練習前、加藤後援会長の話を聞く青山、丹羽(前列左から)ら(トップ画像説明)
サンフレッチェ広島は7月30日のホームゲーム、サガン鳥栖戦でヨンソン監督のもと新たなスタートを切る。J1リーグ戦は残り16試合。
現在、降格圏内17位のサンフレッチェ広島は、これまでペトロビッチ監督(浦和レッズ監督7月30日付解任)、森保監督(現在「就活」中)の時代から築き上げてきたものに別れを告げ、ある意味継承もしながらJ1残留を目指す。
その初戦、いまだホームで勝ち星のないチームにとって、勝ち点3を掴み取ることですべてが変わる可能性もある。
目に見えない部分でも、目に見えるとことでもサンフレッチェ広島はどう変わろうとしているのか?
目に見えることで言えばシステムの変更がある。これはヨンソン監督就任会見の席から話題になっていた。詳細については次の記事にうまくまとめてある。
フットボールチャンネル
広島、約10年親しんだ“可変システム”との決別。J1残留に向け採用された4バック
www.footballchannel.jp/2017/07/27/post223724/5/
執筆した藤江直人氏は「カタールの悲劇」も現地取材、当時日本代表だった森保前監督らとも親交がある。サッカーに深い愛情を持って接する書き手の”訴求力”はやはり違う。
この記事にはサンフレッチェ広島がJ2にいた2008年シーズン途中から、当時のペトロビッチ監督の下で、
「3‐4‐2‐1」をベースとしながら攻撃時には「4‐1‐5」へ、守備時には「5‐4‐1」となる独自の「可変システム」(記事よりそのまま引用)
…を採用したとある。
その流れは森保前監督に引き継がれ4年で3度のJ1王者に繋がった。しかし主力の流出が止まらず、相手に研究されたことで手詰まりとなり、監督交代となった、とこういうことになる。
練習終わりにパトリック(左)と談笑する森崎和幸(右)その左は松本フィジカルコーチ
ヨンソン監督J1リーグ戦初陣、サガン鳥栖戦を翌日に控えた練習のあと、最後までピッチにいたのが「可変システム」のコンダクター、森崎和幸だった。今までならこの時間、よく森保前監督と意見交換していた。11対11ではビブスをつけサブ組のボランチに入った。
サンフレッチェ広島は確実に新たなシステムを採用する。最終ラインは3人から4人になり、中盤に5人、ワントップにパトリック。そのシステムで新たな「シェープ」(形)を作りながら攻撃の機会を増やしていく。
ゴールキーパー練習でも変化が見られる。今回の大事なリ・スタートを前に林の姿はなく、先のYBCルヴァン・カップ、FC東京戦でもゴールを守った中林と廣永、それにユースの大迫敬介の3人が最終調整に臨んでいた。
左から中林、大迫、廣永
経験がモノを言うポジションに若さで挑む大迫
練習前にはサンフレッチェ広島後援会の加藤義明会長が「シーズン中では初めて」となる激励に訪れ、ヨンソン監督に激励金を手渡した。
加藤会長と握手するヨンソン監督
25周年を迎えたサンフレッチェ広島にかかわるすべての人々の手によって、サンフレッチェ広島と、広島の今がある。
かけがえのないその存在が幾多の試練を乗り越えて、輝きを放つ瞬間を、我々は何度もこの目で見てきた。
「可変システム」に別れを告げて、その先に待つのは新たな未来か、それともさらなる試練か。
勝負を決するのは、もしかしたらサガン鳥栖戦におけるワンプレーとなるかもしれない。一瞬の輝きがその運命を変える。強者はその一瞬の輝きを引き寄せる。