#19ドラジェン・ルブリッチの活躍が光った、境ブレイザーズとの開幕戦
第1レグ 第1戦・堺ブレイザーズ戦(10月23日日曜日 、大阪中央体育館)
初優勝の一昨年、苦難の昨年を一緒に戦ったブラジルのレオさんの2年契約が終了し、今シーズンは新しい助っ人を迎えることになったJT。
チームからの正式発表前(五輪最終予選より前)から、ポーランドのエース、バルトシュ・カミル・クレク選手がJTでプレーするらしい、という噂はありました。その後、7月4日に加入の正式発表。そしてリオデジャネイロ五輪。
JTのオフィシャルサイトでも「どこからでも得点を狙える世界屈指の現ポーランド代表のオポジット」と紹介されました。
JTサンダーズは今シーズン、9/12~9/23ポーランド遠征を行い、欧州のレベルの高い中で、小さいけど大会を戦い実戦レベルの体験を積むことが出来ました。
ポーランド遠征では、クレク選手もJTのグリーンユニフォーム6番を着用し、越川や深津らに混じり、コートに立っていました。チームメイトと笑顔で写っている写真も公開されていましたし、クレク選手をお迎えに行ったような感じで、一緒に帰国して、9月末から正式にチームに合流、という流れでした。
が、どうも、クレク選手が一緒に帰国しなかった、という話が流れて来て。実際、居ないし。
クレク選手のマネージャー側からの説明は、「最終予選から五輪と、疲労が蓄積しており、体調が万全でなく、地元の病院で精密検査などをしている。」とのこと。
実際の体の状態がどうかは置いておき(色々な噂も置いておき)、クレク選手は来日する気はないらしい、ということで急遽、今シーズンからJTサンダーズに来てくれる助っ人を当たり、セルビア代表で、ワールドリーグでエースを勤めた次世代ホープ、ドラジェン・ルブリッチ選手に来てもらえることになりました。
10月5日、双方合意の元ということでクレク選手との契約を解除し、同日、ドラジェン・ルブリッチ選手の入団が発表されました。
ルブリッチ選手は22歳。とても若いのですが、国際経験も豊富で、イタリア・ポーランドのチームでのプレー経験もある、実力ある選手です。
ビスコ監督も「第1印象で強いインパクトのある選手ではないが、頭のいい、短所の見つからない選手。何よりチームプレーに徹することが出来る選手で、練習からチームコンセプトに合ったプレーが出来ている。私のコンセプトにも合っている。」とインタビューで答えておられます。
雨降って、地固まる。
フタを開けてみたら、良い感じになっていたという1年になれば、最高です。
なお、前日(10月22日)にあった、昨年優勝の豊田合成トレフェルサと、準優勝のパナソニックパンサーズの対戦は0-3で昨年王者が破れる、という波乱を感じさせる幕開けでした。
そしてこの日(10月23日)の開幕第2日は3試合組まれていました。
我がJTサンダーズは、第3試合。 15:40試合開始。 スターティングメンバーは…
WS:越川、安井 MB:中島、筧本 S:深津 OP:ルブリッチ L:久原
緊急来日になり、チーム合流から約2週間くらいしか立たないルブリッチですが、先発からコートに入りました。 2時間半にも渡る接戦は、
25-22
22-25
25-22
14-25
13-15
セットカウント 2-3 で、今シーズン初戦は黒星スタートとなりました。 が、ポイント1 は辛うじてGET出来ました。
いきなり、昨シーズン1年を通して先発リベロを勤めた唐川に代わり、久原を起用。 「その試合でベストと考えるメンバーをチョイスする」 といつも話している、ビスコ監督。 早速来ました!
5-10の劣勢から、16点目のセカンドテクニカルタイムアウトも取られていながら、逆転勝ちした、第1セット。 第2セットも前セットと同じメンバーてスタートしたものの、やはり主導権はいつも堺に握られている感じで。
劣勢のまま相手が20点台に乗りそうだったので、控え選手エリアまで監督が歩いていって、WS八子とMB町野に準備と交代のタイミングを指示。 試合進行状態を見ながら、八子くんと町野さんが、上ジャージを抜いだり着たり、ストレッチしたりして、スタンバイ。 安井さん→八子くん交代。 攻撃力はアップしたものの、逆転は出来ず。
3セット以降は八子くんが出場。 町野さんは第2セットでは、中島くんのピンチサーバーとして出場。 第3セットは、MBペアを、町野・筧本に変更。 第4.5セットは、町野・中島でした。
悩めるルブリッチ…。 まあ。来たばっかしで、チームの中でも、ルブリッチの能力を理解出来てなくて、ぶっつけ本番!みたいな気がしました。ルブリッチ本人も、自分に求められているものが何なのか、掴めなくて戸惑っているように感じました。
セットカウント2-1になった第4セット。 勝ちを意識したのか、勝ち急いだのか、今日は全体的にネットに近めな感じ(だからブロックにかかりやすい)だったセッター深津のトスが、益々近くなっていってて、 客席(副審後ろの斜め上側)から見てても、アタッカーが打とうとするとスルスルとボールがネットに近づいて行く感じがするような、 斜めってる、ネットに近めなトス。
ブロックに当たりに行ってる感じで、ドシャットに近いから、フォローも困難。軟打に変えても、抑えこまれるし、ブロックアウトも狙えない…。 ホント、どうしようもない…。 野球で言ったら、どんな球を要求しても、スルスルとど真ん中高めに打ち頃な球が行っちゃう感じ、ですかね。 ダブルスコア…10点差…
そして、とうとう、金色ルーキー!東福岡高校から来た、金子選手がデビューすることに!
黄金ルーキーデビュー#17金子選手(右端)
金子が出たから逆転した、わけではないけど、 ジャンプして、ボールをセットして、素直なフワリとしたボールが金子の手を離れたかと思ったら、気持ち良く、中島くんのクイックがバシーっ!と決まった時は、 「おぉぅ!」 と感動しました。 まあ、まだまだな面も多々あって、越川さんや八子くんへのトスは短すぎたりして、打ちずらそう〜な感じでしたね。
ただ、今日どの場面でもやりにくそ〜な感じだったルブリッチが、楽そうに打ち切っていたのが、印象に残りました。 金子のテンポが、世界基準なのかな、もしかして。
第4セットは結局取り戻せなくて、第5セット。
第5セットは、セッター深津に戻して、再開。 前のセット、14点しか取れなかったとこから、『ギュ』とギアを入れ替えられる、越川さんは凄いし!そして、今日、唐川くんではなくて久原くんだった意味も、このセットで分かった気がしました。久原くんも、明らかにギアチェンジしましたね。ファインレシーブが随所に見られました。
今日の試合は負けてしまいましたが、ルブリッチの嵌り方次第では、まだまだ行けるのでは、と思えました。 あとは…やっぱり、セッターだなぁ。 東レ、合成、ジェイテクト以外の5チームの助っ人が交代した今シーズン。 助っ人のマッチング度が勝敗を分けた感じもありました。
ポーランドのキャプテン・クビアクがピタリとはまって、ダンチの穴をキチンと埋めた上に、ブラジル帰りの福澤が戻ってきたパナソニックに、昨シーズン王者の合成が食われてしまいました。
昨シーズン、屈辱のチャレンジマッチにいったサントリーも、雪辱を果たす、こともなく、東レに対してポイントも奪えず、負け。 堺に居たペピチを助っ人に迎えたものの、ペパの良さを使い切れないセッター山岡と、守備の出来るWSが抜けた穴を埋め切れていないFC東京は、ジェイテクト相手に1セットも奪えませんでした。
3月まで続く、リーグ戦。 戦いながら調整していく、修正能力の高い監督・選手がいるチームが、最後には笑えると思います。 まだ戦いは始まったばかり。 ここから、ここから!
(グリーンバンダナのちゃこ)