広島市の松井市長は1月29日の記者会見で前日、市議会との話し合いの中で出てきた旧広島市民球場跡地に保存しているライトスタンド一部の「解体・撤去」の方針について「現時点で確定しておるわけではない」とし「市民の意見をどういう形で反映させていくかも含めて考えていくべき課題が明らかになった」との見方を示した。
市民の反応が予想以上に大きかったことに対する配慮がうかがえる。
1月29日の旧広島市民球場跡地の様子、この日も含めて1月は広島市消防局が各種演習などで利用しており”賑わい創出”にはほど遠い状況
一方、前日の都市機能向上対策特別委員会を傍聴し、広島市側の「解体・撤去」の方針を聞き即、声を荒げた全国広島東洋カープ私設応援団連盟会長の新藤邦憲さんはこの日、すでに関係各所に連絡するなどその対策について検討を開始。「ひろスポ!」の単独取材に事務所で応じ次のように話した。
「2000席分の保存が200席程度になった時もそれをとっぱらうと決めた時も一度も我々はその過程を聞いていない。実は私が球場解体のあとあの場所に足を踏み入れたのは昨年の11月27日が初めて。その様子を見て胸が締め付けられるような思いでしたよ。何でもっと自分も気にしてこなかったのかと…。保存すると聞き、しっかり保存されてりるとばかり思ってたのでね。しかも何度もあそこでイベントを開催して、まったくライトスタンドを活用しないまま塀で囲っているなど、残念の極み。7年間ほったらかしだった。これからどうすれば一番いい結果になるかよく考えてみようと思っています、なんといっても聖地じゃからね」
1月29日撮影、ライトスタンドの一部に雑草が茂り枯れている。保存状態が長期に渡り良好でない様子がうかがえる。