クライマックスシリーズ、ファイナルシリーズ開幕当日、朝焼けのカープロード、後方にマツダスタジアムの照明塔が見える
セ・リーグのクライマックスシリーズ、ファイナルステージが10月12日、マツダスタジアムで開幕する。
大方の予想では広島が勝つはず。なんと言っても今季、25年ぶりのリーグ優勝は2位・巨人に17・5ゲーム差、貯金37での圧勝だった。
対するDeNAはレギュラーシーズン、借金2。CSに出る資格なし、の声さえある(それは同じく借金2でCSに初出場した2013年の広島にも言えることだが…)
だが、先の東京ドームでのCSファーストステージにおける接戦に次ぐ接戦が証明したようにレギュラーシーズンとCSは別モノと考える必要がある。
長期戦にも短期決戦にも両方強い方が同じく短期決戦の日本シリーズに進むというのがルール。よって当然、両軍を車に例えるとエンジン特性も足回りも、操縦方法も何もかもが変わってくる。
すでに”試運転”を終えたDeNAは、巨人との3連戦のうち2、3戦に今永、石田の両左腕を先発させ、右打者への内角攻めで相手の良さを封じて見せた。
中継ぎの田中や砂田もそう。打たれることもあったが、ラミレス監督は少々のことでは動じない、腹の座った采配を見せた。
第1戦の先発予想は広島がジョンソン、DeNAがモスコーソ。当然ながら1勝のアドバンテージがある広島はこの試合を取ればほとんど勝ったも同然だ。
ではこの試合を落とせばどうなるか?
ジョンソンのあとに続く野村、黒田は長いインターバル期間にいろいろあって調整に専念できる状況ではなかった。また、本当の実戦からあまりに遠ざかり過ぎている。そこらへんをDeNAが突いてくる可能性がある。
仮にアドバンテージも含めて広島の2勝1敗で3戦以降にもつれこむとなると、3戦目でDeNAは今永を、続いて石田をぶつけてくる。
強力広島打線ではあるが、この二人から連打、連打の得意な形へとは今季なかなか持ち込めなかった。しかも先の東京ドームで、ともにその力を十分に発揮したばかりだ。
ところでDeNAにもあまり知られていない?アドバンテージがある。
7月29日、チケット完売、真っ赤に染まったマツダスタジアム。そこでにわかには信じがたいような光景がカープファンの目前で繰り広げられた。
初回、走者2人を置いて先発の野村が筒香に3ランを被弾。三回にはロペスに2ランを、四回にはまたしても筒香に3ランをバックスクリーンにもっていかれた。
締めて8失点。さらに六回にも救援した投手陣から梶谷の満塁弾などで5点を追加。手堅いデフェンス力も売り物にしていた広島が19点も取られたのはあとにも先にもこの日だけだ。
ラミレス監督は広島入りした際にこう言った。
「自分たちが得意としているマツダスタジアムで戦えるというのは、アドバンテージがあると思っている。打率・268で、16本塁打を打っているからね」
ほとんど真っ赤に染まるマツダスタジアムをわが庭のように話すその考え方、秘策とは「誰も知りえない素晴らしい策」のことを指すが、巨人を接戦に次ぐ接戦の末撃破したラミレス監督に秘策あり?か…どうなのか…
10月12日午前6時過ぎのマツダスタジアム前で順番待ちするファン