黒田とチームの勝利を信じて声を枯らすカープファンと甲子園に舞う赤いジェット風船
広島・黒田博樹、阪神・藤浪晋太郎の両右腕が先発した甲子園は黒田に軍配があがった。広島は7日、中日との最終戦に勝てばクライマックスシリーズに3年連続で出場する。阪神は暫定3位で全日程を終了した。
勝てば広島の前田健太と並んでハーラートップに立つ藤浪は広島の集中打に沈んだ。
四回、松山に先制2ランを許し、さらにバックのエラーにも足を引っ張られてピンチを広げ石原に2点適時打され、五回の打席で代打を送られた。
だが、この4点を導き出したのはほかでもない、藤浪との投げ合いで勝利を義務付けられた黒田自身の打席だった。
三回一死まで藤浪の前に松山のヒット1本に抑えられている味方打線を横目に藤浪から実に7球連続のファウル。13球目、155キロで見逃し三振に倒れたが、この打席の無言のスイングが毎度、毎度貧打にあえぐ広島打線に火を点けた。
2日前の中日戦(マツダ)では前田健太が自ら決勝2ランを放ち15勝目をあげたがそれに匹敵、いやそれ以上の「男気」打席だった。
黒田は、投げても阪神打線を八回まで零封。国内復帰後初となる完封勝利を目指し九回のマウンドにも上がったが一死一、三塁とされ126球を投げたところで降板。試合はそのまま6-0の快勝に終わり、黒田は「1球の重み」を胸に投げ続けたレギュラーシーズンのラスト登板で堂々の11勝目を掴み取った。