セ・パ両リーグ首位対決。どちらも負ければ2位転落の可能性を持ちながらの広島対オリックス3回戦は、8対1でオリックスの圧勝に終わった。
一方の広島は4月11日以来守っていた首位の座を、8-1でロッテを下した巨人に譲った。さらに3位阪神とも0・5差。交流戦首位に躍り出た中日の猛追も受けている。
交流戦単独最下位の広島はこれで交流戦借金7。特にきょうで今季ワーストの5連敗を記録したが、そのスコアたるや惨憺たる状況だ。
日本ハム戦 2-10、2-6
ソフトバンク戦 3-10、5-16
きょうのオリックス戦 1-8
5試合の先発投手を見ていくと…
日本ハム戦は篠田3回自責5(すでに二軍再調整)、前田健太5回自責5。
ソフトバンク戦は九里3回自責2(失点は9)、大瀬良1回3分の0、自責6(失点10)。
きょうのオリックス戦のバリントンが4回3分の1、自責6。
5試合合計でチームとしては実に50点も失っている。
広島は開幕以来、前田健太を軸にバリントン、大瀬良ら充実した先発陣と中田、一岡ら極端に失点の少ないブルペン陣で試合を作り、エルドレッド、丸、菊池らの活躍で効率よく得点を重ねていた。
それが交流戦に入った途端、攻撃力が著しく低下。やがて「1点もやれない状況」で投げ続ける投手陣にもほころびが目立つようになった。
きょうのオリックス戦では、交流戦前までは不動の四番だったエルドレッドをとうとうスタメンから外し、松山を四番に起用。松山は適時打1本を放ったが、けっきょく打線全体の繋がりは欠いたままオリックス先発のディクソンに八回まで粘られた。
交流戦直前の貯金はシーズン最多タイの12もあった。それがあっという間に5つに目減りした。
…と同時に、交流戦前には「プラス40」だった得失点差もついに「マイナス」に転じた。
得失点差のプラスマイナスとチームの勝率5割は通常、シンクロしている。このまま得失点差がマイナスのまま移行すればやがて広島の貯金はゼロになる可能性が高い。
連敗のきっかけとなった6月3日の日本ハム1回戦のあと「打てん、守れん、打たれる」野村監督は嘆いたが、効果的な手を打てないまま連敗街道にはまり込んだかっこうだ。
そんな広島の唯一の好材料?はあすの予告先発に指名された野村祐輔。それまで二軍再調整に回っていたため、この連敗の重たい空気に比較的、左右されにくいいはず、なのだが…。
すでにソフトバンクに4戦全敗に終わった広島は対オリックス戦もここまで3戦全敗。日本ハム戦も2戦全敗で、交流戦残り試合には「コイの試練」が待ち受けている。