屋グランパス戦では後半途中からパトリック、青山、稲垣を投入して、パトリックのハットトリックで延長4-1で接戦を制した。
「きついとは思っていない。むしろ前を向いていける」
3日前に青山が残した言葉もまた、チーム全体の固い意思だった、ということになる。
第24節終了上位8チームの順位と勝ち点
( )内は前節からの上乗せ。※は昨季の4強でACL出場組
川崎フロンターレ、コンサドーレ札幌は1試合未消化
1位 サンフレッチェ広島 52(+3)
2位 川崎フロンターレ※ 46(+3)
3位 FC東京 41(+1)
4位 コンサドーレ札幌 38(+3)
5位 ヴィッセル神戸 36(-)
6位 セレッソ大阪※ 36(-)
7位 鹿島アントラーズ※ 36(+1)
8位 ベガルタ仙台 35(-)