広島の宮崎・日南キャンプ2日目。前日、緒方監督からいきなり高い評価を受けたドラフト1位ルーキーの野間峻祥(中部学院大)がフリー打撃で”狙ってのフェンス越え”を連発した。
新井打撃コーチの「放り込んでみなさいい」の指示に従ったもので、スピンの効いた打球はキャンプ2日目の新人のものとは思えない。
前日「田中の1年目より数段上」という表現でドラ1ルーキーに高い評価を与えたイチロー産みの親、新井打撃コーチの”職人魂”が早々と反応するのも無理はない。広島に来て2年間で丸にイチローの”技と技術”を伝授し一人前に成長させた名伯楽が、このキャンプでは野間峻祥を開幕スタメンに導く可能性がある。
「スイングスピードがあってバットの動かし方もいい。だからあんな風に放り込めるんですよ」
カーブマシンの球を遠くに飛ばそうと思えば体幹に力がある、スイングスピードが速い、ミートポイントがいい、フォローが大きい、など様々な条件が必要になる。言い換えれば力だけではスタンドまでは運べない。ひとことで言うならパワー(力×スピード)とセンスが必要になる。
野間峻祥の打撃スタイルの中で一番目につくのがバットの扱い方。握り方が“熟練者”のようで右小指、右人差し指、左人差し指の使い方が実に“しぶい”。そして新井打撃コーチが多くの選手に矯正を指示してきた引手でない方(野間の場合は左手)の“殺し方”を心得ている。
この打ち方ができていれば、ミートポイントが広がり、簡単にバットを折るようなこともない。堂林らが2、3年かかけてもなかなか会得できない技術を最初から備えていることになる。
野間峻祥の構え、下半身がどっしりして上体がリラックスしている
オリックス時代のイチローはシーズン200本安打に代表されるようにヒット製造機のイメージで新井打撃コーチとともにその打撃スタイルを確立した、だが、練習では当時のグリーンスタジアム神戸のライトスタンド上段まで、まるでピンポン玉のように大きな打球を連発する芸当が可能だった。そのバットの握り方…。野間峻祥のそれは当時のイチローに近い。
「普段の練習でもどうすれば飛ばせるかを体で知っておくこと。そうすれば試合でもその打ち方を自然に出せるようになりますから…」(新井打撃コーチ)
丸が2年の間に”イチロー丸”に成長したように野間峻祥も第2のイチロー丸になる可能性を秘めている。丸と野間峻祥の右中間…。マツダスタジアムの広いグラウンドにふさわしい外野陣の骨格がわずか2日のうちに早々と浮かび上がってきた。
野間峻祥の話 「慣れない中でちょっとは緊張していますが、先輩方に声をかけてもらって、ついていけています。レベルが違うので学ぶことが多いです。キャンプでアピールしてレギュラー争いに参加できたらな、と思います」