サンフレッチェ広島の激励にキャンプ地を訪問した松井市長(前列中央)は”この日も”スタジアム問題に触れずじまい…(トップ画像)
「サッカー場関連25万円」
一般読者の目がテンになる見出しの記事が2月9日付の中国新聞に掲載された。
これを読んだサンフレッチェ広島関係者、サッカー協会関係者、かつてサッカースタジアム検討協議会に真摯な姿勢で臨んだ各委員、それに五輪代表監督となった森保一氏ほか、この問題に必死で取り組んできた人々のことを考えると、怒りを通り越して、ただただ情けない限りである。
何よりサッカースタジアム建設の早期実現を願い署名した42万2,283件(2018年1月1日調べ)のその思いをいったいどれだけ踏みにじれば気がすむのか…
広島市と松井市長は…
2月10日、広島市の松井市長は宮崎県宮崎市でキャンプを張るサンフレッチェ広島の激励に訪れたが、サッカースタジアムに関する話題は”両者”からいっさい出ずじまい。2017年12月に広島市中区で開催された激励の夕べでもそうだった。
この期に及んで”それには触れません”はないだろう。
冒頭の「サッカー場関連25万円」の記事の要旨は…
・広島市の一般会計当初予算でサッカースタジアム関連は25万円。
・予算はカシマスタジアムや横浜スタジアムの見学に充てる
・3候補地の絞り込みは依然、不透明で中央公園(自由・芝生広場)に隣接する基町住民の反発は根強い。
・旧広島市民球場跡地はスタジアム3候補地のひとつであるため、スタジアム建設場所が決まらないので跡地関連予算は見送る
…というもの。
今さら、何をかいわんや、だ。
基町住民の反対は最初から分かっていたこと。それでも自分たちでGOサインを出したのだから、松井市長自らが現地に乗り込み、事情をしっかり説明して理解・協力を仰げばよい。
基町住民側も「市長に来てもらわないと、責任の所在があいまいになり何も進められない」と主張。2016年9月、松井市長・湯崎知事・広島商工会議所の深山会頭の3者がサンフレッチェ広島の久保会長を説き伏せての「中央公園」が第3の候補地となって以来、何度も広島市に「市長と直談判」を要望している。
何を今さら、で言えばもう「3候補地」報道はもういい加減に止めなければいけない。
広島みなと公園はとっくに「レッドカード」、要するに建設候補地から退場となっている。
広島市・県・広島商工会議所は今すぐ市民、県民に頭を下げ「実は2候補地なんです」とこれまでの嘘を撤回すべきだ。いったいいつまで市民・県民を欺くのか?
だいたい、あれだけ大騒動した「広島みなと公園優位」の話の最中には頻繁に紙面を賑わした「作業部会」は今、どこで何をしているのか?
さらに、カシマスタジアム、横浜スタジアムの視察もはあ?だ。
横浜スタジアムはマツダスタジアムのハード、ソフト面を”手本”として今日に至っている。プロトタイプが地元・広島にあるのに横浜まで行く意味がわからない。
カシマスタジアムはそろそろ建て替えの時期を迎えている。要するにもうひと世代旧式のスタジアムだ。わざわざ近い将来、建て変えの可能性があるスタジアムを観にいくのはナンセンス…
もっと言えば、すでに広島市議会の方でもっとセンスのいい「目的意識」を持って国内スタジアムの調査、研究を進めている。
広島市が今、真っ先にやるべきことは…
「建設場所決め」
…これに尽きる。
ほかのことは、場所が決まればどんどん決まっていく。
新球場、マツダスタジアムがそうだったように…
「25万円なんて、無理やりつけた予算です。もう手詰まり状態で予算をつけるべきものがないんです、でもゼロにはできないので…」(広島市記者クラブからの声)
それが正直なところだろう。
なお、ひろスポ!には、広島市がそこまでやらないなら廿日市市にやってもらえばいい、という広島県サッカー協会の野村尊敬名誉会長の声が届いている。
野村名誉会長の話
本来なら松井市長が基町に出向いて「何としても街の発展のためにみなさん協力してください。居住の課題などは合わせて考えます」とそう言えば済むこと。松井市長はずるいから来年の選挙用に「方向性を決めます」など、いろいろ言うでしょう。建設場所は決めずにね。
そして「場所は決まらないのは、それは人のせいです」とね。
広島市がいつまでもやらないなら隣りの廿日市市でいいのでは?廿日市市にはJR、広電も近い、いい場所があります。廿日市市だって、もしそうなればと乗り気でいるんじゃないですか?
一昨年4者会談の時、「中央公園」の話が出たけど私は難しいと思っていました。だからその時も「廿日市市」をプッシュした…。
それと中国新聞も問題。広島みなと公園は、もうスタジアムができもせんのに、できないということを書いていない。それこそ「第3の候補地」は廿日市市に、という声が高まれば、サンフレッチェ広島やサッカースタジアムのことを本当に心配している人たちがいろいろ議論することになる、その方が今の状況に比べればよほど”建設的”だと思いますよ。
サンフレッチェ広島の宮崎キャンプを訪れ、城福浩監督を激励する野村名誉会長はこのあと、広島のサッカースタジアム問題についての見解を示した
以上、広島新サッカースタジアム取材班
ひろスポ!関連記事
広島のサッカースタジアム問題、「中央公園」の台頭で予想どおりの急展開、第2回4者会談のあとサンフレッチェ広島が声明発表(2016年9月14日掲載)
hirospo.com/pickup/32257.html