広島ドラゴンフライズの前に大きく立ちはだかる島根スサノオマジックの勝久マイケルHC
広島ドラゴンフライズがB.LEAGUE B2西地区の首位から2位に滑り落ちた。
7連勝で迎えた11月19日、土曜日の初戦。敵地の島根県浜田市、島根県立体育館で島根スサノオマジックに51-74のスコアで完敗。この日、香川ファイブアローズに快勝した熊本ヴォルターズに首位を明け渡すと20日、必勝を期して臨んだ第2戦も53-73と同じようなスコアで連敗を喫した。
この2試合でリードできたのは土曜日第2クォーターと日曜日第3クォーターのみ。11月4日の香川ファイブアローズ戦で左アキレス腱を断裂したキャメロン・リドリーの穴を埋めるべくセネガル共和国出身の28歳センター、アジーズ・エンダイとの契約を11月18日に発表したなかりだが、チームにフィットするのには時間がかかり、現有戦力でどうこの状況を乗り切るか。
熊本ヴォルターズは土日連勝で14勝2敗、広島ドラゴンフライズは12勝4敗で2位、3位の島根スサノオマジックが11勝5敗で肉薄してきており、「土日連敗」だけは回避したかったのだが…
#0 アジーズ・エンダイ Aziz N’Diaye
【生年月日】1988年5月16日
【出身】セネガル共和国
【ポジション】センター(C)
【身長】213cm
【体重】118kg
【経歴】ワシントン大―フランクフルト(ドイツ、2013)―サイバーダインつくばロボッツ(2015)
【賞歴・選出歴】
2007年 セネガル共和国代表 選出
2009年 セネガル共和国代表 選出
2011年 Pac 10カンファレンス優勝
2012年 Pac 12 オールディフェンスチーム選抜
2012年 Pac 12 レギュラーシーズンチャンピオン
2012年 NIT ファイナルフォー
11月19日(土)B.LEAGUE B2 第8節
広島ドラゴンフライズ51-74島根スサノオマジック
1Q:12-25
2Q:13-8
3Q:10-17
4Q:16-24
今シーズン成績:12勝3敗
会場:島根県立体育館
入場者数:903人
<スターター>
広島:#5山田大治、#7坂田央、#18鵤誠司、#21コナー・ラマート、#24田中成也
島根:#5山本エドワード、#32安部 潤、#44栗野 譲、#50ウェイン・マーシャル、#55横尾達泰
島根スサノオマジックは、昨季までのチームメイト栗野譲がスタメン、その栗野も含めて手堅いディフェンスを敷いてくる相手をなかなか崩せないまま25-33で前半を折り返す形に。第3クォーターで一時は5点差まで詰め寄ったが、大事な場面で田中成也、坂田央の頼みの3Pが決まらずまた点差が広がる、という苦しい展開。15点を追いかける第4クォーターには逆に大差をつけられ、試合の流れをつかめないまま完敗。終ってみればジョシュ・デービスに22リバウンドを許した形となり、キャメロン・リドリー不在のモロさを露呈したかっこうになった。
【主なスタッツ】
広島ドラゴンフライズ
得点
#12ダニエル・ディロン15点
リバウンド
#21コナー・ラマート9リバウンド
#5山田大治 5リバウンド
アシスト
#18鵤誠司4アシスト
島根スサノオマジック
得点
#00ジョシュ・デービス16点
#32安部 潤14点
#42ライアン・リード12点
#5山本エドワード11点
リバウンド
#00ジョシュ・デービス22リバウンド
#42ライアン・リード6リバウンド
#50ウェイン・マーシャル6リバウンド
アシスト
#55横尾達泰5アシスト
広島ドラゴンフライズ・佐古賢一HCの話
「今日は第1Qから島根の良いディフェンスに対応できず、3P を効率よく決められて、広島のオフェンスリズムも崩れてしまった。オフェンスについてゲーム中に色々と修正したが、今日はビッグマン2人がボールを欲しがり過ぎてしまった結果ペリメーターのシュートエリアが壊れてしまった。リドリーが抜けたぶんをラマートが自分が頑張ろうとする気持ちが強く出過ぎてしまったかもしれない。明日はこの2人が上手くコンビネーションを発揮できるように考えたい。第3Qの5点差まで追い上げた重要なタイミングで相手に主導権を握られてしまう辺りに広島の弱さがある。全体を通じて島根の気迫のこもったディフェンスにおされて、自分たちのバスケットを見失ったゲームだった」
広島ドラゴンフライズ・朝山正悟の話
「今日は悔しいの一言です。島根のバスケットをやられ、広島は自分たちのバスケットが出来なかった。リドリーが抜けたことは言い訳にしたくないし、ピンチはチャンス、自分たちが成長できる機会だと捉えて結果をきっちり出していきたい」
島根スサノオマジック・勝久マイケルHC
「今日はシューター陣、そして栗野が第1Qでしっかりと自分の役割を果たすなど、それぞれが役割を果たしてくれた結果」
11月20(日)B.LEAGUE B2 第8節
広島ドラゴンフライズ53-73島根スサノオマジック
1Q:13-20
2Q:11-22
3Q:18-16
4Q:11-15
今シーズン成績:12勝4敗
会場:島根県立体育館
入場者数:1119人
<スターター>
広島:#5山田大治、#7坂田央、#18鵤誠司、#21コナー・ラマート、#24田中成也
島根:#5山本エドワード、#32安部 潤、#44栗野 譲、#50ウェイン・マーシャル、#55横尾達泰
対策を講じて臨んだ第2戦も島根スサノオマジックにアウトサイドのシュートで主導権を握られる。いきなり10-0のビハインドで開始3分、早々にタイムアウト。だが、この時点ですでに流れは相手の方へ。
スタンドの声援に後押しされ、攻守に連動する島根スサノオマジックのワンサイド…。24-42と大量ビハインドで後半へ入り第3クォーターではわずかに盛り返したがもはや焼石に水…2日連続で20点差の大敗を喫し、連勝中に組み立ててきた形が揺らぐ結果になった。
島根スサノオマジックは、ジョシュ・デービス 15リバウンド、ウェイン・マーシャル13リバウンド 。これだけやられては試合を組み立てるのは難しい。
島根スサノオマジックにはこれで通算1勝3敗、中国ダービーが鬼門となれば B1昇格への道は険しくなる。
【主なスタッツ】
広島ドラゴンフライズ
得点
#21コナー・ラマート16点
#24田中成也12点
リバウンド
#5山田大治9リバウンド
#24田中成也8リバウンド
#12ダニエル・ディロン6リバウンド
アシスト
#18鵤誠司4アシスト
島根スサノオマジック
得点
#00ジョシュ・デービス19点
#5山本エドワード14点
#50ウェイン・マーシャル12点
リバウンド
#00ジョシュ・デービス 15リバウンド
#50ウェイン・マーシャル13リバウンド
アシスト
#5山本エドワード 4アシスト
広島ドラゴンフライズ・佐古賢一HCの話
「今日も第1Qから島根の良いシュートを決められ、我々の出足が悪くなった。選手同士の動き、合わせ方を見直す必要がある。後半になって本来のリズムを出せたが、リドリーの怪我の影響で本来のポジションでないプレイを求められた選手が多く、ゲームを通して本来のバスケットはできなかった。なにより島根のリバウンドの強さ、特に#00デービスにはかなりやられてしまった。今節で色々な課題が見えたが、しっかり分析、反省し、ここが我々の1つの山場だと位置づけ、来週に引きずることなく選手、スタッフ気持ちを一つにして、チーム一丸で戦っていきたい。」
広島ドラゴンフライズ・山田大治の話
「昨日、今日と同じような展開で島根に好きなようにやられてしまった。広島もオフェンスが全く機能しなかった。個人としてはマークされていた中で無理やりいきすぎた場面が多かった。島根の良いディフェンスと勢いの前に引いてしまい、普段と全く違うリズムで自滅したと思う。チームとして思い切りよくシュートを打つ、リバウンドにいくという部分を課題として挑んだが、勝利には及ばなかった。まだまだシーズン始まったばかりなので、切り替えて自分たちのバスケットをもう一度見つめ直したい」
広島ドラゴンフライズ・鵤誠司の話
「立ち上がりから自分たちのバスケットができなかった。ディフェンスは悪くなかったが、オフェンスで大事にいきすぎてリズムが作れなかったのが敗因だと思う。アウトサイドとインサイドの連携が噛み合わなかった部分が多々あったので、練習できっちりと修正をしてリズムの良いバスケットをやっていきたい」
島根スサノオマジック・勝久マイケルHCの話
「今日も出だしから選手が危機感をもって良いディフェンスができた。ほとんどの局面でやりたいディフェンスができたと評価できるし、最近のゲームに比べてステップアップしていると感じた。今節では選手の目の色が違ったし、本当に集中してゲームに臨めていた。これを機に波にのっていけたらと思う。2日間、島根ブースターの後押しが本当に素晴らしく連勝につながった。」
広島ドラゴンフライズの今季の成績(相手・日・場所・勝敗・スコア)
9・24 愛媛 伊予市民体育館 〇108-64
9・25 同 〇86-69
9・30 熊本 広島サンプラザ ●49-54
10・1 同 〇66-59
10・8 香川 高松市総合体育館 〇86-76
10・9 同 81-63
10・15 島根 周南総合SC ●85-87
10・16 同 〇77-55
10・22 鹿児島 県立総合体育館 〇89-75
10・23 同 〇86-76
10・29 愛媛 東広島市運動公園 〇105-72
10・30 同 99-59
11・3 香川 広島サンプラザ 〇84-59
11・4 同 〇88-63
11・19 島根 島根県立体育館 ●51-74
11・20 同 ●53-73
広島ドラゴンフライズの「土日連敗」は今回が初。B.LEAGUE B1昇格へ、「やってはいけない」パターンに今節ははまった。島根スサノオマジックとは前回、ホーム(山口県周南市)での対戦では土曜日が大接戦、日曜日が相手の攻撃を50点台に封じての理想的な勝ち方だったが、今回は文字通り「倍返し」された。