サンフレッチェフィールドプレーヤーでただひとり、フルタイム出場を続ける和田拓也(トップ画像)
(明治安田生命J1リーグ第11節、トランスコスモスタジアム長崎、4月28日)
首位を行くサンフレッチェ広島はアウェーで4連勝中だったV・ファーレン長崎を2-0粉砕。シュート20本を乱れ打ちする攻撃で、「あれだけ動かされるとガス欠する」とV・ファーレン長崎・高木琢也監督を嘆かせた。
古巣の紫の応援が高木琢也監督の目にも印象深く映ったことだろう。逆にサンフレッチェ広島の城福浩監督にとっては狙い通りの展開になった。守っても攻めてもゲームをコントロールして、お決まりの後半に2点を奪った。
後半から渡大生に替わってピッチに入ったティーラシンが7分、右からのクロスを確実に決めて先制。その7分後には城福浩監督が着任早々から言い続けているセットプレーで左CK(キッカー柴崎晃誠)から激しく相手と競り合った佐々木翔が難しいヘディングシュートを見事に流し込んだ。
1点目のゴールは、青山敏弘を介してのパスのやりとりから、和田拓也が絶妙のマイナスのクロスをグラウンダーで送り込んだ。
「鉄人」と呼ばれる水本裕貴でさえ今季のようなハード日程では成しえない、開幕からの全11節フルタイム出場は、GK林卓人以外では和田拓也だけ。
「試合を重ねることでチームによりフィットしている感覚はある。これからは少しずつでもより自分らしさを出していきたい」と話していたが、決めるべき時に決めるピンポイントクロスはあっぱれ!相手のマークがパトリックに集中してティーラシンはフリーだった。
その和田拓也の冴えた”技”にまで記事の行数を割ける紙面はないようなので、ここにひろスポ!賞(賞品はなし、申し訳ございません)を進呈する。
チーム全体で言えば、前節、一度に3点を失ったショックからどう立ち直るか?それが最大のテーマ?懸案事項?だった今節の戦いは、かくしてハッピーエンドに終わった。
トラッキングデータを見れば、走行距離ベスト10の2位に青山敏弘、4位に稲垣祥、6位に吉野恭平がランクイン。このデータは人もボールも動く「ムービングフットボール」を掲げるチームの進むべき方向性を如実に示している。と同時に、今節のように、守っても攻めても揺さぶりを掛けることで相手を「ガス欠」に追い込むことにもなる。
試合後、城福浩監督は「前節、ほんとに悔しい負け方をしたので、それを取り戻すには勝つしかなかった」と話し「非常に強い気持ちを持って選手も臨んでくれたと思うし「なかなか点が取れずにじれる時間もあったんですけど、しっかりボールを”回し切って”得点に繋げたのは非常に良かったと思います」とした。
城福浩監督が”最大限の重圧”を感じたホームでの開幕戦、そのあと立て続けに勝利した昨季4強との闘い、そして今節。次々に訪れる試練をまたひとつ乗り越えて、サンフレッチェ広島は次節、大型連休中の5月3日、エディオンスタジアム広島に戻ってくる。
第10節終了時点での順位と勝ち点、( )内は前節からの上乗せ。※は昨季の4強でACL出場組
1位 サンフレッチェ広島 25(-)
2位 FC東京 19(+3)
3位 川崎フロンターレ※ 18(+3)
4位 コンサドーレ札幌 18(+3)
5位 セレッソ大阪※ 18(+3)
6位 ヴィッセル神戸 15(+1)
7位 ベガルタ仙台 15(-)
8位 柏レイソル※ 14(+3)
第11節終了時点での順位と勝ち点
1位 サンフレッチェ広島 28(+3)
2位 FC東京 22(+3)
3位 川崎フロンターレ※ 21(+3)
4位 コンサドーレ札幌 19(+1)
5位 セレッソ大阪※ 19(+1)
6位 ベガルタ仙台 16(+1)
7位 清水エスパルス 15(+3)
8位 ヴィッセル神戸 15(-)