広島ドラゴンフライズとの死闘を終え、会見で第1声を発する島根スサノオマジック勝久マイケルヘッドコーチ(トップ画像説明、下も)
「第2戦は、本当に…タフな試合でした。2日目の広島というのは今シーズン1回しか負けてなくて…、えー広島はほんとに、ほんとに強かったです。悔しい敗戦となりましたが、しかし最後の10分間、第3戦でコーチとしては逆に選手の邪魔をしないように、いつもやっているプレーをただやってこい、そして選手たちがビッグショットを決め、感動するハートを見せてくれて勝負を決めてくれました」
会見に臨んだ島根スサノオマジックの勝久マイケルヘッドコーチは、言葉を絞り出すようにそう切り出した。その第一声に5・14、松江市総合体育館での出来事のすべてが凝縮されていた。
B.LEAGUE B2プレーオフ準決勝。前日13日の第1試合を60-55で制した島根スサノオマジックはこの日の第2試合を52-53で落とし、続けて行われた第3試合を11-9(前半8-4)で制して、粘る広島ドラゴンフライズを振り切った。
第2戦、第1クォーターの戦況を見守る勝久マイケルヘッドコーチ
第2戦、第1クォーター。広島ドラゴンフライズ司令塔、鵤誠司の2Pシュートで幕が開けたコート上の戦いは、予想を遥かに上回る激しいものとなった。
冒頭のコメントにあるとおり、レギュラーシーズン3度の2連戦で島根スサノオマジックが2日目に勝ったのは1度だけ。そこだけで見ると、島根の1勝2敗。勝率8割5分を誇るB2最強の指揮官を恐れさせるその相手こそ、中国ダービーの好敵手、広島ドラゴンフライズ、そして佐古賢一ヘッドコーチということになる。
第2戦、第1クォーター、最初のタイムアウトで指示を送る佐古賢一ヘッドコーチ(中央)
第2戦、負ければ終わり、の広島ドラゴンフライズが5ポイント連取で勢いづく。たまらず島根スサノオマジックがタイムアウトを取って修正をかけたが、鬼気迫るディフェンスから攻撃に転じる広島ドラゴンフライズの勢いに圧倒される形で、島根スサノオマジックはシュートミスを連発。17-14広島ドラゴンフライズリードで第2クォーターへ突入する。
ローポストでの肉弾戦で相手ビッグマンを跳ね飛ばすコナー・ラマート(左)
指示を送る佐古賢一ヘッドコーチ
山田大治も懸命のディフェンス
オフェンスでの空中戦も優位に進める広島ドラゴンフライズ
「いつもどおりに」と選手を送り出したはずの勝久マイケルヘッドコーチは第2クォーター、残り6分13秒で再びタイムアウト。この時点でスコアは広島ドラゴンフライズの38-25。アリーナの大声援も及ばず、わずかにスタンドの一角を埋めた広島ドラゴンフライズブースターの声がますます大きくなる。
ボードを使って動きを確認する勝久マイケルヘッドコーチ(中央)
声援を送る広島ドラゴンフライズブースター、フライガールズの姿も
第3クォーターを終えて42-40、いよいよ負ければそこで終わり、の第4クォーターへ。
運命の第4クォーターを迎える広島ドラゴンフライズ 浦伸嘉代表取締役社長
広島ドラゴンフライズの選手の動きを注視する寛田司チームドクター(中央)と森田憲吾チームトレーナー
残り3分35秒ついに島根スサノオマジックが追いつき48-48同点。
ここで、広島ドラゴンフライズタイムアウト。
そこから50-49と広島ドラゴンフライズリード。残り53秒、コナー・ラマートの3Pで53-49。
広島ドラゴンフライズ北川弘をマークする島根スサノオマジック安部潤
残り時間を気にかけながら、コートに立ち続ける広島ドラゴンフライズ朝山正悟キャプテン
広島ドラゴンフライズ、リードを守り切れるか…
しかし、残り38秒で島根スサノオマジック安部潤。第1戦では第4クォーター、3P2本で勝利に貢献、この際どい状況でも再び3Pを沈めて広島53-52島根…
広島ドラゴンフライズ、タイムアウト。あと38秒で全てが決まる。
最後の動きを確認する広島ドラゴンフライズ、根間洋一アシスタントコーチの指差すその先には…
そして…
ここも北川弘、安部潤のマッチアップでリスタート
残り20数秒、攻める島根と守る広島…
島根がドリブルから…
深く攻め込む…
逆転を狙った最後のショット…
…わずかにリングに嫌われ、そしてブザー
また、僕らは絶体絶命の崖っぷちからこのコートに戻ってきた、見てくれたよね、みんな!そう、勝つのは僕らの方だ、さあラストもう1試合…
島根スサノオマジックB1昇格おめでとう、そして次もまた新たな舞台でもっと激しく…広島ドラゴンフライズ5・14ドキュメント(中編)
企画制作・撮影・構成・テキストともに、ひろスポ!広島ドラゴンフライズB1への道取材班