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2014年06月27日
編集部

やがて首位打者を争うようになる広島・菊池に広島野球の原風景

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広島の菊池涼介内野手が17試合連続ヒットとなった。3タコで迎えた七回、DeNA二番手・安部から右前に詰まりながら落として一死一、三塁の形を作った。天谷との一、二番コンビは、あのカープ初優勝の立役者、大下剛史、三村敏之の機動力野球を見ているかのようだった。

だが、菊池は三村ではない。では誰なのか?

2年前の12月、新入団会見の雛壇から降りてきた菊池からは金本知憲の“匂い”がした。菊池の囲み取材が解けた時「金本さん、知ってるよね?同じ匂いがする…」と本人に伝えると笑っていた。

二年目の昨年、菊池は東出の故障もあって二塁に定着した。二塁手の捕殺日本記録を更新してゴールデングラブ賞にも輝いた。

どちらかと言えば守備のイメージ優先?141試合のうち140試合にスタメン出場した。大きなケガはなかったから全試合、いやフルイニング出場もやろうと思えば可能だった。そう菊池には“ケガ”がない。

ただ、“古傷”はあった。2月の沖縄キャンプ紅白戦。帰塁の際に右手首を負傷した。骨折もあった、とか筋を伸ばしたとか聞いているが、本人はそれについて触れようとはしなかった。

それでも「疲れがたまってくると右手首が緩くなる」とポツリと漏らしたことはあった。テーピングをリストバンドで隠していたが、けっきょく夏が過ぎても右手を固めたままだった。

プロ年目となる昨年の打撃成績は133安打、打率2割4分7厘。体の割にはホームランも11本かっ飛ばした。

しかし右投手の対戦打率は2割3分5厘。弱点ははっきりしていた。

テーピングのお世話にならないで済む今季はキャンプで右打ちを徹底的に繰り返したことも手伝って右手を押し込むバッティングに磨きがかかってきた。広角に打てる。打球がよく伸びる。球威とキレではセ・リーグの上を行くパ・リーグ投手陣も打ち込んだ。

交流戦打率は3割4分8厘。12球団第8位に食い込んだ。

そして現在の右投手の対戦打率は3割を超えている。

今夜の試合、DeNA先発のセ・リーグ勝ち頭・井納と対峙した三回の第2打席は目を見張るものがあった。

ゆらり、ゆらりと緩く力感の乏しい構えから、右手の緩みを気にすることなく振り抜く打法はバットがよくしなる。完璧にとらえた打球はラインドライブかかかりながら伸びすぎて、センターの守備に不慣れな石川によって好捕された。

新井打撃コーチと出会った2年前の秋以来、ずっと言われてきたことが少しずつできるようにもなってきた。「腕の使い方」や「体の軸回転」。数字にとらわれることなくただひたすら言われた課題に取り組むことだけを考えている。

いい打球が飛ばせるのだから、七回のヒットは必然だった。連続ヒットはまだまだ継続されることだろう。

金本がカープに入団した当時と同じように、菊池にもポジションは与えられてはいなかった。自分の力で勝ち取った。金本がそうであったように、菊池も少々のことでは試合を休まない。その気になれば平成の鉄人2号にだってなれるはずだ。そして首位打者争いも…。

広島は交流戦で9連敗を喫したがその間も菊池は孤軍奮闘し、今回のチーム6連勝にも殊勲打連発で大きく貢献している。

そして、チームメート7人と臨むオールスターの大舞台も決まった。金本や多くの先輩たちがそうであったように、無名のアマチュア時代を反骨心に換え、また赤い魂を宿す広島育ちが全国プロ野球ファンの耳目を集めることになる。

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