エルドレッドの2発で最下位のヤクルトに早々と引導を渡した。広島は4打点の主砲の活躍とエース前田健太の力投により7対1と快勝、交流戦9連敗で一度は“残高”1になった貯金を8まで戻し、二けた貯金も再び視界にとらえ始めた。
エルドレッドの1試合2ホーマーは今季5試合目、バックスクリーンに叩き込んだのはマツダスタジアムだけでもこれで3発目。相手バッテリーも当然、研究しているはずなのにそれでもその勢いは止まりそうにない。
“驚弾”を量産するヒーローに向けて「山本浩二さんの球団記録(44本塁打、113打点)を超えるペースです!」と振られても「数字は気にしない。大事なのはチームの勝利に貢献すること」といつもと変わらぬ優等生!?の受け答え。
だが、それは決して口先だけの話ではない。
フロリダ州は大西洋側に開けた保養地、フォートローダデール。太陽と海岸線の賑わいの街で育ったブラッド少年は人一倍大きな体でやはり頭抜けた飛距離を誇っていた。でも、父親のジムさんが一番ほめてくれたのは“身を粉にしてチームの勝利に貢献するプレー”をした時だった。だからそういう価値観が“ビッグマン”と呼ばれるその体の中に染み込んでいる。
明るく陽気な性格は今も昔も変わらない。だから少々のことで落ち込んだりはしない。3・4月は27試合で8ホーマーを放ち打率も3割7分3厘と打ちまくった。
5月は24試合で9ホーマー、打率2割8分0厘。
それが6月は打率1割9分と急降下した。だがホームランは17試合で8発とむしろペースアップした。
そしてここ4試合では8安打5ホーマー。トータルではチームがシーズン半分の72試合を消化した時点で28本塁打、75打点。単純計算なら56本塁打、150打点…。
現役時代にチームを5度のリーグ優勝に導いた山本浩二は「ミスター赤ヘル」の名でも呼ばれていた。背番号8は永久欠番。
エルドレッドの背中には55の数字とともに「RED」の3文字も記されている。
そのバットでチームに23年ぶりの栄光の瞬間を!
「ミスターRED」は「ミスター赤ヘル」を超えるだろうか?