サンフレッチェ広島ユニフォームスポンサーに福山発祥の地元企業テラル株式会社がついた訳と意義

2016年01月13日: 編集部

新加入選手会見であいさつを終えた森島司選手と記念撮影するテラル株式会社杉原弘宣取締役総務部長

サンフレッチェ広島は１月10日、2016シーズンに使用するユニフォームスポンサー、
および、ユニフォームデザインを発表した。

ユニフォームサプライヤーは引き続き株式会社ナイキジャパン。ユニフォームスポンサーは前面が株式会社エディオン、背中がマツダ株式会社、左袖には広島市に本社を置き総合スーパー「イズミ」「ゆめタウン」を西日本で展開する株式会社イズミ、そしてパンツはテラル株式会社に決まった。

ユニホームスポンサーとして新規参入したテラル株式会社は１９１８年（大正７年）に広島県福山市笠岡町でポンプ製造・販売を目的に創業、再来年には創業１００周年を迎える。「省エネを実現し地球環境を守る高効率な」各種ポンプ、ファン、ろ過システムなどを提供し、「水と空気で未来を創る」をモットーに国内を代表する企業に成長。香港、タイ、上海、マレーシアなどにも海外拠点を構え、１９６７年に福山市御幸町に移転した現在の本社と主力工場を中心に、テラルグループの存在感は国内外で増している。

一方、今年市制施行１００周年を迎える福山市はこのところスポーツに関する話題に事欠かない。

昨年１１月には広島ドラゴンフライズの岸房康行代表取締役らが福山市役所を訪れ、羽田皓市長を表敬訪問した。広島ドラゴンフライズは同月、福山市内でのＮＢＬ公式戦を初めて開催した。将来的には福山での公式戦定期開催も視野に入れている。

羽田皓市長（右）と談笑する広島ドラゴンフライズの岸房康行代表取締役

昨年１２月には社会人野球の新クラブチーム「福山ローズファイターズ」の誕生が正式に発表された。福山に本社がある機械、流通、繊維、建設など１０社が正会員となるＮＰＯ法人「福山スポーツ雇用サポートセンター」（来年４月設立予定）が運営する。

また、福山商工会議所内には「福山にプロサッカークラブをつくろう会事務局」が置かれており、福山を拠点にしたＪリーグクラブの誕生に向け署名活動などが行われている。

福山大学キャンパス内での署名活動

こうしたタイミングでテラル株式会社がサンフレッチェ広島のユニホームスポンサーに名乗りをあげたことは意義深い。広島市の地場企業もしくはナショナルスポンサーのみが名を連ねていたサンフレッチェ広島のユニホームスポンサーに初めて備後圏内の地場企業が参入したこいとでその支援が全県的な広がりを見せる可能性も出てきた。

１月１０日の新ユニホーム発表の場であいさつしたテラル株式会社の杉原弘宣取締役総務部長は、昨年末に訪れた携帯ショップでの待ち時間にサンフレッチェ広島対広州恒大戦を待ち合いコーナーで観戦していた時のエピソードを紹介。同点ゴールの時、ただひとり「オッシャー！」と叫び、家族に叱られてそれでも勝ち越しゴールでまた「よっしゃ―！」とポーズすると、今度は回りのお客さんも一緒に「よっしゃ―！」となって試合終了と同時に歓声があがった経験を踏まえ「スポーツの引き込む力、熱狂…、この活力を会社に取り入れたいし、福山の地にもこの活気を取り入れたい」とコメントした。

「スポーツの引き込む力」を熱弁するテラル株式会社杉原弘宣取締役総務部長

テラルロゴ

また「テラル」のロゴについて「一筆書きになっていますがテラルグループの各社が連携をとって１＋１＝３になるよう、協業して力を十分に発揮する意味が込められています」と説明。そして「サンフレッチェさんにおいても選手のみなさん、スタッフのみなさま、地域のみなさまなどみんなの連携で連覇していく強いチームであっていただきたい」とエールを送った。

広島はその歴史上の成り立ちからも広島市を中心とした都市圏と県西部の備後圏の結びつきがややもすれば脆弱ととられかねないような状況が長年続いている。現にカープの公式戦が備後圏で開催されることは稀だ。だが、そこに新たな「広島スポーツ」の潮流を挟み込むことで、オール広島としての一体感が強まる土壌が育つことも期待されている。

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