もうひとつ波に乗り切れなかった今シーズン、試合中には何度も呉監督の大きな声がコートに響いた。
ハンドボール女子、広島メイプルレッズの呉成玉(オ・ソンオク)監督が3月末で退任する方向であることを3月3日付中国新聞朝刊が報じた。
呉監督は1998年に広島メイプルレッズの前身、イズミに入り、2011年5月、呉龍基(オ・ヨンキ)前監督からバトンを受けた。2012~2013年シーズンには全日本社会人選手権でチームを優勝に導いた。
日本リーグでも同シーズンに準優勝。「優勝」を明確な目標に掲げ戦力補強して臨んだ今シーズンも、プレーオフには進出したが上位3チームとの力の差を埋めきれず、2年連続で決勝に進むことができなかった。
今シーズンで3年契約の最終年を終えた呉監督は契約の更新を行わず、長年慣れ親しんだ広島を去ることを決断した模様で後任は未定。
元韓国代表の呉成玉監督はプレーヤーとしても輝かしい経歴を持つ。五輪に5度出場し、金、銅各1個、銀2個のメダルを獲得。イズミに入団以降は、2006年まで、日本リーグ7連覇など21度の全国優勝に貢献。一度、チームを退団してオーストリアや韓国のリーグで活躍し2010年夏に復帰した。日本リーグではリーグ得点王に3度、最優秀選手賞に5度輝いており、その情熱をチームの育成にすべて注いできた。