広島の佐々岡真司新二軍投手コーチが宮崎・日南秋季キャンプに合流した。
予定された紅白戦では野村祐輔、大瀬良、一岡らのピッチングに目を光らせ、”初ブルペン”ではどうしても殻を破れないでいる福井や1年目のシーズンを終えた九里にアドバイスを送った。
佐々岡二軍投手コーチは明るいキャラクターで知られ、しかも現役時代には100勝100セーブ超えをやってのけたスーパー右腕でもある。
社会人入団なので緒方監督より”カープ歴”は浅いが年齢はひとつ上。しかも1991年の「カープ最後のリーグ優勝」の時のエースで、その時山本監督がつけていた背番号88を引き継いでの今回、現場復帰となった。
「佐々岡さんは理論派でいろいろ教えてもらいたいことがある」と緒方監督。ふたりはさっそくブルペンで長い時間をかけ意見交換し、個々の投手についての特性、課題などの面で共通認識を深めていた。
実は今季までチームを指揮していた野村監督の方は、佐々岡二軍投手コーチのひとつ年上。そして1991年のリーグ優勝は「打の野村、投の佐々岡」で力強くチームを引っ張った。
それなのに大野投手コーチから始まり、古沢投手コーチ、畝投手コーチと野村監督の5年間で投手コーチの入れ替えが頻繁に行われたが、とうとう佐々岡コーチの出番は訪れなかった。
野村監督はキャンプ初日のブルペンで投手コーチも見守る中、自ら若手投手に手取り足取り助言する指導法を取っていた。
緒方監督は「選手との対話」は重視するが「コーチ陣にももっともっと選手と話をするように!」と奨励している。
佐々岡二軍投手コーチのその明るさと、100勝100セーブの原動力となった「厳しさと技術力」は表裏一体の関係にある。
「野球は投手力を中心にしたディフェンス」と言い切る緒方監督と佐々岡二軍投手コーチの”コンビネーション”で広島の投手力に磨きがかかる可能性は大。この日、マツダスタジアムで契約を更改し、1000万円減の4000万円(金額は推定)と大幅カットを受け入れサインした今村ら、伸び悩む若手投手の再生にも、”佐々岡スマイル”は欠かせない。