ツボにはまれば、日本を代表するクローザーにもなり得るポテンシャルを秘める加藤拓也(トップ画像説明)
交流戦明け、広島はマツダスタジアムで阪神と対戦する。ゲーム差3、首位を行く広島の貯金は交流戦で溜めこんだ「6」を加えて16もある。
ただ首位は安泰かと言えばそうでもない。
阪神には前回、5月ゴールデンウィークの甲子園で「9対0からの大逆転負け」を含めて3連敗を喫した。交流戦貯金3で乗り切った阪神も投打に渡って安定しており、あなどれない。
加えて広島は今、「勝利の方程式」再編作業の真っ最中…
昨季、八回を任され67試合で5勝4敗37ホールドを記録したジャクソンが交流戦後半の日本ハム戦、楽天戦、オリックス戦、ソフトバンク戦で4試合連続失点…150キロ越えの真っ直ぐ、スライダーともにキレを欠き、当面、様子見の状況だ。
こうなると七回は一岡と中田、八回には開幕当初は守護神を任されていた中崎、九回は今村、という顔ぶれになる。
だが、中田は前出の「9対0から大逆転…」の試合で火に油を注いだ。中崎は交流戦11試合で1失点と奮投!しかし、交流戦ラスト登板となった17日のソフトバンク戦は四球2つと苦しい投球を強いられた。
中崎に代わって九回を任されている今村に至っては交流戦9度の救援で無安打だったのは最初の西武戦(5月30日)だけ。そのあとの8試合では失点こそ1だが毎回、ヒットを打たれている。
そこで、広島首脳陣が密かに?準備を進めているのがドラ1右腕、加藤拓也のストッパー、ないしは新守護神構想である。
4月7日のヤクルト戦(マツダスタジアム)で九回、あと一死までノーヒットノーラン投球を披露し鮮烈なプロデビューを放った加藤。でも良かったのはそこまで…。そのあと4度の先発で計11失点、”ヒットは打たれないのに四球連発で自滅する”欠点をさらけ出してあえなく二軍行きとなった。
その二軍でも2試合先発したあとは中継ぎ1試合、また先発で一度投げたあとは九回を任されて2試合続けて3人でピシャリ…
そして6月16日に一軍に戻ってくると18日のソフトバンク戦で一軍、九回登板デビュー。福田、今宮の一、二番を連続三振に仕留めると、柳田も二ゴロにねじ伏せた。
「加藤は三振も取れる。球数が多いとボロじゃないけど、いろいろ出てくる。でも1回だけきっちり押さえろ!なら、あの投げ方でも行ける可能性がある」
そう話すのは広島OBの大野豊氏。広島ひと筋で148勝138セーブをマークしたマルチ左腕の言葉には説得力がある。
加藤の被打率は対右打者は2割を切り、左打者も2割そこそこ。ただし、変則投法で四球連発となれば、とても八回、九回は無理。二軍では「股関節の使い方」などに修正を加えて制球力の安定に努めてきたという。
打者の遥か手前と頭の上とと激しく上下するボールの軌道がストライクゾーン近くで収まるようだと、その球威とフォークだけで三振の山…という展開も夢ではない。
ひろスポ!カープ取材班
ひろスポ!おすすめ情報
中国山地や瀬戸内海の食材を使った逸品を贈り、贈られてこの夏も元気に!
yumeusfoods.theshop.jp/